テキサスBBQ食べある記 - Cooper's Old Time Pit Bar-B-Que
「また近いうちに会おう」と言ったものの、あっと言う間に何ヶ月も経つなんてことはよくある。ブルガリア出身のBと4月に会って以来、いつの間にか9月になっていた。
久しぶりに会う予定を立てたついでに、せっかくだから軽くドライブに行くことに。行き先はオースティンから1時間半離れたLlanoという田舎町。町の名前は英語読みだと「ラノ」、スペイン語読みすると「ヤノ」になるのだけど、どう読むのが正しいのか分からない。周りのテキサス人に聞いても誰も知らないようで、ラノ派もヤノ派もいるような気がする。
コンサルティング会社やグーグルを経て今は住宅系のスタートアップで人事制度設計を担っているBとは付き合いが長い。前々からドライブに出かける仲で、BGMはテキサス・カントリーの押しも押されぬ英雄ウィリー・ネルソンと決まっている。マツダCX-5で交通量の少ないカントリーロードをスイスイと走りながら、お互いの仕事やプライベートの近況を報告しあった。
Bとはお互いの国の話でも大いに盛り上がる。Bは親日家だし、自分もブルガリアの話を聞くのが楽しい。Bの故郷はブルガリアの首都ソフィアよりもトルコのイスタンブールに近いそう。セルビアのベオグラードも車で行ける距離らしい。話を聞いてると自然と訪れてみたくなる、そんな郷土愛に触れることはいつだって楽しい。
あれこれと話している間にLlanoに到着。
Llanoへ行ったのは、テキサスでは広く知られたBBQの名店Cooper's Old Time Pit Bar-B-Queでランチするため。Cooper'sは1963年創業の古い店。日本の感覚で言えば1963年はそんなに古くないかもしれないが、ここテキサスではかなり年数が経っている方。味も50年以上も変わらない人気店であり続け、週末にはハーレーに跨るバイカーたちがよく訪れるそう。
Llanoには10:45に到着。出かける前にググったときには10:30開店と書いてあったのに、目的地に着いて営業時間を見たら11:00と書いてあった。グーグルの情報、間違ってるじゃないか。でも、個人経営のBBQ店ならそんなことはよくある。
店舗の脇でおっさんたちがお肉を焼いていた。話しかけてみたら、「11:00前だけど大丈夫だ、欲しい肉はなんだ?」と聞かれた。こういうゆるい雰囲気で営業している感じは好きだ。
初めて訪問する店ではいつも定番のブリスケット、リブ、ソーセージの3点を注文することにしているのだけど、テキサス各地のBBQ店を廻っていると、ときどき珍しいメニューを見かけることがある。Cooper'sではヤギ肉も扱っていて、これは初めてお目にかかる。もちろん、いつものお肉に追加して注文した。なんとなく食欲の勢いに乗って、自分にしては珍しくデザートまで注文。全部で$46。ランチにしてはかなり散財してしまった、わはは。
いやー、こんなにしょっぱい肉は初めてかもしれない。とにかく塩がメチャクチャ効いている。水をガブガブ飲みながら食べた。隣の席にいた体のデカくてイモっぽい兄ちゃんの方をチラリと見ると、しょっぱい肉にさらに塩を振りかけていたのでビックリ。いや、これ以上塩は要らないだろ...
それにしても、今回はお肉の写真映りが悪い。インスタグラムに載せたら恥ずかしい。
ヤギの肉も他の肉同様に塩や胡椒が効かせてあり、さらにお店のソースもかかっていたけれど、食べてみると非常にドライな味で喉ごしはあまり良くなかった。食べきるのに少し「頑張った」感はある。美味しいしまた食べたいと思うものの、誰の口にでも合うものではないかもしれない。
$46も払った分だけあって、量が多く、案の定全部は食べきれなかった。残りは持ち帰って晩ご飯にいただきます。
帰りがけにはCooper's近くのパン屋さんを訪問。コーヒーを飲めるところはないかと聞いてみたら、この日はあいにく日曜日、人口3000人程度のLlanoでは、カフェはどこもやってないそう。次は土曜日に訪れてみるか。
ついでにLlanoの正しい読み方も聞いてみたら、「一応ラノ」ということだった。
そういえば、今回に限らず、Bとは他にもBBQ店を一緒に訪問したことがあるのに、お互いの国の肉文化について語らったことは一度もない。次はぜひとも、ブルガリア流の肉の楽しみ方についても聞いてみたい。
ごちそうさまでした。