色覚特性は霊長類としての「進化型」…なのに差別されるのおかしくない?
名古屋市のイーブルなごやを拠点として、「人権」について学ぶ「ゆいネット・ナゴヤ」という団体に所属して10年以上が経つ。毎月第2土曜日の午後に集まり、様々な人権問題を学び合い、時には外部からゲストを呼んで新たな人権課題についての考えるヒントをいただいたり、年に1一度は人権課題を研究するためにメンバーでフィールドワークに出掛けたりする。
今年7月定例会では私がファシリテーターを務め、このnoteでも紹介した「江戸時代のSDGs」についてミニレクチャーとブレインストーミングを実施した。<字数:3560文字>
8月の定例会で担当して下さった某大学のK先生が、「色覚特性」についての講義とファシリテーションを実践して下さった。最初の質問は「緑色ってどんな色かを言葉で説明してください」というアイスブレイクで始まった。確かに「色」を言葉で説明するのは難しい。緑色から想像するものが人によって異なり、緑色にも様々なパターンが存在するからだ。葉の色、草の色、抹茶の色、葉の色、マスカットの色、苔の色、森の色、夏の田んぼの色、信号の色…。ここで私は話を脱線させてしまった。「信号機の色って緑なのにどうして青信号っていうのでしょうか?」と…。
K先生は「人によって想像する“緑色”が微妙に異なっているけれども、何らかの遺伝的影響から生ずる人類の特性の一つで、そのうち多数派と大きく異なることを”色覚特性”というのです。つまり、”色盲・色弱”のことです。」と説明された。”先天色覚異常”とされる人は、この日本では男性の20人に一人(5%)、女性の500人に一人(0.2%)いると言われており、男女同数の40人クラスなら男子1人は色覚特性だということになる。日本全体で約320万人いるといわれている。
私が小学生のころ、年に1回学校で色覚検査があったのを思い出した。なんと戦前から2003年まで学校で色覚検査が行われていたが、廃止となった。企業においても2001年に色覚検査は廃止となった。その理由は以下の人権問題が絡んだ差別が生まれたからだ。
ここから先は
¥ 290
私の記事を読んでくださり、心から感謝申し上げます。とても励みになります。いただいたサポートは私の創作活動の一助として大切に使わせていただくつもりです。 これからも応援よろしくお願いいたします。