【アメリカシビックテックレポート4日目】大都市ロサンゼルスで活動するHack for LAはシビックテックの発明家集団でした
こんにちは!今日はロサンゼルスで活動するHack for LAのイベントに参加した時のことを振り返っていきたいと思います!
複数地域でのイベント開催とメンバーの入れ替わり
まず、Hack for LAについて調べる中で驚いたのが、市内と海岸沿いのサンタモニカ地区でそれぞれcivic hack nightが毎週1回開催されているということでした。両方とも参加したのですが、イベントの形態は似ているもののプロジェクトも参加者も全く異なっていました。メンバーの方に話を聞いたところ、以前は市内でのみイベントを開催していたそうですが、ロサンゼルスは面積が大きいため郊外に住んでいる人が来るのが大変であるという問題を解決するとともに、サンタモニカ地区はスタートアップ企業が多いため技術者が多く市内中心部はNGOが多く活動しているなどの地域ごとの特色を生かすことを目的として、今は全体をまとめるリーダーとは別に複数地域にハックナイトリーダーを配置し、独立した活動を行うという独自の運営方針をとっているとのことでした。
また、こうした取り組みを行った結果として参加人数が増加しただけではなく、リソース共有などの形での地域間連携や、課題はあるものの解決できる人材が居ない地域でのハックナイトの開催といったこれまでできなかった多くのことができるようになってきているという話を聞くことができました。こうしたやり方が広まっていくことで、より多様な課題の解決につながっていくかも知れないという大きな可能性を感じる発見でした。
市内で行われているイベントの様子。バンドマンや行政の方など多様な人が参加して開発を進めていました。
サンタモニカでのイベントの様子(ビーチで遊んだ後だったので僕も若干テンション高めでした笑)
新メンバーへの説明の仕方
以前書いたCode for Bostonの記事時でも新メンバーの勧誘に関する 工夫について書きましたが、Hack for LAでは新メンバー勧誘に関してボストンとは異なる形で工夫が行われていました。
まず、通常こうしたイベントでは全体に向けたオリエンテーションの中で初参加者の方に向けた説明があり、初めてきた人はそこでイベントやコミュニティの雰囲気をつかむことが一般的ですが、Hack for LAの場合はハックナイトリーダーが中心となって、「それは今話さなくてもいいね」や「さっきもした話だよ」といった指摘をしながら、とにかくオリエンテーションを早く済ませようという雰囲気で進行していき、オリエンテーションが5分足らずで終了してしまいました。英語も十分に理解できない僕ではこのままだとほとんどイベントのことを理解できないなと困っていたのですが、オリエンテーション終了後すぐにハックナイトリーダーから新メンバーに向けて説明をしてもらう時間をとっていただきました。そして、この時間がとにかくじっくり丁寧で驚きました。さっきのスピーディーな雰囲気とは全く異なり、理解できるまでなんども説明をしてくれる真摯な姿勢には心動かされました。さらに、新メンバー全体に向けた説明が終わった後も、僕が個別に話を聞かせてほしいとお願いすると、1時間以上の時間を使って丁寧に節けいしてくれました。
後ほど聞いたのですが、初めのオリエンテーションをスピーディーに終わらせたのはいつも来ているメンバーにとってオリエンテーションの時間を使って初参加者に向けた丁寧な説明をすることは退屈な時間になってしまうため、とにかくプロジェクトメンバーが早く作業に取りかかれるようにオリエンテーションは短縮して行っているのだそうです。さらに、初参加者に向けた丁寧な説明については、初参加者にとってシビックテックを理解するのは難しく、よくわからないまま来なくなってしまうということが多いため、ハックナイトリーダーの大きな役割の1つとして「初参加者への説明」があるのだそうです。参加者をひとまとめにしてマス向けに説明をするのではなく、その中に隠れる2つの潜在的なニーズを読み取って複数の手法を組み合わせたオリエンテーションをするという工夫には心底感嘆し、ぜひ真似していきたいと思いました。
リーダーによる説明。ホワイトボードを使ってとてもわかりやすかったです。
行政との関係性
ロサンゼルスには3日という超短期滞在だったのですが、なんとコミュニティ全体のリーダーを務めるかたとランチに行かせていただきました。その際にHack for LA設立のきっかけやコミュニティ運営のやり方などについて色々と聞くことができました。話を聞く中で印象的だったのは、リーダーを務めるNinaさんは行政関係の仕事していて、そこにスタートアップ的な考えを取り入れていくというやり方で、カンファレンス等に自ら参加してつながりを作ること、ハックナイトなどの形で両者が交流できる場を作ることを通じて行政の人間とテクノロジー側の人間が協働、交流するような場作りをしてきたというお話でした。
リーダーのNinaさんとご飯。とても気さくな方で、コミュニティのことやご自身のことについて丁寧に教えてくださいました。
ロサンゼルスで人気のメキシカン料理屋さんに連れて行っていただきました😋
ロサンゼルス滞在中に、実際にHack for LAが主催するData and Donutsというイベントに参加したのですが、物作りをするハックナイトとは違い行政側の取り組みをシェアしてそれをどう改善するか、連携していくかなどについて話し合うような内容になっており、Hack for LAは様々な形で新しい機会やつながりを得たいという行政関係者とスタートアップ、テクノロジー系の方々がつながる場を作っていることが理解できるとともに、そうした場を作るためには行政かスタートアップのどちらかに近い位置にいることが重要だということを知ることができました。
講演の様子
交流会の様子。ハックナイトとはまた違った雰囲気で面白かったです😆
最後に
LAでは他地域連携やリーダーの役割、行政との繋がり作りなどの多くの工夫を知ることができました。また、ここまで複数の地域を見てくる中で、それぞれの地域が尖った工夫をしており、それらがBrigade congressなどの場でシェアされていることがアメリカでシビックテックが発展している理由の1つであるということを自分の目で見て知ることができました。それと同時に、こうした動きが起きている裏には「各地域が尖った工夫に取り組むこと」と「それを積極的に取り入れていく姿勢を他の地域が持つこと」の2つが必要であり、そうした仕組みはどのようにして作られるのだろうという疑問が湧きました。明日以降はその疑問に対しても答えていければと思います。
ちなみに、ロサンゼルスは前から行きたかった場所だったので、過密スケジュールの中観光も楽しみました。街の風景もビーチも最高ですごくリラックスできました😚
アートな壁
遊園地
サンタモニカビーチ
LAに関しても、イベント参加当時の僕のFacebookポストが見つかったので、鮮度高めの情報が欲しいよという方はぜひこちらをご覧ください😌
https://www.facebook.com/shouta.ohnishi/posts/1489514804514172