【初挑戦!】DIY初心者がSDIケーブルを作ってみた!
今回はDIY初心者の筆者が、初めてのSDIケーブル作りを通して気づいたことをシェアさせていただきます。
この記事が役に立つと思われる方
SDIケーブルを作ってみたいけど、どうすれば良いか分からず躊躇されている方/「SDIケーブルを自作するってよく聞くけど、自分には絶対無理…」と思っている方/「SDIケーブルなんて自作せずに買えばいい!」と思っている方
筆者の経歴
2013年に脱サラして映像業界へ。DIY経験はほぼ皆無。「SDIケーブルの自作なんて自分には絶対無理…」と思い込んでいた配信が大好きな配信ディレクター。
SDIケーブルを自作することになった経緯
筆者はこれまでHDMIスイッチャーを使用していたのですが、先日SDIスイッチャーを追加購入したのをきっかけに、コンバーターやケーブルなどをちょいちょい購入しながらSDIメインの環境へと移行を進めております。
その一環でサウンドハウスさんで5mのSDIケーブルを購入したのですが、とっても太くてとっても重い…。何と比較してかと言うと、以前に同じくサウンドハウスさんで購入していた10mのSDIケーブルと比べてです。(既に所持していた10mのSDIケーブルの方が何故か軽くてコンパクト!)
調べてみると、、、同じSDIケーブル(BNCケーブル)という名前でも色々と種類があって、その種類で太さや重さが違うというのです。
たくさんの種類のケーブルがある中で、主に映像伝送で使われるのは「3C」と「5C」というケーブルとのこと。
ちなみに数字の後の「C」というのは特性インピーダンスというものを表しています。「特性インピーダンスとは何か?」というのは僕のような素人が解説を読んでもチンプンカンプンな内容なのでここでは説明を割愛しますが、75ΩをC、50ΩをD、で表します。映像系同軸ケーブルの特性インピーダンスは75Ωなので、「C」のものを選びます。
そして、「C」の前の数字はケーブルの中にある絶縁体の外径を表しています(ケーブルの外径ではありません)。絶縁体の外径が小さいほど、ケーブル自体の外径も当然小さくなります(ケーブルが細くなる)。(もっと詳しく知りたい方は下記の画像の引用元の記事をご参照ください。)
以前に購入したケーブルは「3C」で、新たに購入したケーブルは「5C」だったので、「5C」のケーブルが太く重く感じたのでした。
さて、この時点でなぜか僕は次のような勘違いをしてしまっておりました。
という勘違いです。
実際は3Cでも12G-SDIの信号を扱えますが、5Cよりも伝送距離が劣ります。「C」の前の数値が大きいほど信号の減衰量が少なく、より遠くまで安定して信号を送ることができるのです。
・・・なんてことは知らずに勘違いしたままの当時の思考をなぞって、ここではお話を進めさせていただきます。
今のところ僕の現場はまだまだフルHDまでで十分、かつ、ワンマンの現場も多いため、荷物の軽量化・コンパクト化は重要課題ですつまり、4K映像を扱えないとしても、細くて軽い3Cのケーブルが今の自分にはベストアンサー!
ということで、何も知らずに購入してしまった5Cの太く重たいケーブルは売却して、新たに3Cのケーブルを買おうとしたのですが、、、欲しい長さのものが販売していません...。
どうしよう・・・。
その時です。
以前に先輩に言われた言葉が、ふと頭に浮かんできました。
自分の好きなケーブルと好きなコネクタで好きな長さのケーブルを作れる自作ケーブル・・・。
やってみるか・・・
と、ようやく重い腰を上げたのでした。
自作の際に参考にさせていただいた動画
いくつかBNCケーブル自作の動画をYouTubeで見てみて、僕が見た中では一番分かりやすかったウッキイチャンネルさんの下記動画の通りに制作しました。
神工具・カナレBNC/RCAコネクター端子圧縮 3,4,5C対応 自作ケーブル加工手順解説
制作するにあたって購入した物
同軸ケーブル
CANARE ( カナレ ) / L3CFB 100m BLACK
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/22950/
コネクタ
CANARE ( カナレ ) / BCP-B3F 20pcs 75Ω BNC型プラグhttps://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/150279/
※ケーブルとコネクタは既に所持していた10mのSDIケーブルと同じ物を購入しました。
工具
ホーザン(HOZAN) 圧着工具(BNCコネクター用) 圧着ペンチ カナレ、トーコネ(東洋コネクタ)対応 P-741
https://amzn.to/3HqzwTN
洗浄液
無水エタノールP 500ml(掃除)
https://amzn.to/3oTupVY
※工具はウッキイチャンネルさんでオススメされていた物とは違う物ですが、自分は「3Cと5Cを圧着できればOK」なことと(ウッキイチャンネルさんのオススメの工具は4Cも圧着できる)、「やはり高価な工具の方が圧着の仕上がりが良い」との記事やレビューをいくつか拝見し、素人には違いなど分からないだろうなぁ…とは思いながらも、予算的に問題のないHOZANの圧着工具を購入してみました。(CANAREさんの純正工具だと予算オーバーでした。)
作ってみての感想
今回、3m×1本、5m×2本、10m×1本の合計4本を制作しましたが、ウッキイチャンネルさんの動画の通りに作業することで、とても簡単に、かつ、とても仕上がり良く制作することができました。(もちろん動作チェックもバッチリ!)
ただし、アルミ箔をカットする位置についてのみ、コネクタに同封されていた圧着手順の説明書と、ウッキイチャンネルさんの動画の解説とで相違があったので、そこに関しては説明書の通りにした方が上手く行きました。
制作にかかる時間ですが、初めてということもありゆっくり丁寧に作業したので、1本あたり30分ほどかけて作りました。
制作後に気づいたこと
3Cと同じ太さ、ほぼ同じ重量で、12G-SDIに対応しているケーブルがありました。値段もそこまで変わらないので、細くて軽いケーブルが良いけど4K映像も視野に入れておきたい、、、という方は下記のケーブルとコネクタが良いかもしれません。
同軸ケーブル
CANARE ( カナレ ) / L-3.3CUHD 100m Black
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/251692/
コネクタ
CANARE ( カナレ ) / BCP-D33UHD 20pcs 75Ω BNC型プラグhttps://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/251757/
最後に
SDIケーブルの自作、とっても楽しかったです!この記事が「興味はあるけどなかなか一歩を踏み出せない…」という以前の僕のような方の後押しになれば嬉しいです!
参考記事
いつもお世話になっている木村玲さんの記事も大変参考になりますのでオススメです。私の記事との相違点もありますので、ぜひご覧になってみてください。