関野、倉庫に行く
こんにちは、関野です。
前回の関野、劇場内見に行く。と言う記事で実際に劇場を内見しに行きました。不動産屋さんの「倉庫でやってる団体さんもありますよね」という一言に全力で乗っかり、少しめんどくさそうな不動産屋さんと、『え?今日行くんですか?』という早川さんとともに中野坂上まで行きました。
その日は雨が降っていて、でも実際に劇場をみた僕たちは雨なんか気にならないくらいの熱気にさらされていた。
これまでなんとなく、劇場持てたらいいなあくらいの曖昧だったものが輪郭のはっきりした欲に変わっていくのを感じていました。
その倉庫は丸ノ内線中野坂上駅から徒歩三分くらいの位置にあり、立地は完璧。劇場に比べるとやはり倉庫なので、防音や消防法、近隣の住宅など気になる点もありましたが、劇場に比べるとかなり間取りがはっきりしていて、劇場として動いて行くことはすんなり想像できました。
僕たちが倉庫に置いてある重機の処分方法や、劇場法などの話をしていると、めんどくさそうな不動産屋さんがこんなことを聞いてきた。
不動産屋「銀行どこですか?」
・・・あ。
銀行から融資を受けるとか、なんかクラウドファンディングとか、お金の工面の方法はいくつかうっすら考えていたけど、具体的には何も考えていない!!
そして不動産屋さんは、融資を受ける前提で、どこの銀行からいくら借りるかを聞いてきている!!バレたらなんか舐められそうだ!!
なにか言わないと!と思うが早いか、
関野「みずほ、ですかねえ。。。」
不動産屋『ああ、みずほさんなんですか。』
関野『はい。そうなんですよ。』
ふはは!どうだ!ひねり出してやったぞ!
と思うものの、言った後自分の格好を見て、後悔した。
なんだか、小汚い格好をしている。
お世辞にもお金持ちの風貌はしていなかった。
どおりで、最初会った時からちょくちょくケータイ見てるわけだぜ!と、ひとしきり悲しくなっていると、ふと劇団旗揚げのことを思い出した。
2013年12月。僕ともう一人の劇団主宰は劇場見学に行っていた。
小屋のサイズや値段などをネットで調べて、その日はもう契約するつもりで劇場に行った。僕たちは今回と同じようにテンションが上がっていた。
舞台のことなんか何も知らない僕は、劇場さんに音響と照明の話をされ、ほとんどおうむ返ししかできなかった。でも、その日に同じく勢いで契約をし、その後、確か照明で痛い目を見たのだ。
無知とは本当に怖い。
『みずほ、ですかねえ。。。』と言った後、そんなことを思い出しながら、知ったかぶりするのやめようと思った。
そして、それに気がついて以降、具体的にどんな手順で融資にこぎつけるのかを恥を覚悟で聞きまくった。
そしたら、半笑いで事業計画書の提出や予算組みなどの話をされ、猿みたいにうなづきながらメモを取った。
そして不動産屋さんは最後にこんなことを言ってくれた。
不動産屋『とりあえず事業計画書を持って、銀行に行ってみたらいいんじゃないですか?』
やっぱりみずほ銀行に行ってないのもバレていた。
でも、知ったかぶりせずに話を聞いてからは心なしかずっと眠そうだった不動産屋さんが少し優しそうな顔をしていた。
次回【関野、事業計画書を書いてみる】
つづきます。