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【800字エッセイ】アロマキャンドルを…

あたくし、オジおばさんはいい香りがするものが好きである。

家には、お香、フレグランスマッチ、ピロースプレー、アロマオイル、香水などなど香りグッズが結構ある。

その中でも夜寝る前によくつけているのがアロマキャンドルだ。

最近購入したアロマキャンドルがある。
柑橘系の香りで気に入っていた。
インテリアにも若干のこだわりがあるオジおばさん。そのアロマキャンドルを木製の燭台に乗せて楽しんでいた。

これが問題だった。

何度か服の裾や袖を引っ掛けて倒しそうになっていた。「置く場所を考えなきゃ」と思っていた矢先のことである。

…ついに落として割った。

オジおばさんが完全に悪い。ガラス製なのにそんな燭台に乗せて置いたのが誤りなのだ。

ここからオジおばさんの貧乏根性が剥き出しになる。割れた部分は片側、それも蝋が溢れない箇所である。まだ使えると思い、懲りずに火をつけた。

上手いこと割れ目で固まってくれている

もちろん今回はテーブルの上に直接置いて火をつけた。ビビの入った箇所から蝋は漏れていたがなんとか着くし、垂れてもこない。

そのまま香りを堪能し、そろそろ寝るかぁと火を消した。溶けた蝋はまだ固まっていない。

バカだった。

ちょっとだけ移動させようと触れた瞬間、割れ目から漏れ出していた固まり切ってない蝋で手が滑った。

想像の通りである。
デーブルの上に蝋がたちまちに流れ出した。

「固まる前に拭き取らないと大変なことになる」と思い、急いで拭き取ったがなかなか全てを拭き取れない。

時間との勝負。焦る気持ちとは裏腹に、柑橘系の香りに部屋が包まれ、気持ちはリラックスしてくる。

イライラするどころか、

「スキーの板にワックス塗ってるみたいじゃん。わぁ、雪質に合わんやつつけてきちゃったぁ…じゃないっての!」

とノリツッコミを呟きながら、眠い目をパチクリさせて掃除をなんとか終わらせた。

寝室の方までアロマの香りが漂い、自分へのバカバカしさと、なんだかリラックスする複雑な気持ちで眠りについた。

木製の燭台には、1年間育てている苔玉を乗せることにした。

苔玉、かわいい

最初からこうすればよかった…

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