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エジソンの能力を伸ばしたのは…ピグマリオン効果

 ピグマリオン効果という言葉をご存知だろうか。
 
 「ピグマリオン効果」とは、「人は他社に期待されるほど意欲が引き出されて、成績が向上したり、仕事の成果が上がったりする心理現象」のことだ。研究者らが、あるクラスに学習の潜在能力を測るテストを受けてもらった後、その結果とは無関係に生徒を数名選び出した。研究者らはその選びだした生徒を、担任の教師に「この生徒たちは成績が伸びるポテンシャルを持っています」と伝えた。この時、教師は実際の潜在能力テストの結果を知らない。すると、「成績が伸びる」とされた生徒たちは他のクラスメイトに比べて、実際に成績の伸びが良いという結果になったのだ。つまり、潜在能力の高い低いに関係なく教師が「成績が伸びる」と思い込んだ生徒の成績がよく伸びたということだ。その報告論文の主張では成績が向上した要因としては、学級担任が子どもたちに対して期待のこもった眼差しを向けたことがあるとされている。さらに、子どもたちも期待されていることを意識して頑張るため、ぐんぐん成績が向上していったという。
 
 子どもに対して期待をもち、その子の長所を伸ばそうという温かい態度で接していれば、子どもも自分にあった望ましい方向に伸びていく可能性があるということだ。

 
 世界の喜劇王チャップリンによる「99% までは努力,1%が才能。この1%がよければうまくいく」という言葉がある。さて子どもがテストで90。点を取って、ニコニコしながら見せにきたとする。「90点も取れたの。よく頑張ったね。」と最初に声 をかけるだろうか。「10点。何を間違えたの?」とまず問うことから始めるだろうか。このことが繰り返されたとき、子どもたちはどちらの声かけの方が前を向いていけるだろうか。問題はその言葉がけの中に、いかに期待する心がこもっているかどうかということではないだろうか。心をこめ、相手に対する期待感をもって物事に当たれるようにしたいものだ。
 なお、「ピグマリオン」とは、ギリシャ神話に登場するピグマリオン王に由来する。彼は自身が掘った彫像のガラテアに恋をしてしまい、妻にしたいと願った。その様子を見ていた女神アフロディーテがその彫像に生命を吹き込み、本当に人間になってしまったという逸話だ。

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