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今日は暦で何にあたるのか、と云えば色々な事が見えてくる、日本の暦

日本には昔から農作業の調べ、暮らしの彩として二十四節気という一年を24に分けたこよみが使われていました。今回ご紹介するのは春の季節の一番最後、穀雨(こくう)4月20日頃から5月4日頃にかけての呼び名です。
(二十四節気についての説明は一つ前の記事をご覧ください。)
この頃は農作物にとっての恵みの雨が降る季節。霜の心配がなくなり、稲代では米の苗が育つ頃です。野山の緑も濃くなり、夏の訪れを感じさせます。


草花が輝き
色とりどりの花が咲き

季節を映す旬な言葉にはこんな言葉もあります。

*春惜しむ・・過ぎゆく春を惜しむ思い
*春窮・・・・前年の穀物が減り心許ない様子
*別れ霜・・・春遅くの霜
*揚げ雲雀・・ひばりが鳴きながら舞い上がる様子
*紅の雨・・・紅色の花(石楠花、ツツジ、など)が咲き乱れる頃の雨

これらを繋げるだけでも、詩になってしまいます。
「春惜しむ春窮の頃別れ霜 揚げ雲雀鳴く紅の雨」なんて具合です。

そ〜いえば!

今回は牡丹について書く予定でしたね。
思い出しました。
牡丹は、奈良時代に中国から日本に伝わったとされています。
原産国中国では牡丹を「百花王」としていて、(百獣の王ライオンみたいですね)とても貴重な花です。白居易の漢詩「長恨歌」では、楊貴妃を牡丹に例えています。日本でも茶道の茶花では、最も格の高い花とされています。
そんな、珍重されている花・・・


百花の王

なのに!!!

日本では知名度が低い。牡丹を庭に植えている家もあまりないようです。(古い地元の方などの家には1株ぐらい見かけます)年配の方には馴染みがあるようですが、若い方には関心もしめされない。
あ〜牡丹よ!こんなに立派に咲いているのに・・・


こんな感じで目立たないのかなぁ〜

なぜかな〜と、考えたら、


桜の花が散って、ひと段落、花見も終わりゴールデンウィークに向けてお出かけ先を探す頃。一際低めの高さに咲いている牡丹は目に止まらない。
赤系統やピンク系統の花が多いので、見つけられやすいとは思いますが・・
もうひとつ、難点は芍薬と区別がつきづらい!
「立てば芍薬、座れば牡丹」とあって花の咲く高さが違うというか、芍薬は分類では、草本で牡丹は木本となります。花の形は似ていますが、牡丹は雄蕊が見えるほど開いている感じですね。
花屋さんでも芍薬は見かけるけれど、牡丹が売っているのはあまり無いように思います。

そして!

万葉集には詠まれていません。
蜻蛉日記では、『何とも知らぬ草どもしげき中に、牡丹草どもいと情けなげにて、花散りはてるを見るにも』とあり、
枕草子では『台の前に植ゑられたりける牡丹などのをかしきこと』と詠まれています。
さて、源氏物語ではいかがなものか?
『昔覚ゆる花橘、撫子、そうび(薔薇)くたになどやうの花のくさぐさを植えて』と、「くたに」という名でチラッと出ているだけ!!!!!

それにしても・・・

なぜ漢字で牡の丹と書くのか?
赤色を意味する「丹」は、原種の花の濃い赤紫色からきていると考えられていますが、雄(オス)を意味する「牡」の解釈がいろいろです。
接木で苗を作るからとか、雄ぽく見えるとか、任侠シリーズで牡丹の刺青を見るからかな?
中国語でも牡丹と書き、発音はムータンこれがそのまま伝わったのでしょう。でも、楊貴妃など女性に例えているのに牡とはおかしいですね!?
分からないことは置いといて、

もうすぐ

薔薇が咲き始めるので思いは薔薇へと移りゆく・・
薔薇こそが世界で愛される花の王なのだ!!!! ハッ・ハッ・ハ!
牡丹の花は散り、春の季節はこの穀雨をもって終わりを告げるのです。


散り際は無残

「牡丹草どもいと情けなげにて、花散りはてるを見るにもいとわろし」ですね!

そして!

5月5日から立夏です。

バラの咲くのが待ち遠しい

今回の記事もお読み頂き有り難うございました。

草花が咲き始めて季節の移ろいも感じて、さあ、皆さんは何を思ったでしょうか?

さあっ!何処へ出かけようか?

さあっ!何を食べようか?

さあっ!何をしょうか?

さあっ!何を書こうか?

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