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【アメリカシビックテックレポート3日目】Code for San Franciscoで見た、専門家達による本気の市民活動と学生の活躍

こんにちは!
3日目の今回は、サンフランシスコで活動するCode for San Franciscoが主催するハックナイトに参加した時のことについて書いていきたいと思います。

会場の様子。イベント会場はCode for Americaのオフィスでした。

オープニングからツワモノ揃い感がすごかったです笑

専門家の多さ

サンフランシスコはGoogleやFacebook, Appleなどの名だたるIT企業が集結している地域であるため、どのような形でシビックテックが行われているのかとても気になっていたのですが、参加してまず参加者の方々の専門性の高さ、そして多様さに驚きました。一般的にシビックハックナイトはプロジェクトや興味のある内容ごとにグループわけが行われ、そのグループの中で開発役、デザインと役いったように役割分担をしながら作業を行います。しかし、Code for San Franciscoのハックナイトは「UXデザインチーム」や「データサイエンスチーム」「広報チーム」といったような個人のスキルベースでグループが形成されており、グループ間で連携をしながらプロジェクトを回すという企業に近いような形で活動が行われていました。さらにリーダーシップチームのメンバーがコンサルタントのような形でプロジェクトに入って問題点を洗い出すという取り組みも行われていました。こうした取り組みは各グループにリーダーの役割を担う人がいなければ成立しないものであるため、参加者の専門性の高さと多様さを感じることができました。

UXリサーチチームの様子

しかし、昨日記事にあげたCode for Bostonと比べると、スキルベースでのチーム編成は効率のいい開発ができる反面、初参加の人や学生などにとってはやや参加のハードルが高いように感じられ、スキルフルな人が多く集まるサンフランシスコだからこそ成り立つ仕組みなのだなと思いました(と同時に初参加という理由で甘やかさない感じがシリコンバレーっぽいなと感じました。笑)。実際にリーダーシップメンバーに話を聞いたところ、初参加者が2回目の参加まで至らないというのがグループ全体の大きな課題としてあるそうです。

学生の巻き込み

しかし、そうした環境の中でCode for San Franciscoには「学生」を巻き込むための面白い仕組みがあることを発見することができました。Code for San Franciscoは多くの外部団体と連携しながら活動しているのですが、その中の1つの団体である「Dev mission」というNPOと協力して、学生がメンターのサポートを受けながらプロジェクトの企画と提案を行い、いいものができればCode for San Franciscoのプロジェクトとしてメンバーが入ってくるという取り組みが行われていました。さらに、アメリカ滞在が始まった10月にはまだ企画段階だったプロジェクトが、帰国前の12月にもう一度参加した際にはメンバーを巻き込んだ大規模な開発案件になっており、実際に学生がリーダーになる仕組みが機能していることに感動しました。

学生さんとメンターさん。最後に参加した時にはたくさんのメンバーに囲まれてプロジェクトを回していました

リーダーではなく「リーダーシップチーム」

サンフランシスコに限らず多くのアメリカのシビックテックコミュニティの共通点として、固有のリーダーを置かずにリーダーシップチームというグループを形成しているということ、そしてリーダーシップチームのメンバーが頻繁に変わるということでした。意思決定のスピードが遅くなる、「代表者」としてのコメントが出せない(そういうの必要な時はスプレッドシートにみんなで書き込んだり修正していくんだと言われてびっくりしました笑)などの難しい点もあるようですが、実際にリーダーシップチームに新しく入った人に話を聞いたところ、画一的にならず常に改善していけることや、前のメンバーが抜けても継続していけるという大きなメリットがあるということもわかりました。日本ではどちらかというと「代表者」がいるケースが多いので、こうしたこれまで見たことの無い組織(組織と表現していいのかわかりませんが…)の形があるということを知れたことはとても大きな学びになりました。

最後に

サンフランシスコの滞在期間は他の地域より眺めであったためCode for San Franciscoのハックナイトは4-5回ほど参加したのですが、どの回も本当にたくさんの人が参加して盛り上がっていました。しかし、話を聞く中で、サンフランシスコという環境があるおかげで盛況しているわけではなく、むしろ無数のコミュニティが存在するサンフランシスコの中でどのように他と差別化、協力していくかということについて研究を重ね、その結果として規模の大きな活動を持続的にできているという印象を受けました。毎回のイベントは必ずGoogle spread sheetに詳細に記録して公開されており、かつCode for Americaのブログなどでも記事になっているので、これからもぜひサンフランシスコの情報はキャッチアップしていきたいと思います。

Code for San Franciscoのイベント参加の様子は何度かFacebookに書きましたが、初めて参加した際のpostが一番熱いので、ぜひ興味が湧いた方は読んでみてください😀
https://www.facebook.com/shouta.ohnishi/posts/1434633080002345

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