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童話の素晴らしさ①『おおきなかぶ』
『おおきなかぶ』…幼少のみぎりに読んだ素敵なお話だ。ご存じの方も多いと思うが、あらすじを簡単に紹介しよう。
おじいさんが植えたかぶが、甘くて元気のよいとてつもなく大きなかぶになりました。おじいさんは、「うんとこしょどっこいしょ」とかけ声をかけてかぶを抜こうとしますが、かぶは抜けません。おじいさんはおばあさんを呼んできて一緒にかぶを抜こうとしますが、かぶは抜けません。おばあさんは孫を呼び、孫は犬を呼び、犬は猫を呼んできますが、それでもかぶは抜けません。とうとう猫はねずみを呼んできます。最後にねずみの力が加わったことでかぶが抜けます!
『おおきなかぶ』の話の素晴らしいところは、かぶの抜けた場面で読み聞かせた子どもたちが必ず喜んでくれること。何度も読んでも読みたくなる理由は、登場する人物や動物たちが一緒に頑張る姿に、ほっこりした気持ちになれるからだろうか。
『おおきなかぶ』は、人と協力することの大切さを、子どもに楽しく伝えてくれる。幼稚園や保育園などの集団生活を送る子どもたちにとって「自分だけではできないこともお友だちと一緒ならできるかも!」と気づかせてくれるところが素敵だ。自分ひとりだけではできないことも、誰かと一緒に頑張ればできる、一人ひとりの力がどんなに弱くても、みんなで力を合わせれば成し遂げられるということ。
『おおきなかぶ』のもう一つ素敵な点は、人や動物たちの登場の順番だ。おじいさん➡おばあさん➡孫➡犬➡猫➡ねずみという順番で力を合わせ、本来なら一番力が弱いはずのねずみが加わったところでかぶが抜けたというストーリーが素晴らしい。もしも登場順が逆だったら、まったく面白くない。最後にねずみが登場し、みんなが協力してかぶが抜けたことに加えて、最後のねずみの登場でかぶ抜けたことで「どんなに小さい者にでも価値があるんだ」ということを子どもたちが学べる物語であることが素敵だ。
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