「SDGs未来都市」とは、地方創生の推進を目的として、内閣府が2018年度からはじめた認定制度だ。「環境モデル都市」「環境未来都市」の考え方に加え、地方創生につながるSDGs達成に向けた取り組みを積極的に進める自治体(都市)を公募し、選定している。
SDGsの目標達成は世界的な課題であり、日本全体の課題でもある。それを構成する地方も、積極的に取り組む必要があるのだ。加えて、SDGsに取り組むことにより、人口減少や地域経済の縮小に歯止めをかけ、持続可能なまちづくりを進めることにもつながる。
愛知県内には、愛知県や名古屋市を含んで、10の市町がSDGs未来都市に認定されている。今回はその中から2021年度にSDGs未来都市に認定された愛知県小牧市の取り組みについて取り上げてみたい。愛知県小牧市と言えば、織田信長が居城とした小牧山城、そして秀吉と家康が戦った小牧・長久手の戦いで有名である。
みなさんもご存知のようにSDGsには17の目標がある。SDGs未来都市に認定された小牧市の取り組みで素敵だなと感じたのは、1から17までの目標に対して、「小牧市で私たちができるSDGs」を掲げていることだ。しかも、これが具体的で、まさしく地域に密着した目標が掲げられているのだ。
では、日本人である私たちは日本が抱えている問題を解決するために、日本のSDGs達成のために、どんなことをしなければならないだろうか。思い付くままに書いてみた。
■ 家庭環境が恵まれないこどもに適切な養育が受けられるように支援が必要だ。ひとり親家庭のこどもの2人に1人が貧困状態にある。
■ 国産農産物(旬のもの)をたくさん食べて、日本の食料自給率をあげる努力が必要だ。毎日3食きちんと食べれない子どもがいる一方で、食品ロス問題はあまりにも深刻だ。
■ 医療先進国のはずなのに、生活習慣病やストレスによる精神的な病に苦しむ人が増えている。
■ 家庭の事情によって部活動や習い事ができないなど学習機会にも格差が生じている現状やヤングケアラーの問題が教育を受ける権利を侵害している
■ 日本は確か先進国のはず…しかしながら、ジェンダーギャップ指数2024年において、日本は146か国中118位、完全なるジェンダー後進国だ。男女雇用機会、男女共同参画は夢のまた夢のようだ。
■ 日本人は安全な水に恵まれているという自覚がない。海外の水事情を知らなさすぎる。
■ 日本は化石燃料を海外に頼り、原発の安全神話を信じ、再生可能エネルギーの普及に消極的だ。地球環境との共存には自然の力を生かすことが大切だという意識が低い。
■ 女性や障がい者、外国人などが平等に働くことのできる社会になっていない。女性の政治家、女性の管理職の比率は世界的に見てもあまりにも低い。
■ 日本は地震大国であり、台風などによる自然災害に対するインフラがあまりにも脆弱である。1995年の阪神淡路大震災と2024年の能登地震…この30年間で避難所のレベルはあまりにも脆弱なままである。
■ 日本の子どもたちが抱える不平等の最たるものは「いじめ」…いつまでたってもなくならないばかりか陰湿化する一方だ。多文化共生という言葉があるが、そのルーツを海外にもつ多彩な文化を持つ人への無理解があるから「多文化共生」というキーワードが存在するのだ。
■ 子どもたちにとって暮らしやすいまちづくりが悪化の一途を辿っている。少子化が加速するばかりで、子どもたちは友だちと自由に過ごせる「時間」、友だちと一緒に過ごせる「空間」、そして「仲間」という「3つの間」を奪われている。
■ 食べものの賞味期限と消費期限を理解できていない日本人が多い。賞味期限切れで廃棄されてしまうのはあまりにも「もったいない」。
■ 日本だけでなく世界中で異常気象が起こっているが、その原因はすべて人間が招いた地球温暖化、もっと簡単に言えば二酸化炭素の排出だ。さらに環境破壊により、二酸化炭素を吸収してくれる植物をどんどん減らし、海を汚している。
■ 海の豊かさも陸の豊かさも破壊し続けているのは、地球上に80億もいる「人間」という名前の動物だ。46億年の地球の歴史の中で最も新顔の「人間」が美しい地球を一生懸命悪化させている。