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小笠原でワーケーションやってみたハナシ

2020年冬、GOTOトラベルを活用して初めて訪れた小笠原諸島。
最初は、単なる観光目的での訪島だったわけですが、島の魅力にスッカリ取り憑かれてしまった私。それ以降、"ワーケーション"と称して、約1年のうちに3度も訪島し、通算45日を現地で過ごすことになったのでした。

ということで。
ここらあたりで1度、誰かのご参考のため、そして自分自身の備忘録として、小笠原ワーケーションでの経験を振り返ってみたいと思う。

小笠原にハマった理由。それは、沖縄とは異なる雰囲気、非日常感

父島二見港

もともと、大学生時代以来ずっと、沖縄にハマっていた私。コロナ以前は、年に一度は必ずダイビングで出かけていたんですね。北海道出身の自分にとって、南国は子どもの頃からの憧れの地であり、大人になって以降、ひょっとしたら実家に戻る回数以上に沖縄に通っていたかも。。

当然、小笠原諸島も「いつかは行きたい憧れの場所」の一つではありました。しかし、出社必須の勤め人だった私にとっては「定年後に叶える夢の旅行先の1つ」にしか過ぎなかったわけなのです。
というのも、東京本土から1000km離れた彼の地に空路はなく、片道24時間の船便が唯一の足。そのため、旅程は船の運航スケジュールに完全に左右され、最低でも6日間の休みが必要になる。自分が休みを取りやすい夏は、繁忙期であるが故になかなか予約も取れず、加えて船と宿だけでも高額な費用が掛かる。なかなか気軽には行けない土地だったのです。

そんな自分に転機が訪れたのが、2020年春からのコロナ対応に伴う職場のフルリモート化。

その年、たまたま色んな事情が重なり夏休みを取り損ね、年末12月に運良く長めのお休みが得られたもんで、小笠原を訪島する夢が叶ったのでした。その際、帰宅後にFacebookに投稿した私の感想は以下だった。

結論から言うと、たぶん私の人生で一、二を争うベスト旅となりました。

一つは、島の空気。
沖縄と同じくらいの緯度に位置する島ですが、海の中も陸の上も沖縄とは全く異なる姿。それが個人的には新しく、なにやら惹き付けるモノがありました。現地たった3泊では到底知り尽くせない歴史を感じさせる魅力的な雰囲気は、なんだか病みつきになりそうでした。

もう一つは、人との出会い。 
今回、父島のシェアハウスをベースにして、ダイビングと母島一周ツアーの旅程。全て自分で手配し、小笠原に着くまでは完全な「一人旅」だったんですがね。

ダイビングでの偶然の出会いに始まり、何故か隣の宿の宿泊者とも仲良くなって、帰りの船では一緒になって食事をし、星を眺めて帰って来るという経験。

「帰りの船では知り合いがいっぱい」
どこかの口コミも書いてありましたが、ツアーで出会った人や島内で何度も見かけた旅行者など、帰りの船では船内を歩く度に声を掛け合う様になるという、不思議な体験。この一体感は、なんだか病みつきになりそうでした。

コロナ禍で、仕事以外の人と関わる機会が激減した本年。
年の瀬、普段と違った環境下で交わる予想外の人との出会いや語らいは、自分の視野や世界を大きく拡げる貴重な時間なんだと、改めてしみじみ感じ学ぶことができた6日間でした。

また行きたい。
というか、近々絶対また行くっ! そう、心に決めました 笑

自分のFacebook投稿 2020.12

笑。
 
なんか、今更ながら読み返すと、当時、相当感動してたのが思い出されます。
島の雰囲気というのは、海洋島(誕生以来、一度も大陸と繋がったことのない島)故の独特な動植物環境に加え、沖縄の空気とは異なる田舎感。良い意味での何も無さと、人々とのウェット過ぎない距離感が。私にとっては何とも居心地良い雰囲気を醸し出している様だったのです。

そして往路復路が船旅であることも魅力の一つ。物理的かつ費用の掛かる金銭的な距離感が、「旅」と言う名の非日常感を彩っていた。

ちなみに、私が初めて訪島したこの時。ちょうどGOTOトラベル期間中でして、船が1泊としてカウントできるがために、宿に加え船もかなりお安く参ることができた次第。

ボニンブルー。その青さも魅力の一つ


こうして、小笠原にハマった私。
また行きたいなぁ、、、と思っていたところ、当時は既にフルリモート勤務。完全に自宅から業務するワークスタイルが確立されていたもんで、

「これって、別にどこから働いてもいいんじゃね?」

と、ふと思い。ダメ元で上司にワーケーションの了承を求めたところアッサリ承諾。

「したっけ、小笠原でワーケーションしますわっ!」

…結果、この1年間での小笠原ワーケーション訪問実績は3回。以下の通りと相成ったのであった。

  • その1: 2021.2.6〜2.17(現地滞在10日間)

  • その2: 2021.6.24〜7.13(現地滞在18日間)

  • その3: 2022.2.5〜2.23(現地滞在17日間)


私のワークスタイル前提条件

私は個人事業主ではなく、民間企業勤めのサラリーマン。働き方としては、幸いにもフルリモート勤務が認められており、チームとの会話もオンラインコミュニケーションで済ませられる業務内容。勤務日は基本的に平日のみで、勤務時間もフレキシブルに自分で決められたりします(一応、深夜は×だけど)。


リモートワークは可能か?

ネットに繋がりさえすればどこででも働ける私。故に、WiFi環境の良し悪しは死活問題だったりしますよね。

携帯電話の発展とともに育ってきた筆者(40代)としては、小笠原ほどの遠隔地ともなればネット環境も貧弱なのでは?と思ってしまうのですが、全く心配ありませんでした!

ここ10年程度で劇的に発展したようで、いまでは海底光ケーブルが伸びており、本土と変わらない通信環境が確保されています。携帯電話も問題無く繋がります(流石に、山の中とか、人のいないエリアでは繋がりませんが・・・)


はたして、トータル費用は?

小笠原でワーケーションするとしたとき、一番の懸念事項は恐らく費用面だと思います。私の経験談ですが、必要な費用の大項目と相場感は以下な感じです。
今回('22.2)の私のケース(現地16泊+船2泊)だと、交通費+宿泊+食費トータルで約15万円でした。

【交通費】おがさわら丸 往復運賃(2等寝台で約6万円、但し時期による)
【宿泊費】宿泊日数分(16泊素泊まりで8〜15万円位か。宿によっては長期割あるかも)
【食費】完全自炊で切り詰めると16泊で2万円位か
【アクティビティ費】ダイビング、陸のツアーなどなど

なお、事前に公益財団法人小笠原協会の賛助会員に入会しておくと、おがさわら丸の2等座席の運賃が2割引になるようです。時期によっては、若干お得になるかも。


気付きと学び

7月、扇浦海岸にて(夕陽観られる場所は時期で変わります)

一年の約7分の1を小笠原で過ごしたことになる私。定宿にしていたのは以下のシェアハウス。たまたまエアビーで見つけた素泊まり安宿候補の一つでして、GOTOで偶然的に利用。

結果、そのシェアスペースの窓からの眺めの素晴らしさに惚れまして。三度のワーケーションでは全てこちらを利用させていただいています。気さくなオーナーさんも魅力の一つ!

シェアスペース窓の外の眺め

既述の通り、ネット環境になんら問題もなく。波音だけが耳に届く静かな部屋での仕事は充実。そんな充実の小笠原ワーケーションでの気付きと学びを幾つか列挙します!

  • 日持ちする食料品は持参を推奨
     ⇒ 離島あるあるかもですが、旅客とともに食料品なども船運搬するため、食料品(嗜好品含む)の種類が限られ、値段も高いです。私は、米とパスタ、好みの調味料や粉コーヒーなどは持参し、生鮮食品だけを現地調達していました。あと、レトルトやカップ麺、缶詰も高い(本土で100円で買えそうなものが平気で250円とかします…)ので、余裕があって必要なら持参をオススメ。
    あと、宿によっては洗剤も有料だったりします。この辺りも切り詰めたいなら現地の生協で調達するでも良いかもです。

  • ワークツールはできるだけ予備の準備を!
     ⇒ 携帯の充電器やケーブル(USB-Cなど)は、現地で販売してないと思っていた方が良いです。。ので、壊れたときのためにもせめてケーブルは予備を持参しておくと安心(私の場合、iPhoneのLightningケーブルが運悪く壊れ、偶然居合わせたシェアハウスの住人にお借りしていました(^_^;))

  • とはいえ、Amazonが普通に届く
     ⇒ EC発展の恩恵はココにもキッチリ届いており、Amazonや楽天で注文したものはシッカリ届きます。現地の方もよく利用されているとのこと。ただ、船のスケジュールに依存するため翌日配送などはなく、到着まで1週間位はかかります。ご利用は計画的に。

  • 常備薬はシッカリ考えて持参したほうが良いかも
     ⇒ ECが使えるとはいえ、風邪やケガなど急を要する自体に必要な物を揃えるのは大変です。父島に診療所はあるけど、全ての症状に対処出来ないと思った方が良く、風邪薬や鎮痛剤など、気になる症状向けの常備薬は持参した方が良いかも。特に夏季に訪れる方は、日焼け止め、虫刺され虫除けの類いは持参した方が良いかも。

そして、小笠原でワーケーションしてて良かったなぁと思えたのは、、、

  • 海況に合わせて、最高の海のアクティビティを楽しめる
     ⇒ 船のスケジュールに旅程が左右される小笠原。天気だけは予定できないため、せっかく訪れても滞在中殆ど雨が降っていたり時化ていたりする場合もままあるようです。ワーケーションでの長期滞在ですと、天気を見極め、最高のコンディションの海を楽しめます。

  • 濃ゆい出会いが楽しめます
     ⇒ シェアハウス滞在ならではかもですが、色々な方々との出会いがあって面白いです。なかなか来にくい小笠原なだけに、様々な経験、色々な職種をされている方が多い印象です。そんな出会いと交流も醍醐味の一つかな。

  • お金を使わない
     ⇒ たしかに、ダイビングなどアクティビティしまくったら費用掛かりますけど、それ以外でお金を使うところがないですね(田舎あるあるハナシなのかも知れませんが)。コンビニもなく飲食店も少ないので、余計な買い物がなくなります 笑

真冬2月の父島。夏い景色がたまらなくよき!


まとめ

ということで、つらつら長々と書き連ねてきましたが、結論、小笠原ワーケーションはとてもオススメしたい体験でした。
日常をはなれた非日常体験。とくに物理的な距離が離れているが故の、普段の都会では経験できないワークスタイル体験を楽しめます。

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