【オジおばさんと旅しちゃお】掛川 伊豆長岡 三島編④
あたくし、オジおばさんが皆様を勝手に旅行に連れて行くシリーズ。
前回は、掛川花鳥園に入場したところまで語った。
2つ目の温室までは、言葉を選ばずに言えばどこにでもありそうな田舎の施設、といった感じだった。
しかし、2つ目の温室から感じていた不穏な空気は、3つ目の温室で現実のものとなる。
ここからは鳥が苦手な人は絶対に無理な世界が広がっていた。大きなオニバスが栽培されている池が続く温室。池の中には熱帯魚が群れをなして泳いでいる。
この池の周りの環境が問題なのだ。
インコ、オウム、孔雀、その他様々な鳥が放し飼いされている。インコは群をなして頭上スレスレを飛び回る。その鳥たちの数といったら半端なものではない。
ここでオジおばさんは気がつくのである。
「こ、怖い…オレ、鳥が苦手なのかも。」
飛び回るインコ達に餌をあげられるのだが、インコにまみれた人々を見ると、恐ろしさが倍増した。
少し落ち着こう思っていると「ドクターフィッシュ体験」といコーナーを見つけた。
かつてオジおばさんが小さい頃、フジテレビでやっていた「なるほどザワールド」というクイズ番組で、「ひょうきん由美ちゃん」というアナウンサーがドクターフィッシュに囲まれているところを見た時から、いつかは体験したいと思っていた夢が叶う!
よしっとドクターフィッシュ体験コーナーに入って巨大な生け簀を覗くと、
「ん??なんか違うぞ??思ったより魚がデカいぞ?そしてなんかウーパールーパーみたいだぞ??」
正直言ってキモい。広い生け簀にはオジおばさん1人だけ。そこに無数のウーパールーパードクターフィッシュが泳いでいる。
つまりは…ここにオジおばさんが足を入れると一気に集まってくるというとことか…
たくさんの人の角質を食ってデカくなったウーパールーパードクターフィッシュ。それを考えるとまたキモさが倍増する。
「ここまで来たんだ。偶然とは言えひとつ夢が叶うんだ!」
そう自分に言い聞かせて、勇気を出して足を中に入れた。
案の定であった。一気にオジおばさんの足に群がるウーパールーパードクターフィッシュ。角質を食べる、というか貪り食われている感覚がすごい。そりゃそうだ。デカいんだもの…群れを見ていると、足を突かれているというよりは、その光景が恐ろしくなり30秒ほどでギブアップした。
あたくしはここに何しに来たんだっけ…
方針状態になりながら、顔を上げると、ハシビロコウという看板が目に入った。
「そうだわよ!!ハシビロコウのフタバちゃんとイケメン飼育員に会いに行かなくては!!」
正気を取り戻し濡れた足を拭きながら考えた。
「オジおばさんは、鳥が苦手なのではなく集合体が苦手なのかも…」
人混みが苦手なのもそのせいなのかもしれないと、新たな自分の一面に気がついたオジおばさんであった。