見出し画像

特別展 オタケ・インパクト 越堂・竹坡・国観、尾竹三兄弟の日本画アナキズム(泉屋博古館東京)


オタケ・インパクト? 競馬馬の名前みたい🐴

尾竹三兄弟🍡

越堂(えつどう、1868生)、竹坡(ちくは、1878生)、国観(こっかん、1880生)

先日見ていたNHK「日曜美術館」のおまけコーナー(なのか?)「アートシーン」で見掛けた企画展。当時大人気だったのに忘れられてしまった絵師三兄弟。なにやらおもしろそうだと見てきた。

泉屋博古館東京は一度来たことがある。

特に記事にはしてなかったな。note もまだ使っていなかったし。

会場は撮影禁止。唯一展示会場入口前のホールに展示されているこの作品はOK。

尾竹国観《絵踏》明治41年(1908)

隠れキリシタンの踏み絵がテーマ。題名は「絵踏み」になってる。「絵踏み」の様子を見守るたくさんの登場人物の描き分けがポイントらしい。お役人、赤子にお乳をあげてる女性、中国人に南蛮人?…(本場キリシタンだと思うのだがここにいていいのかね)。

素人目に気付くのは、お役人が踏ませようとしている女性とイエスを抱くマリア様の絵がずいぶん離れている。

女性も「まあそうおっしゃるなら踏みましょうかえ」みたいな淡々とした表情。全体の雰囲気としても緊迫感はあまり伝わってこない。宗教臭さもないんだよな。

こういうので見るイメージとはだいぶ開きがある。

伝統的な仏教画ってドラマチックなものってあまりないからその延長線上なのだろうか。

裏話的にこの絵にまつわるエピソードがそばのキャプションに張ってある。岡倉天心さん(美術界のエラい人)と竹波氏が審査員の選定で衝突してこの絵も引き上げてしまい(でもこれ弟の絵じゃないの?)、それ以来三兄弟は日本美術院と決別してしまったらしい。

次男「もうおれやめるよ!」
長男「いやおれがやめるよ!」
三男「じゃあおれもやめるよ」
美術院「どうぞどうぞ…!」

こんなやりとりがあったかどうかはわからないが、その後日本の画壇から三人が消えてしまったのは田中一村さんと同じことかね。エラい人に逆らうと干されるんだなあ(個人の感想です)。

ちなみに一村さんは1908年生。五十年近く後の世代だがあまり状況は変わってないのかな。いつだってどこの世界もそうだろうけど。

最初に展示される作品は伝統的な日本画が多いかな。

後半はもうぶっ飛びの絵ばっかり。日本画ってどれも似たようなものに見えてあまり好きになれなかったのだが、エラい人に従っていった画家はやっぱりエラい人が好む絵を描き続けて似たようなものになっちゃうんだろうか(個人の感想です)。

三兄弟の中では竹坡さんが特におもしろかったかな。

ロシアの未来派と呼ばれる画家たちとも交流してそれに倣った作風をいくつか残している。モダンアート!

尾竹竹坡《南国風物(爛春)》大正9年(1920)
これは馬やら人やらがヘタウマで絵本のような温かみのあるピンクの山とかまるでアンリ・ルソーだった。

尾竹竹坡《西王母・東方朔》昭和7年(1932)
三千年に一度しか実らず、食べると不死になる桃を西王母から盗んでワハハハと去っていく東方朔氏を描いたものだと。

なにそれ?孫悟空にそんな話あったよなと調べるとやっぱりそうみたい。西王母・東方朔のエピソードは不老長寿のおめでたい画題として描かれるさしい。

出典

一部唇とか紅を使っているのを除きほぼ墨だけの水墨画らしいが、なんだか煙で描かれているように全体がふわっとしてる。東方朔氏は筋斗雲で逃げていったのかな☁️(悪者だから乗れないはずだが)

もうひとつ目を奪われたのが

尾竹国観 《巴》昭和5年(1930)
「巴」って「女戦士」って意味だったか?? 調べてもよくわからない。
侍女二人を従え鎧を装着し戦の準備をする女戦士。気合の入った目つき、凛々しく美しい…。斬られて本望だよお〜⚔️


尾竹三兄弟って、これを見た時に知った

このマンガにも描かれているかなと思ったが(まだぜんぶ読んでないのよ)いなかった。

ネットでは見かけたので続編で登場!?


まわりはライトアップ中!✨️



いいなと思ったら応援しよう!