【800字エッセイ】オペラ座の怪人
オジおばさんは、ミュージカルが大好きだ。
先日、劇団四季の「ゴースト&レディ」を観た感想を掲載した。(下のリンク参照)
実はその翌日も劇団四季を観劇したのだ。
劇場のサイネージ広告で「オペラ座の怪人」横浜公演を知った。
もしやと思い知り合いに連絡したら、なんとファントム役で出演しているという。
なんとしても彼の演じるファントムを観たく、ダメ元でwebを覗いたら、リセールで前から3列目のセンターがひと席空いていた。
これは観に行かねば!と速攻でポチった。
「オペラ座の怪人」は好きなミュージカルのひとつだ。初めて観たのは大学時代、劇団四季の公演だった。正直あまり感動というものはなかったが、ストーリーにはのめり込んでいた。
次に観たのはロンドン ウェストエンドのハーマジェスティ劇場(今はヒズマジェスティ劇場)の公演だった。さすが本場ということもあり、迫力が凄く、初めから泣いていたのを思い出す。
3回目はやはり劇団四季の公演。正直にいうとお遊戯会を観ているようだった。劇団四季の一番酷い時代だ。
映画化されたが、これもまた今ひとつピンと来なかった。
最高なのはロイヤルアルバードホールで行われた25周年記念公演のDVDだ。ウェストエンドで観たあのオペラ座の怪人が映像で観られるなんて!と何度も観返している。
そんなこともあって、オペラ座の怪人はウェストエンドに再度行くまでは観ないだろうなぁと思っていた。
しかし今回、岩城雄太氏のファントム役をどうしても観たくなった。
素晴らしかった。ウェストエンドのレベルと大差ないところまでレベルが上がっていた。岩城雄太氏のファントムは、感情が歌にもセリフにも乗っていた。それに引っ張られて他の役者、チームも素晴らしかった。
観劇後、初めてブラボーと叫んでしまった。
先日も語ったが、昔の四季はセリフと歌に感情を乗せるのはNG。本を伝えるのが目的だからだ。でも今回は違った。確実に劇団四季は変わっている。日本のミュージカルを世界レベルに上げたいというかつての自分の夢が実現に近づいていた。
帰り道、いろんな感情が込み上げて思わず泣いてしまった。そこに自分がいないことや、なぜ諦めてしまったのか…しかしその後に彼らに対する尊敬といか敬意というような感情に変わり、自分も今のステージでできることを全うしようという意思に変化した。
ずっと吹っ切れたと思っていたけど、引きずっていたんだと。
この日、本当の次のステージが始まった気がした。
こういう思いにさせてくれる、舞台を観た後も何かを与えてくれる。
それが本物というのだと、改めて感じた。