【アメリカシビックテックレポート1日目】アメリカのシビックテックリーダーが集まり議論するビッグイベント Brigade Congress 2018参加レポート
みなさんはじめまして!
今年の春まで大学院で「シビックテック」に関する研究をしていた、Onishiと申します。緊張のnote初投稿です。笑
突然ですが、みなさんは「シビックテック」という言葉を知っていますか?
シビックテックは市民という意味のCivicとテクノロジーを指すTechを合わせた造語で、日本では主に私たち市民が自分たちで地域や社会の課題を解決する活動を指す言葉として使われています。
そんなシビックテックについて、昨年研究の一環として3ヶ月ほどアメリカに滞在して行った調査に関して4月17日の夜に開催されるオンラインイベントで話すことになったので、それまでの間に僕がどんなことをしてきたのかについて少しずつ文章化していきたいと思います(僕が帰国してのんびり簿記の勉強をしてる間に抜け落ちてる部分を思い出すという裏目的もあります笑)
さて、第1回は2018年10月のアメリカ渡航後すぐに参加させていただいた「Brigade congress」というアメリカでシビックテックを行う人たち、特にその中でも各地域での活動を先導するリーダー達が多く集まり、問題解決に向けたディスカッションやインプットなどを行うイベントで感動したことやびっくりしたことについて書いていこうと思います!オンラインイベントで話す内容を残すためになるべく短くまとめようと思っているので、時間つぶしに読んでもらえると嬉しいです😆
リーダー同士の団結力の高さ!
イベントが始まってまず驚いたのは、音楽フェスかと思うくらいの参加者の方々の一体感でした。参加者の方々はみなさん自分でコミュニティ運営をしているような方々、かつ会場がホテルのホールということで著名人が集まるパーティーのような大人な雰囲気のイベントなのかなと思いきや、講演者や司会者の言葉1つ1つに声を出してリアクションをとったり、全力で乗っかる(理念合唱とマイクパフォーマンスは衝撃的でした笑)といった日本だと中々味わうことができない雰囲気から、アメリカでシビックテックに取り組む方々の団結力の強さと、問題意識や志が強く共有されていることを感じとることができました。
参加者みんなで撮った集合写真の様子
参加者のニーズに寄り添ったイベント内容
また、イベントは3日間ありましたが、「シビックテックにおける地域間連系」や「パブリックプレゼンテーションのやり方」など参加した全てのセッションが大盛り上がりだったことにも驚きました。今回のイベント主催者であるCode for Americaの方に聞いたところ、事前にどのような問題を抱えているか、どんなコンテンツが欲しいかなどを参加者から回収してセッションの内容を決定し、そのセッションに最適な専門家を外部から招いているそうです。そうしたことができるCode for Americaの知名度やパワーもさることながら、各コミュニティリーダーが自分たちに足りないものを明確に把握し、また他のコミュニティの方と積極的にシェアしているという状況もそんなに簡単に作れるものではないので、活動が発展していることを感じとることができました。
また、違う角度からの気づきとしては参加者の方々が関心を持っているのは「災害対策」や「選挙」、「地域活性」など日本のシビックテックシーンで盛んに行われていることととても似ているということでした。こうした現状を踏まえて、日本のシビックテックに関する情報がもっと海外にシェアされたり、海外の情報が日本に入ってくればお互いの国のシビックテックがもっと盛り上がるかもという気づきを得ることができ、それが現在取り組んでいるCivic tech global relationshipの立ち上げにもつながりました。この活動についてもまた記事を書こうかなと思います。
リーダーの年齢層の多様さ
イベントに来てまずびっくりしたのは、リーダーの方々の中に、僕とそこまで年が変わらない人たちが沢山いたことでした。中には大学生でリーダーをしているという人もいて、年齢関係なくチャンスを掴みに行く姿勢と、それが実現する環境があるというのはすごくイケてると感じました。かといって若い人ばかりと言うわけではなく、様々な出身地や年齢、経験を持つ多様な方々が参加しておられて、日本から来た僕も居心地の悪さを全く感じませんでした。
現役大学生リーダーのMohith君(左)、頼もしい仲間です
イベント後は毎日参加者でグループを作ってご飯や観光などを楽しみました
こうした多様性を生んでいる要因として考えられるものとして、参加者の方にヒアリングする中で判明したのですが、日本は仕事に余裕ができて家庭のことや社会貢献を考えられるようになった方々、キャリアを築いた上で独立した方々がシビックテックに参加されるパターンが多いような印象を受ける一方で、アメリカではそうしたパターンに加えて20代バリバリの転職活動中の方や就活をしている大学生の方などが成果作りやスキル習得のためにシビックテックを始めるというケースが非常に多いようです。僕自身Code for Youthという若い世代のシビックテック参加を促進する活動に参加する中で、日本だと若い世代の方々は「興味はあるけど一歩が踏み出せていない、踏み出し方がわからない」という状況にあるケースが多いように感じていたので、どうすればアメリカのような若い世代の熱狂を生み出せるのかについてとても興味が湧きました。これについては明日以降の投稿で触れていこうと思います。
ちなみにイベント初日の夜には僕が日本人と聞きつけた参加者の方から「テラスハウス大好きだよ!」と声をかけられたり、シビックテックコミュニティ内やコミュニティ間の恋バナで盛り上がったり、二次会はゲームバーに連れて行ってもらったりと、もはや僕ではついていけないくらいフレッシュな雰囲気でとても楽しかったです😙
みんなで肌ケアをする謎の会にも呼んでもらいました(笑)
あちこちで議論が白熱!
イベントに参加するまでは「シビックテックリーダーの方々の輪の中に僕が突撃していくのは大変だろうなあ」と思っていたのですが、イベントが始まると休憩時間もずっと様々な方から日本のシビックテックの状況や僕が取り組んでいる研究のこと、インドのことなど参加者の方々から沢山の質問をしていただき、休む間も無くひたすら議論しました(おかげで3日目には英語の夢を見ました笑)。
僕の周りだけでなく、休憩時間だけでなく講演中にもテーブル間で議論が始まるなど、とにかく参加者の間で不定期に多様なグループができて各地域のシェアや議論が白熱する雰囲気はとても刺激的で学びになりました。
イベント主催者の Open Sharlotteの方々との記念撮影!
終わりに
Brigade congressはアメリカのシビックテックについて沢山の情報を得ただけではなく、リーダー間の関係性やシビックテックに対する捉え方など、様々な気づきを得ることができ、本当にセンセーショナルな経験になりました。また、僕のような日本から来た英語もよくわからない大学生がイベントに参加させてもらえたことは、日本の方々が海外のイベントでの登壇や実績で勝ち得てきた信頼や、アメリカのシビックテックリーダーの方々の心の広さがなければ実現しないことであり、沢山の方々の支援があってここに立つことができているのだなと心が引き締まりました。
憧れのJennifer Pahlkaさんとも写真を撮ってもらいました!
ただ、唯一心残りだったのは会場が盛り上がりすぎて英語初心者の僕には途中からついていけなくなってしまったことでした。こうした場でイニシアチブをとっていくためには英語力はもっと必要だということを痛感したという意味でも、とてもいい経験になりました。
明日以降は、Brigade Congress後に回った各地のシビックテック テックコミュニティのうち、特に印象的だったいくつかのコミュニティを紹介していきたいと思います!こうご期待🙃
ちなみに、イベント自体は10月に参加したので今回の記事を書きながら「かなり忘れてるなあ」と思いました。「レポートはその日のうちに」が鉄則ですね…イベント参加した日に興奮冷めやらぬままに日英で殴り書いた恥ずかしFacebookポストを掘り起こしたので、興味を持っていただいた方はこちらもぜひ読んでみてください😚
https://www.facebook.com/shouta.ohnishi/posts/1442633609202292