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宇宙から地球を見た人たち
最初の1、2日は、みんなが自分の国を指していた。3、4日目は、それぞれ自分の大陸を指さした。そして5日目にはみんな黙ってしまった。そこにはたった1つの地球しかなかった。 スルタン・サルマン・アル・サウド
1985年、サウジアラビア共和国から初めて宇宙を旅したスルタン・サルマン・アル・サウド宇宙飛行士が、宇宙から地球を見つめながらつぶやいた言葉だ。彼はアラブ諸国から初、イスラム教徒としても初の宇宙飛行士だった。彼が搭乗したスペースシャトル・ディスカバリー号には、ほかに5人の米国NASAの宇宙飛行士と、1人のフランスの飛行士が搭乗し、7日間の宇宙の旅を共にしていた。
今は役目を終え、ワシントンD.C.のスミソニアン博物館で子どもたちに囲まれながら静かに時を過ごすディスカバリー号だが、現役時代には1984年から2011年までの間に39回飛行し、365日と12時間宇宙に滞在するとともに地球を5,830周した。その5日間で起きたサウド飛行士の心の変化が先の言葉にすべて表れている。たった1つの地球の前には、国籍も人種も宗教もなく、宇宙と地球と人類という価値観だけが存在する。サウド飛行士の言葉からそんなふうに想像をめぐらすと、地球に対して愛おしさとともに、どこか敬虔な気持ちを抱いてしまうのは私だけではないと思う。宇宙から見る地球には人の心を揺り動かす人智を超えた力があるようだ。
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