ジェネレーションギャップ

2021年度前期が終了し、感じたことをここに記す。

今期も様々な建築家に師事して学んだが、80年代前半までの建築家とそれ以降の建築家で大きく考えが異なっていることが顕在化した。

77年産まれの猪熊純氏は、建築にデジタルを積極的に取り入れる我々の姿勢を見て、「まだはやい。まずはスケッチから始めるアナログな手法を熟知する必要がある。実務の世界では、結局デジタル技術を使えなくとも下の世代がツールを駆使してくれる。デジタルの手法でも、そこに秩序を与えるのが上手いのはアナログの手法を熟知している私たちのほうだ。」と。たしかに、国内の建築家でも成功している彼の言葉は心に刺さるものがあった。

一方、88年産まれでデジタル技術を駆使し、日本の建築界に大きなインパクトを与えている秋吉浩気氏は、私たちが早くからデジタルを身につけることに対して全く抵抗は無かった。
彼に「今の時代、大学院はどこに行くのが得策ですか」と聞いてみたのだが、その答えは『大学院なんて行く必要はない。技術はひとりでも学ぶことができる。今の世代は早くからデジタルを積極的に取り入れるべき。』だった。彼はデジタル技術を早くから学ぶことが出来た私たちの世代を認めている。

両者の決定的な違いは、建築を学ぶ上で「感性を育む」か「論理を育む」かの違いなのだろう。

私は、感性は学ぶものではなく経験が産むものだと考えているので、秋吉氏に傾倒しているが…

果たして、正解はどちらに従うことなのだろうか。アナログとデジタルの中間に位置している私たちの世代では、考えによって方向性が大きく異なりそうだ。

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