「スカウト送信0件」でも109名/月の母集団形成できたので振り返ってみた【前編:5つのTips紹介編】
こんにちは、非エンジニアでもデータ活用ができるSaaS「DataMage」というプロダクトを運営している株式会社UPDATAのHRマネージャーの関戸です。
今回は、採用の母集団形成についての記事になります。
弊社は、採用活動において、今はスカウト送信をしない方針で運用を行っているのですが、それでもありがたいことに、23年1月実績で109名の母集団形成ができたので、その背景やプロセスについてまとめてみました。
前編:5つのTips紹介編
後編:採用ダッシュボード構築・運用編
の2記事に分けて記していきたいと思っています。
スタートアップのシードやシリーズAなど、まだまだ知名度もなく母集団形成に困っている会社の経営者やHRの人の参考になれたら嬉しいです。
また主観ではありますが、各社の採用方法についてヒアリングしていると「採用活動=スカウトを打つ」というアクションがある程度、当たり前になっているような印象を受けたので、スカウト送信以外での運用方法についても価値に感じていただけたら嬉しいと思っています。
それでは、前編「5つのTips紹介編」をどうぞ!
23年1月109名の実績や前提共有
まずは、ファクトや背景など前提を共有したいと思います。
UPDATAでは、自社サービスであるDataMageを活用してLooker Studioで採用ダッシュボードを用意していますので、その一部を共有したいと思います。
23年1月実績で109名の母集団形成
DataMageチームのみの実績
内訳
媒体からの応募:40名
媒体内でお気に入り:34名 ※1
エージェント:37名
募集ポジションはフロントエンジニア
募集強化期間として11月から本格スタート
雇用形態は業務委託、フリーランスや副業の方
2名採用決定
ご協力いただいたパートナー
採用媒体6社
エージェント7社
※1:お気に入り登録というのは、媒体では、求職者様側からお気に入りやブックマーク、ウォッチ登録などされたことを、通知してくれる機能があります。それをUPDATAでは、「お気に入り」というチャネル名として計測しています。
UPDATAの体制や背景について
次にUPDATAの体制や背景について共有したいと思います。
まず体制は、採用チームとしては自分のみの1名体制になります。いわゆる1人人事というやつです。また自分もHR専任ではなく、ダイヤモンドテールの事業責任者も兼務しているので、存分にリソースを活用できる状態ではありませんでした。
そうなってくるとスカウト自体にリソースを投下しきれないので、自然とスカウト送信をするというアクションが選択肢から外れていきました。
またUPDATAが求めている採用要件が割と高く保っているため、スカウトを打つために、妥協しない希望条件で各媒体で検索したところ、人数が中々ヒットせずスカウトを打つ前のリストがしっかりと作りきれなかったという背景もあります。
今回のテーマは「スカウト運用0件」というのをキャッチコピー的に入れていますが、スカウト自体を否定するものではありません。ただスカウトを打つリソースと予算を設けていなかっただけです。今後もっと母集団形成をしていく場合、全然活用していくと思います。
ただ過去にスカウト運用していた時期もありますが、中々結果が出きらなかったので、中途半端な体制や運用だと厳しいなと。これは成果を出すのに生半可覚悟じゃ厳しいだろうなと思ったりもしています。
109名の母集団形成をするためにやった施策紹介
前置きが長くなりましたが、実績や体制について共有させていただきましたが、いよいよ具体的な施策の紹介です。
Tips01/ シンプルに多くの媒体・エージェントを活用すること
もはやこれが結論感はあるのですが、シンプルに媒体やエージェントさんを多く活用しています。
もちろん予算は有限なので、媒体運用にも限界はありますが、弊社の場合は成果報酬系の媒体を多く活用し固定コストは可能な限りかけていかないような運用を行っています。
考え方的には、自然応募をあつめていくのに1媒体50名の応募を目指すよりも1媒体5名 x 10媒体=50名の応募を集めていくイメージです。
媒体に関してもエージェントさんに関しても、その時期で紹介や応募がとれる時期には限界があります。当然ですが媒体に登録している人数にも上限があります。
例えば100人の求職希望者を抱えているエージェントさんがいたとして、その中で自社の人材要件にマッチしている人が10人だとします。
そのエージェントさんに、目標紹介人数を20人と依頼したらどうなるかというと、当然ですが11人目以降の紹介の質はぐっと下がります。
1つの媒体やエージェントに期待しすぎると一定数までは質は維持できると思いますが許容を超えると質は格段に下がってしまいます。
1社に期待する紹介数や応募数のハードルをあげるよりも、1社あたりのハードルを低く設定しその分、質にこだわっていく方が得策だと考えています。
また下記に実際に運用させていただいているパートナーさんの一部を掲載させていただきますので、参考に御覧ください。副業・フリーランスのエンジニアを探している方には参考になるかもです。
数々の採用パートナーの皆様にご協力いただき本当に感謝してます。
Tips02/ ベースとなるジョブディスクリプションを用意する
多くの媒体やエージェントに募集要件を展開していくのに、都度用意したり構築したりすると運用がかなり大変です。
ベースとなるジョブディスクリプションを1ポジションにつき1つ用意をし、その内容をベースに各媒体やエージェントに展開していくことで、効率的な運用が可能です。
また弊社の場合は、ベースとなるジョブディスクリプションは、自社HP内にNotionで用意している採用ページをそれとしています。
常に自社の採用ページが最新要件にし、そこをまずチューニングしてから各媒体の記事をチューニングするという方法を徹底していくことが運用上は大切になってきます。
下記に弊社のベースとなるジョブディスクリプションを用意しているので、参考に御覧ください。
Tips03/各媒体の運用工夫
次に各媒体毎の運用方法についてtipsをご紹介したいと思います。
01 / まずは上記のジョブディスクリプションを元に記事を作成する
02 / 同ポジションでも切り口の違うタイトル名で複数出稿する
03 / お気に入り登録してくれた人もしっかりチェックする
04 / 時々、記事を編集して更新する
01は、まぁそのままなので割愛します。
02 / 同ポジションでも切り口の違うタイトル名で複数出稿する
02は、1つの募集でも同じ記事で切り口の違うタイトルを複数出稿することで面を広くするような工夫をします。例えば、今回の弊社のフロントエンジニアの記事でいうと、こんな感じです。
今回、探していたフロントエンジニアの方は、エンジニアとしてだけでなくUI/UXデザインについても経験・知見のある方を探していたため、フロントエンジニアだけでなく、デザイナーとしても募集を行いました。また広い意味でフルスタックエンジニアでも募集を行っています。
実際に募集の内訳でいうと下記のようになっています。
ジョブディスクリプションを明確にすると、当然要件は明確になるのですが、フォーカスされるので、採用基準は上がり対象の方が少なくなる場合があります。そんな時に1つのポジションを複数の切り口で出し直すことによって、面を広くしより多くの応募を集められるように工夫します。
またジョブディスクリプションを明確にすると、名もない肩書になるようなポジションになることがあります。そういう仕事をしている本人も俺の肩書きってなんだっけ?とよくわかっていないケースもあります。
(実際、今回採用した方は、自身の方をデザインエンジニアみたいな肩書きを目指していると仰っててかなり共感できましたが、呼称が一般的でないの少し特殊だなと思いました)
そんな方が、少しでも引っかかりやすくするという意味もこめて面を広くして募集をすることが大切です。
03 / お気に入り登録してくれた人もしっかりチェックする
お気に入り登録というのは、媒体では、求職者様側からお気に入りやブックマーク、ウォッチ登録などされたことを、通知してくれる機能があります。それをUPDATAでは、「お気に入り」というチャネル名として計測しています。
肌感ですが、この機能が実装されたのは、ここ数年かなと思っているのですが、この機能が実装されている媒体は個人的に好きです。
各社のHRの方と話しているとそこはスルーしているという話も聞きますが、応募の1つ前の温度感ではありますが、いずれにしても自社に少しでも興味を持ってくれた方のリアクションにはなるので、重要な反応だと思っています。
実際にお気に入りからメッセージが始まって採用に至った方もいたことを受けても重要視したほうがよいと思います。
04 / 時々、記事を編集して更新する
媒体によって記事を更新すると上位表示されるような媒体もあります。媒体内で上位表示されると記事の露出量があがるので、当然応募も増える傾向にあります。
媒体内で記事の上位表示することを媒体SEOと自分は読んでいるのですが、媒体SEOについては、各媒体の方が最も詳しいはずなので、どうやったら上位表示されるのか必ず確認するようにしましょう。
自分は、強化期間中は毎週金曜に記事を更新するなど、その時の緊急具合に合わせて更新頻度を決めています。
Tips04/各エージェントとのコミュニケーション工夫
続いてエージェントの方とのコミュニケーションに関するTipsです。
大前提、エージェントは人が動いてくださります。エージェントの担当者の方が動きやすいように、またエージェントの方にもメリットがあるように円滑にコミュニケーションすることが大切です。
01 / 募集ポジションについてMTGベースで共有する機会を設ける
02 / 募集ポジションの強化具合、本気具合をお伝えする
03 / エージェント用の専用ページを作成し、採用の活動状況をリアルタイムで伝え温度感を共有する
何度もお伝えしますがエージェントは人です。
無駄な紹介はしたくないし、曖昧で不明点が多い案件にはどうしても紹介したいモチベーションが下がってくると思います。
エージェントの担当の方には、要件を可能な限り明確に、情報や状況をオープンに透明に伝えることが大切だと考えています。そうした積み重ねをすることで信頼関係も構築されると信じています。
またエージェントの方にお願いしてSlackで繋がるようにしており常にコミュニケーションしやすい環境も用意しています。
01 / 募集ポジションについてMTGベースで共有する機会を設ける
02 / 募集ポジションの緊急具合、本気具合をお伝えする
まずは自社のジョブディスクリプションについてMTGベースで共有する機会を設けることが大切だと思っています。テキストだけでは伝わらないジョブディスクリプションの背景や、こちらの悩みや葛藤などもお伝えしていくことが大切です。
「ジョブディスクリプションを明確に、、」とは言うものの最初から洗練されたジョブディスクリプションを用意するのは、難しいと思っています。
特にシードやシリーズAは週間単位で状況が変わるのでその難易度は尚更高いと思っています。
そんな時は、採用のプロであるエージェントの方に相談してみるもありです。一緒にジョブディスクリプションを洗練させていくくらいの気持ちでパートナーを信じていくと良いと思います。
また上記の通り媒体にはどのような記事展開して運用しているかも必ず共有しましょう。
最後にこのポジションについての緊急具合、本気具合もお伝えしましょう。弊社の場合は、「このポジションは必ず1名採用します」というお約束をしてこちらのコミットを伝えます。エージェントもやはりコミットが高い会社の方が採用確度も上がるので、紹介も優先的にしてくれるようになると考えています。
03 / エージェント用の専用ページを作成し、採用の活動状況をリアルタイムで伝え温度感を共有する
エージェント担当の方から頂く質問で多いのが
「このポジションはまだ募集していますか?」です。
エージェント担当の方は、当然採用確度が高い会社に紹介をしたいので、こちらの採用状況を常に気にされています。ミスコミュニケーションの結果、エージェント担当の方が、「そろそろ他社で決まったかな?」という風に思って紹介数が減るということは普通に起こります。
こちらからは常にエージェント担当の方に「まだ絶賛、募集中です!!」と意思表示をし紹介を促すコミュニケーションが大切です。
そのためにUPDATAでは、エージェントの方向けの専用ページをNotionで用意し状況をお伝えするようにしています。
ページ内では、下記のような内容を掲載しています。
募集強化中のポジションについて
ジョブディスクリプションに掲載できないリアルな補足情報
DataMageの事業やチームの最新状況
メッセージ
このようなツールを用意し、可能な限り状況をお伝えしやすい環境を用意しています。またこのようなページを用意し、Slackなどで週1などで状況をお伝えするようにしています。
Tips05/行動量を可視化する採用ダッシュボードを用意し、運用をチューニングできる体制を構築する
多くの媒体・エージェントを活用させていただく中で、正確に状況を把握するのに、行動量や結果を可視化するダッシュボードを運用することが重要です。
UPDATAでは、自社サービスであるDataMageを活用してLooker Studioで採用ダッシュボードを運用していますので、その一部を共有したいと思います。
現在、指標として管理している項目は以下です。
ダッシュボードを運用することで、最も効果を感じているのは、自社に相性が良い媒体やエージェントが見極められるようになることが重要だと思っています。
UPDATAでは、各媒体によってジョブディスクリプション自体の内容はあまり変えずに応募をかけているので、その状態で応募状況や紹介状況を比較すると、その差が明確に分かれてきます。
応募数などはわかりやすい差が出ますし、書類選考を突破してカジュアル面談への突破率なんかもかなり差がでてきます。
当然、応募数が多くてかつ書類選考突破率が高い媒体、エージェントが相性よいパートナーとなります。そんな自社に相性の良いパートナーを見極めていくことが重要です。
またその他にも、月毎やポジション毎、チーム毎に細かくフィルタをかけて分析したり、面接官がどれだけ面談に時間を使っているかなど採用活動に関わる全体のリソース状況などを可視化することで、自社採用活動に関わる生産性を可視化することが可能です。
弊社のような1人人事のようにただでさえ少ないリソースを最適化していくためには、ダッシュボードの運用が不可欠です。
またチーム全体へ採用状況を共有したりすることで、協力体制も築きやすい環境が構築できます。
次のnoteでは、採用ダッシュボード構築方法、そしてダッシュボードで得たノウハウを整理し共有したいと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?1つでも参考になる情報があれば嬉しいです。
今回は、テクニック的なTipsを中心にお伝えしましたが、大切なのは自社のビジネスモデルや組織を磨き求職者にとって魅力的な会社にしていくことが大切だと思います。
その上で募集ポジションによって最適な切り口を見つけて打ち出していくためにジョブディスクリプションを磨いていくことが何より重要なんだと思います。
この部分は、スカウトを打つとしても変わらないポリシーだと思っています。
次回はダッシュボードを運用していく中で得たダッシュボードの構築方法、そしてそこから見つけたノウハウを整理して共有したいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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