衆議院議員総選挙と選挙巡り日記
10月27日投開票の第50回衆議院議員総選挙は大波乱な結果で幕を閉じた。
当初から自民・公明両党は過半数確保が不透明と言われていたものの、自民党が200議席を割り込んで、甘利明元幹事長や衛藤征士郎元衆議院副議長などの大ベテランのほか、牧原秀樹法務大臣と小里泰弘農林水産大臣の2名の石破内閣の現職閣僚が落選。そして連立を組む公明党も大阪では4選曲で維新に全敗しただけでなく、北海道でも議席を失い、挙げ句の果てには埼玉14区で石井啓一代表が落選すると言う衝撃的な結果となった。
一方の野党は、立憲民主党が大幅に躍進したほか、日本維新の会は比例減少で敗北ムード漂うものの、強固な地盤である大阪では自公や立憲らとの大阪選挙区19番勝負で全勝したほか、滋賀・京都で議席を得ただけでなく、関西を飛び出して広島・福岡では岸田内閣で公選法違反疑惑によって辞任した寺田稔元総務大臣や、裏金問題で二階派の中心にいた武田良太元総務大臣を破って議席を得た。そしてれいわ新選組も比例代表で議席を3倍に増やし、共産党は比例議席を減らすも沖縄1区を死守。社民党も党勢拡大は出来なかったものの沖縄2区を死守した。
また、政治団体であった日本保守党は名古屋市長を辞職した河村たかし共同代表が愛知1区で自民・立憲の現職らに完勝し国政復帰。さらに比例でも2議席を得て10番目の国政政党となった。
そして今回、一番躍進したのが国民民主党である。強固な地盤である愛知では裏金問題で辞任した自民党旧安倍派の鈴木淳司元総務大臣らを破って新たに2議席を獲得。さらに埼玉でも新たに2議席を確保し、埼玉14区では公明・石井代表を落選に追い込んだ。さらに、秋田・静岡でも新たに議席を得て、元から確保していた茨城・長崎も死守。さらには比例代表で名簿が足りなくなり、計3議席を自民・公明・立憲にそれぞれ1議席ずつ譲渡する結果になるほどだった。議席数は4倍に膨れ上がり、今回キャスティングボードを握っていると言っても過言ではない。
私は解散翌日から選挙戦最終日までの約2週間強で東京・埼玉・神奈川の1都2県をまわった。今回は、巡った選挙区を振り返っていこうと思う。
まず、解散翌日の10月10日、学校終わりに向かったのは東京・水道橋駅。国民民主党の玉木雄一郎代表の遊説。「手取りを増やす。」という単純明快なキャッチコピーを掲げ、年収103万円の壁を撤廃し、178万円まで拡大させるとした。他党が政治とカネを一番の問題点に掲げているなかで、国民民主党は経済を一番に掲げたため、党勢拡大の一番の要因は、まさにこの違いなのではないだろうかと思う。
そのままの足で向かったのは横浜市・青葉区。東急田園都市線市が尾駅から10分ほど、青葉区役所にある青葉公会堂に足を運んだ。ここは神奈川8区、横浜市青葉区と緑区が地盤。自民党の三谷英弘元文部科学政務官の総決起集会に向かった。集会には自民党の菅義偉副総裁、三原じゅん子少子化担当大臣も参加。ここまで神奈川8区では2度、立憲民主党の重鎮である江田憲司元代表代行に破れ、比例復活に甘んじてきた。「三度目の正直で小選挙区での勝利を」という決意の元で、「圧倒的、政策実現力。」をキャッチコピーに支持を訴えた。応援弁士で立った菅副総裁も「人を普段あまり誉めることはないが、(三谷氏は)将来の総裁候補と言ってもいい。」と持ち上げた。今回の選挙でもやはり江田氏が磐石な地盤を維持して8選。しかし三谷氏も比例南関東ブロックでの比例復活。執念の4選を果たした。
続いて、翌11日に向かったのが東京・江東区の東陽町。ここは東京15区、江東区を地盤とする。東京メトロ東西線・東陽町駅から15分ほど歩いて、ホテルイースト東京21で開催された、自由民主党江東区総支部臨時大会に足を運んだ。ここは秋元司元内閣府副大臣、柿沢未途元法務副大臣という自民党議員が2代続けて政治とカネや公職選挙法違反で逮捕されるという、自民党不祥事の激震地と言ってもいい。今回の大会では、NPO法人「あなたのいばしょ」を立ち上げ、孤独・孤立対策担当相新設を当時の菅総理・加藤官房長官に申し入れた、さらにはコメンテーターなどとしてテレビに出演し、Z世代の論客でもある、25歳で今回の衆院選最年少候補でもあった大空幸星氏を支部長に選任したという報告を兼ねたものであった。加藤勝信財務大臣も来賓として駆けつけ、「大空こうきを江東区自民党再生のために押し上げてほしい。」と訴えた。今回の選挙では全国的にも注目された東京15区。立憲民主党で今年4月の補選で初当選した酒井菜摘氏、無所属で元参議院議員の須藤元気氏、そして大空氏の事実上の三つ巴であった。今回は酒井氏が再選したものの、大空氏は須藤氏に、次ぐ3位ながらも酒井・須藤・大空3氏の得票差はわずか4000票という僅差だったため、比例東京ブロックでの比例復活で、初当選を掴んだ(須藤氏は無所属のため重複なし)。さらに大会前には、東陽町駅前で、4月補選を日本維新の会から立候補し、その後離党して無所属で挑んだ金澤結衣氏にも遭遇した。今回は四番手で落選したものの、こちらも注目の候補の一人であった。
翌12日は所用でまわれず、さらに翌13日。まず向かったのは東京・北区のJR赤羽駅。ここは東京12区、北区と板橋区の一部が地盤で、日本維新の会の現職・阿部司氏の街頭演説を聞きに向かった。応援演説には、党の共同代表である吉村洋文大阪府知事が駆けつけた。「政治とカネ、もういい加減にしてほしいですよ。」と訴え、政治改革を行う姿勢を示した。今回の選挙では後に紹介することになる自民党の高木啓氏に約1万6000票差で破れるも、比例東京ブロックで復活し、2選を果たした。
そのままJR湘南新宿ラインに乗り込んで向かったのは新宿駅東口のアルタ前。 同じく日本維新の会の吉村共同代表が応援に入った東京1区、千代田区と新宿区を地盤とする選挙区で立候補した音喜多駿政調会長の街頭演説。ヤジが飛び交うなかではあったが、大混戦の1区で是非国政に押し上げてほしいと訴えた。今回は立憲民主党の海江田万里衆議院副議長、自民党の山田美樹衆議院議員に敗れ比例復活もできず、落選となった。
その後、JR中央線・東京メトロ日比谷線を乗り継いで向かったのは東武スカイツリーライン草加駅。埼玉14区、草加・八潮・三郷3市が地盤の選挙区でわ公明党代表に就任したばかりである石井啓一氏の街頭演説に向かった。応援には自民党総裁・石破茂内閣総理大臣。「自公連立政権の象徴であるここ埼玉14区でぜひとも石井啓一を押し上げてほしい。」と訴え、野党時代、自公で政調会長をともに務めた過去などを紹介した。また、石井代表も歴代最長の国土交通大臣を務めた実績などをアピールして支持を訴えた。しかし今回は、国民民主党の鈴木義弘氏に破れ、比例重複なく落選、11選を逃した。
翌14日、正午から所用があったため朝一番で向かったのがJR川口駅前。埼玉2区、川口市の大部分を地盤とする選挙区、日本維新の会の高橋英明氏の街頭演説。藤田文武幹事長が応援に駆けつけた。川口市で問題となるクルド人問題解決などを訴えた。また、身を切る改革の実績を強調。「7億円裏金にした自民と、7億円被災地などに寄付をした維新、どちらを選ぶのか。」と問いかけた。今回は後に紹介する自民党の新藤義孝前経済財政担当大臣に破れるも、野党乱戦を勝ち抜いて比例北関東ブロックで再選を果たした。
そして選挙公示日である15日の朝を向かえた。正午に学校が終わったため、まず向かったのは東京メトロ千代田線の町屋駅。東京29区、荒川区と足立区の一部を地盤とする。日本維新の会の海老澤由紀候補の第一声を聞きに向かった。猪瀬直樹元東京都知事が応援に駆けつけ、「海老澤を押し上げてくれ。」と訴えた。今回の選挙では4番手に沈み落選。再起を期してもらえればと思う。
そしてその足で東京さくらトラム(旧都電荒川線)に乗り込みJR王子駅へ。東京12区、高木啓元外務政務官の第一声。青山繁晴参議院議員の他、かつて公明党から12区を地盤としていた太田昭宏元代表などが応援に入った。「政治とカネを野党は争点にするが、私は無関係。」と潔白を主張、引き続き国政の舞台に押し上げてほしいと訴えた。今回は磐石な地盤や経験もあって先ほど紹介した維新・阿部氏らに差をつけて3選を果たした。
その後、JR京浜東北線に乗り込んで川口駅へ。埼玉2区、川口市の大部分が地盤となる。駅東口のキュポラ広場で行われた自民・新藤義孝前経済財政担当大臣の出陣式に出席した。奥ノ木信夫川口市長や自公の県議・市議も揃って結束力を見せつけた。岸田内閣での経済財政担当大臣を務めた実績と経験をあげて経済再生の実績を強調した。今回、前回から大幅に得票を減らしたものの磐石な地盤を背景に堂々9選を果たした。
そのまま再び京浜東北線に乗って次に向かったのが浦和駅。埼玉1区、さいたま市の見沼・浦和・緑3区が地盤である。駅東口で立憲民主党の元職である武正公一元外務副大臣の応援演説に向かった。清水勇人さいたま市長や岡田克也前幹事長が応援に入り、岡田氏はかつての民主党政権・菅直人内閣の岡田外相・武正副大臣、野田財務相・武正副大臣としての過去を振り返り「政権交代を果たした暁に(武正氏を)国政に戻せば政権の中枢で働いてくれる。」と持ち上げた。今回は村井英樹前官房副長官に破れたものの比例北関東ブロックの比例復活で国政復帰を果たした。
そして南浦和駅経由で武蔵野線に乗り込み、15日のラストはJR三郷駅に向かった。埼玉14区、公明党の石井啓一代表の三郷での第一声で、斎藤鉄夫国土交通大臣・小池百合子東京都知事が応援に入り支持を訴えた(結果は前述の通りである)。
翌16・17日はまたも所用で断念。18日、向かったのは日暮里・舎人ライナーの扇大橋駅。歩いて約45分、都営宮城第三アパートで行われたのは東京29区、公明党の岡本三成政調会長の演説。斎藤健前経済産業大臣も応援に駆けつけ、斎藤経産相・岡本衆院経産委員長時代の実績を強調。大激戦を押し上げてほしいと訴えた。
そして19日、土曜日。まず朝向かったのは神奈川・大船。神奈川4区、横浜市栄区と鎌倉・逗子・葉山3市町が地盤。日本維新の会の新人、加藤千華候補の街頭演説に向かった。藤田文武幹事長が応援に入り、26歳の若さとみずほ銀行での経験を挙げて「庶民感覚を国政へ。」と訴えた。今回は3番手となってしまったが再起を期してもらえればと思う。そしてそのままJR東海道線で隣の藤沢駅へ。神奈川12区、藤沢市と寒川町が地盤。立憲民主党の阿部知子候補の街頭演説へ。亀井静香元衆議院議員が応援に駆けつけ、マイクを握った(私は意味不明な宗教勧誘を振り切れずに演説をろくに聞けず...)。今回も磐石な戦いのもとで9選を果たした。
その後、小田急江ノ島線・JR横浜線を乗り継いで八王子駅へ。東京24区、八王子市が地盤の選挙区。駅からバスで約20分、八王子市立加住小学校の体育館で行われたのは無所属・萩生田光一元文部科学大臣の個人演説会。日本維新の会の創設者(現在は引退によって党籍はなし)である松井一郎元大阪市長が昔のよしみで応援に駆けつけ「もう一度、彼を国政へあげてほしい。」と訴えた。萩生田氏も今回の政治資金問題を謝罪したうえで「八王子のためにもう一度働かせてほしい。」とした。今回は立憲民主党の元参院議員である有田芳生候補との大激戦を演じたが、なんとか7選を果たした。その後、八王子駅に戻ってからJR中央線で次に向かったのは亀戸。東京15区、大空幸星候補の街頭演説を聞きに向かった。小泉進次郎選対委員長が応援に入り、支持を訴えた。
そして日曜日。本来であれば朝、茨城・古河に向かって茨城7区・中村勇人候補の演説を聞きに向かう予定だったが寝坊をしてしまった...と、いうことで気を取り直してまずは東京・荻窪へ。時間があったため、西荻窪まで歩き、「ぶらり途中下車の旅」を体現(?)した。さて、ここは東京は8区、杉並区が地盤の自民党・門寛子候補の街頭演説に向かった。小渕優子組織運動本部長の応援のもと、「経済産業省で培った経験を国会で。」と訴えた。そのまま中央線で阿佐ヶ谷へ移動し、同じく門候補の演説。岸田文雄前内閣総理大臣が応援に入った。「門寛子さんをなんとしても押し上げてほしい。」ー前任であった石原伸晃自民党東京都連最高顧問も支持を訴えた。
その後、新宿に戻ったのち、埼京線で大井町を経由し、京浜東北線で東京を経て東京メトロ東西線で木場駅へ。ここは東京15区、今回の選挙3回目となる江東区である。駅から歩き5分。木場公園で行われた祭りに向かった。公園の外周で無所属の元参議院議員、須藤元気候補が元気をチャージしていた。老若男女問わず出会った有権者一人一人と握手を交わし、支持を訴えた。私も元気をチャージしてもらったが、結果は残念ながら前述の通りとなってしまった。
その後、午後になって次は足立区へ。東京13区、足立区の大部分が地盤の選挙区。自民党の土田慎デジタル政務官の個人演説会を聞きに足立区役所に向かった。この日はかなりハードスケジュールを自ら組んでしまい、最寄りの梅島駅から猛ダッシュをする羽目になり、区役所に着いた頃には汗ばんでしまった。それはさておいて、個人演説には上川陽子前外務大臣、武見敬三前厚生労働大臣、生稲晃子参議院議員が応援に入った。そして土田候補の演説は他の候補とは一風変わっていたと思う。「出来もしないことは言わない。」ー多くの候補がきれいごとを掲げるが達成しているのはあまり多くない。チャレンジして失敗したのか、それとも選挙の時だけのきれいごとなのかはさておいても、口先だけになってしまっている候補も少なくはなく、土田氏は別の角度からの支持を訴えた。真に優秀で信頼される政治家というのは、まさにこういう存在なのではないだろうか。土田氏の演説を聴きながらふと思った。今回の選挙でもしっかりと2選。
そして感銘を受けてじーんとしているのもつかの間、また梅島駅までの約1kmほどを猛ダッシュで汗をかき、メトロ・JRを乗り継いで神奈川・登戸駅に向かった。ここは神奈川9区、川崎市多摩・麻生2区が地盤。自民党の中山展宏元国交副大臣の街頭演説に向かった。小泉進次郎選対委員長が応援に入り、開口一番「彼は選挙に不向き。」と言う。私はもちろん「?」が浮かんだ。選挙の応援で「この人は選挙に向いていない。」という応援弁士がどこにいるのだろうかと、多くの有権者も不思議がったと思う。しかしその真意はすぐに分かることになる。「彼は自分の実績をあまり口にしない。そして選挙の時でさえ、政策を考える。」ーなるほどそういうことか。しまいには「選挙に不向きだが、実は選挙に一番最強なのでは。」と締めた。小泉氏の演説には引き込まれるものがあるなぁと思いながら、中山氏のような政治家も必要だと実感した。しかし今回は立憲民主党の笠浩史国対委員長に破れ、比例復活を逃して落選してしまった。今回の選挙、自民党は中山氏を始め、多くの惜しい候補を落としてしまったといっていいだろう。そして小田急線に乗り込み、最後に向かったのは相模大野駅。神奈川20区、相模原市南区と座間市が地盤。自民党の超重鎮、甘利明元幹事長の演説を聞きに向かった。半導体産業や経済安全保障の父ともいわれる甘利氏、前回は比例復活で幹事長を辞任した経緯を持ち、今回はなんとしても選挙区での当選を目指し訴えた。また、その付近では日本維新の会の元参議院議員である金子洋一候補も演説を行っていた。しかし今回は立憲民主党の大塚小百合氏に破れ、いずれも落選してしまった。
翌21日、学校終わりに向かったのはJR川口駅前。今回の選挙では初となる日本共産党の街頭演説を聞きに向かった。埼玉2区、日本共産党の奥田智子候補の演説。山添拓政策委員長が応援に入った。奥田氏は自民党政治との決別を掲げ、党派を越えた支持・支援を訴えた。しかし今回は四位に沈み落選。その後、帰宅途中に通りすがったアリオ川口前で演説していたのは同じく埼玉2区、日本維新の会の比例現職である高橋英明候補。足を止める人は決して多くはなかったものの、ビラを受けとる人数は多かったといったところだろうか...。
そしてさらに翌22日に向かったのは東武スカイツリーライン新越谷(JR武蔵野線南越谷)駅。駅から歩いて10分ほど、越谷サンシティホールで行われたのは埼玉3区、越谷市と川口市の一部を地盤とする、自民党の現職、黄川田仁志候補の総決起集会。城内実経済安全保障担当大臣、新藤義孝前経済財政担当大臣も応援に駆けつけた。十増十減によって区割りが変わった埼玉南部。黄川田氏が当初地盤だった草加市は14区に編入されたこともあって、危機感を募らせていたが、今回も安定して5選を果たした。
続く23日、川口市の地元公民館で行われたのは自民党の新藤義孝前経済財政担当大臣の個人演説会。「経済再生で日本の新たな時代を作る」と掲げ、地元県議・市議も駆けつけて「自民党苦しいなかでももう一度押し上げてもらいたい。」と訴えた。
翌24日、選挙戦も終盤に差し掛かり、佳境を向かえたなか向かったのは東京・板橋区。東京11区、板橋区の大部分が地盤。都営三田線板橋区役所前駅から3分ほどの商店街で行われた無所属・下村博文元文部科学大臣の演説会。安倍昭恵夫人も応援に駆けつけ指示を訴えた。その後、板場区区役所前駅で下村氏の対立候補でもある立憲民主党の元職、阿久津幸彦元総理補佐官の街頭演説に出くわした。安住淳前国対委員長も駆けつけ「裏金政治はもうまっぴら。」と怒りの演説に立った。その後、電車や自転車を使って東武スカイツリーライン北越谷駅に移動し、駅付近のマルヨシ本社で行われたのは埼玉3区、自民・黄川田仁志候補の個人演説会。中曽根弘文元外務大臣も駆けつけて「海洋政策で彼の右に出る者はいない。」と持ち上げた。
そして25日、向かったのは埼玉14区、東武スカイツリーライン獨協大学前(草加松原)駅の駅前西口公園で行われた公明党・石井啓一代表の最後の街頭演説会。岸田文雄前内閣総理大臣や公明・西田実仁幹事長が応援に入り「石井さんと一緒に仕事をさせてほしい。」と訴えた。石井代表も「比例重複はない。なんとしてもここ埼玉14区から国政の舞台へと押し上げてほしい。」とした(結果は前述の通り)。
そして選挙戦最終日、26日。高校の文化祭が被ってしまって土曜日であったが多く回れず、当初は桜木町駅での神奈川1区・松本純候補の街頭演説に向かうつもりだったが、最終的には埼玉2区(川口市)に張り付くことにした。川口駅前で行われた自民・新藤義孝氏、維新・高橋英明氏に加え、立憲の新人である松浦玄嗣氏の街宣をそれぞれ聞き、西川口駅・蕨駅の高橋氏の街宣を自転車で追いかけ、最後に向かったのは埼玉高速鉄道線鳩ヶ谷駅、共産・奥田智子氏の打ち上げ遊説を聞いた。
今回の総選挙は周知のことながら、自民・公明両党が過半数割れ、立憲・国民・れあわなどは躍進し、維新・共産が微減。そして保守という新たな勢力も現れ、新時代を予感させる結果となった。しかし、野党第一党である立憲民主党に同調する野党は少なく、第二次石破茂内閣が発足する見込みが立ちつつある。「政治とカネ」「統一協会」はもはや下火となった。いや、むしろ下火になるべきであって、ここからはや経済や教育、外交安全保障などの重要課題の方がよっぽど国民は注目する。果たして新たな勢力図が出来た国会において、どう進展があるのだろうか。そこに今後注目していきながら、今回の第50回衆議院議員総選挙の総括を締め括ろうと思う。