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靴作家・森田圭一さんのスニーカー

働く女性の多くがスーツにパンプスではなくスニーカーを、男性が革靴ではなくスニーカーを履くようになって、神戸の靴作家・森田圭一さんは「それが滑稽に見えた」と言います。
私もそう思います。古い人間ですから。
そこで、森田さんは「だったらスーツにも合うオーセンティックなスニーカーをつくったろ」ということで、この”BUILD 005 sneakers”をデザインし、製作しました。

ブラックには裏地もブラックのver. もあり

アッパーは害獣として駆除されたイノシシの革です。
スナワチで取り扱っていて赤ちゃんの誕生祝いとして好評を得ている「Portierra ファーストシューズ」の鹿革と、同じ工場で鞣されています。

野生のイノシシですから、野山を駆け回って体のあちこちにキズがあるはずですから、自然な方法で鞣されたこの革にも細かいキズは残っています。
ホワイトのほうは、ヌバック※のように起毛されています。そのためふわ~と柔らかい手触りで、ミニマムでシャープなデザインながら、やさしい印象です。
※牡鹿の銀面(革のオモテ面)を除去し起毛してケバ立たせたものをバックスキンと言います。バックはbackではなく、buck=オスの鹿です。
鹿以外の獣の革(主に牛ですが)の銀面をバフして、同じようにケバ立たせたものを”New Buck”→ヌバックと呼ぶようになりました。
 
ブラックは、ホワイトと同じく起毛してありますが、あえてそれをレザークリームで寝かせ、さらっと見た目でビジネスにもスッキリと使いやすくしてあります。
 
裏地は豚の革です。
豚の革の特長は、太い毛が皮を貫通しているため、毛穴が空いていて通気性がよい点です。しかも丈夫ですので、裏地には最適なんですね。

ソールはVibram社製のゴムソール。
あまり靴やブーツに詳しくない方のために、30年に亘り山用ブーツやモーターサイクル用ブールを履いてきた私から言いますと、ヴィブラムソールより信頼できるゴムソールは今のところありません。

以上のように、まず素材はすばらしい。
靴としての役割ですが、森田氏はちゃんとした靴、長持ちする靴を手がける靴作家ですから、スニーカーであってもヒールカップがしっかりしています。そこをホールドすることによって、歩いた際に靴が足について来て、靴ズレ予防や履き心地のよさに寄与します。

形状としては、やや細め、甲も低めに設計してあります。中敷きの下に低反発ウレタンを使用していて、履いているうちに沈み込んでいくことにより足になじみ、靴中に余裕が出てきます。

サイズはユニセックスで7バージョン展開です。

中間の場合は上のサイズを選択ください

森田さんからのアドバイスとして
〈身長170cm・男性
靴のサイズは普段25.5cmか26.0cm
やや甲高、幅広
本品は薄い靴下でサイズ5(26.0cm)でジャストサイズ
サイズ6(27.0cm)はややゆとりあり



・身長160cm・女性
靴のサイズは普段23.5cmか24.0cm
幅広、甲はやや高め
本品は薄い靴下でサイズ3(24.5cm)で少しゆったりめの着用感〉
とのことです。
 
私の足のサイズは26.5cmですが、薄めの靴下を履いて、6でしたので同意します。
スナワチには試着用の5、6、7を用意しました。
ぜひ試してみてください。

汚れるのがわかっていても白はかわいい!
ちょっとだけ覗く豚革がよい抜け感かも
取引先だろうと葬式だろうと行けるぜ

私の感想として、履き心地はよいです。適度なクッションが感じられ、ヴィブラムソールのおかげなのか、足裏全体で立っている安定感を感じます。
オモテにはロゴもブランド名も入っていない無表情なのに、レザーの存在感が語りかけてきます。
どこへ出しても恥ずかしくない、どこへでも履いて行ける、いいモノです

日々の仕事に「なにも考えず」「ただ楽だから」とスーツ着て(スポーツ用の)スニーカー履いて疑問に思わない人はよいでしょう。しかし、それくらいの人物にしか扱われません。
仕事は、すべてがコミュニケーションで、コミュニケーションがすべてなのです。

「愛せるモノを、持たないか?」
スナワチ
大阪市西区阿波座1丁目2-2
sunawachi.com

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