見出し画像

松岡美術館(レガシー ―美を受け継ぐ モディリアーニ、シャガール、ピカソ、フジタ)

なんと13年ぶりなのか。目黒駅からバスで10分弱かな。

帰りの新宿駅に張ってあったポスター

チケット買う時「写真撮影可能な作品もありますが、フラッシュやシャッター音が鳴らないようにしてください」と。フラッシュはともかく、音消すアプリなんか入れてねえもんな。盗撮推奨?

ま、私もケータイで写真撮る時の電子シャッター音は耳障りだなといつも思っているのでそういうのもいいだろう(スマホでシャッター音させてるの日本だけらしいけどもう意味あるのかね?)撮影はしなくていいか。

あら、前回来た時もその注意聞いてたんだ。さすがに忘れてた。

ということで今回はいっさい絵の写真なし!

一階には彫刻が数体。

ディエゴ・ジャコメッティ
《猫の給仕頭》1967年

ニャンコがでっかい鉢を持って立っている。ペッチャンコの人物像で有名なアルベルト・ジャコメッティの弟だとか。ジャコメッティもこんな作品作れるんだと思ったら別ジャコなのか。

これはもともと撮影禁止。エジプトっぽい猫ちゃんでエジプト神の「バステト像」がモデルとのこと。

いやこっちでしょ(違う)

展示室3

この部屋には創業者松岡氏による古代アジア仏像彫刻のコレクションが置かれている。

(ご本人は仏教徒なのに)「日本の仏像は集めないんですか?」と聞かれて「抹香臭くて嫌だ」と答えたそうなww。本意はわからんがなんとなくわかる気もする。信仰の対象となると美術品としては見れなくなるよね。コレクションなんて恐れ多い。

《菩薩半跏思惟像》 3世紀頃
いわゆるガンダーラ仏。西洋人ぽい顔付きの仏像だよね。世界史の時間に習って誰でも印象に残ると思う。

これはそのガンダーラ仏が片膝上げて足を組んだところに肘をついて沈思黙考している姿。手と顔は離れていて頬杖はついてない。

広隆寺の菩薩半跏像なんかでお馴染みだが、ガンダーラ仏がこのポーズ取っているのは初めて見た。

ってか、時代的に広隆寺のよりこっちの方が先なんだ。ロダンの「考える人」もある意味これのパクリなのかな。


特集「レガシー」は二階の展示室。けっきょく「撮影禁止」が多かった。

パブロ・ピカソ
《ドラ・マールの肖像》1941年
 《泣く女》のモデルとしても有名なドラ・マールさん。この絵では泣いてない。彼女は派手派手に着飾った姿の肖像画も描かれているけど、これは普段着のお姿なのかな。日常のスケッチという感じ。

↑前回来た時の感想

緑でまとめたコスチューム。切れ長の目が印象的。福笑いのような顔の各パーツの配列だけど、ひとつひとつを見るととても力入れて描いてる。彼女は自分の愛人だった訳で、その触感や匂いまで知っているゆえにそこまで表現しようと試みているようだ。お肌の描き方はそういえば、‘アヴィニョン’ の原型作品と同様の塗り方してるかも。

これね

パブロ・ピカソ
《パイプを持つ男》1968年
なんと87歳の時の作品。どこまでが男でどこまでがイスなのかもわからん。ピカソの作品と知らなければただの落書きだよな。「こどもの描いたような作品」と言われるのはピカソにとっては褒め言葉だったらしいが。

最晩年のピカソ作品はもう玉石混淆だが、たまに心をえぐられるような「玉」もあるから油断ならん。

アメディオ・モディリアーニ
《若い女の胸像(マーサ嬢)》1916~17年
ポスターの作品。神の領域に近づいた(私が勝手に思ってるだけだが)頃の割にはこれはそんなに凄みは感じないな(罰当たり?)。

ピカソといいモディリアーニといい、彼らの「肖像画」は、モデルにちっとも似てないんだけど、どこかその人を彷彿させるものがある(のだろう)。ちっとも似てないけどなんか笑ってしまうコロッケの芸に近いものがある(冒涜?)

モディリアーニが描く顔に瞳がないのはもともと目指していた彫刻っぽさを残しているとよく言われる。そういえば仏像っぽさも感じるね。

モーリス・ド・ヴラマンク
《スノンシュ森の落日》1938年
すっかり落葉した木々の間からオレンジ色の憎いやつ(わかるかな? 夕刊フジってまだあんの?)が沈んでいく。緑の地面と憎いオレンジの対比がもう暴力的に突き刺さる。

ここの展示作品はガラスの壁に隔たれていて距離があるので、双眼鏡で夕日を拡大して見てみたら、たぶん平筆でくるりと塗ってあった。

モイーズ・キスリング
《グレシー城の庭園》1949年
イカリングじゃなくてキスリング。あんまり風景画のイメージなかったけどこれはきれいだね。肖像画よりいいと思う。緑が素晴らしい。お城だけによく手入れされた造園なんだろう。

左はもしかしてバラ園? 水が張ってあるのは池? 川?にミニチュアヨット⛵️?

キスリングはみな撮影可能だった。

さてもう一軒行こう。新宿へ。




いいなと思ったら応援しよう!