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『高級ビールで日本を変える 〜発売からわずか1年で100店以上の星付きレストランに愛されるビールを作った物語〜』(若林洋平)
ROCOCOビール。たまたまとある YouTuber が紹介していてこの高級ビールを知った。
前回記事のエチゴビールへの粘着といい、私がかなりののんべと思われるフシもあるかもしれないが、まったく酒飲みではない。ただ食への興味はつきないので、常にアンテナを張り巡らせている。
まったくの初耳だったのでROCOCOビールなるものをググってみると、かなり高い志と値段のビールで、当初は高級レストランでの提供しかしていなかったが今は通販でも手に入るようだ。
いったんはそっとページを閉じた。買ってみようかなと意思決定をしたのはこのビールを作った方が著した本がAmazonのアンリミテッドにあったので読んでみたから。
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アメリカでマーケティングの勉強してきたという著者。外資系の一流会社で日本での就職が決まっていたのに、自分の夢を叶えるためにそこを退社し、一念発起で起業したという。ビールはおろか食品業界でさえも未経験なのに。
こりゃ無謀面白そう。高いけどものは試しだ。ちょうど送料無料キャンペーンをやっていたのも助かった(ケチですいません。もう終わってるみたいだけど)。
指定日に無事到着。クール便でくーる瓶ビール(韻を踏んでます)。ヤマトでなくJPで来た。あそこもクール便やってんだね。厳重な箱に入ってる。すんげー過剰包装。大事にしているお気持ちはわかるのだが開けた後捨てるの大変で…。
翌日さて試飲するかと冷蔵庫で冷やしたビールを注ごうと持ち上げると、ラベルの結露したところがとても滑りやすかった。空調の効いた一流レストランではそんなこともないのだろうが、ご家庭ではちょっと気を付けたほうがいいかな。
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本の中で「かなりこだわった」というこのビンのラベル。私の世代だと「水玉模様のカルピス!」を思い出してしまう。
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「このビールはワイングラスで飲んで欲しい」とあるがビアグラスにしちゃった。でもこれもこだわりのグラスなので勘弁して。
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これね
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グイッと飲んでみる。第一印象は「濃ゆい!」これぞ麦汁飲んでるって感じだわ🍺 たしかに違う。苦味もほとんどない。甘みすら感じる。シャンパンぽさを求めたというのも頷ける。
シャンパンの様にフレンチレストランの席で愉しめるビールはないのか?というのがそもそものスタートだったらしい。
著者は別にビール職人ではないんだよね。あのサプリで有名なDHCにこのビール製造を委託しているそうだ。もちろん外注に放り投げているわけではなく、自分たちの求める味にするためにアメリカの研究所なども交えて徹底的に作り込んだという。
以下、本文の中からいくつか抜き出してコメント
・既存のビールが敵ではない
・まったく新しいカテゴリーのオプションを提供
・ロココには他のブランドと競争する、という発想がありません
いわゆる「ブルーオーシャン」だね。こういう発想が日本企業にあまりない。モノマネ製品が多い。リスク回避にはもちろんよい戦略ではあるのだけど。
固定費が大きくて、常にマスを狙わざるを得ない大企業は、いますでにボリュームが見えてる分野を相手にするのもやむを得ないのだ。
「小さく始める」著者だが、志はバカでかい。
・ビールで世界的なブランドを作る
・ビール造りとはいっても、私たちが挑むのはラグジュアリービールという、かつてなかったカテゴリーを作る作業です。
まずは入念な市場調査から。めちゃセオリー通り進めている。
・マーケターにとって、自分がユーザーにはなりえないものを担当することは珍しいことではなく、むしろそれが良い結果につながることの方が多いのです
この考え方はハッとした。プロだねえ。「好き」を仕事にすると、場合に寄るけど理想と現実のギャップにいろいろ行き詰まることも多いのだ。納得いかないことでも「仕事」と割り切ることが出来ない。
つまり「俺様のビール」みたいな「自分が飲みたいもの」にこだわっちゃうと同じ趣味嗜好を持っている人たちにしか受け入れられなくなる。
・自転車で都内をかけまわり飛び込み調査
・しかもそのうち2人は外国人です。
空調の効いた部屋で(ビール飲みながら?)カタカタパソコン操作をしているだけではないのだ。最初は実に泥臭い営業活動をしていた。
起業メンバーはアメリカで共に学んだ現地の学友。よくもまあ付き合ってくれたものだ。やっぱり「好き」だけではやってないけど「好き」なんだよね。
・原料や製法の説明はしない
あるある、「どこそこの天然水を使った」「希少ななんとか麦とかんとかホップをふんだんに用いた」「世界初、ウンタラカンタラメソッドでまる一年掛けて醸造しました!」…とかうるせー店ww(でもなんかおいしそうな気もしてきたw)
なお、届けられたビールには、小冊子が付いてきた。
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うほ、ROCOCOビールが飲める超高級レストラン紹介🍴
いつか行ってみたいものだ。
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ブランドを大切に育てていきたいという気持ちがひしひしと伝わってくる。