まだ知られていない、日本のレザー
スナワチはレザー専門店なので、さまざまなレザーを使った製品があります。
牛革が多いですが、それは家畜としての牛の数が世界には圧倒的多いからです。躰も大きく、一枚の革からたくさんの製品がつくれるため効率的でもあります。
これをお読みの方はすでにご存知かとは思いますが、牛革とは焼肉やハンバーガーなどの牛肉となった牛の余剰物としての皮を、防腐して、用途に相応しい美観と質感を与えたものです。
豚革の製品もあります。
私からすると特に珍しくはないのですが、たまにお客さんが「豚の革って、あるんですね」とおっしゃいます。
はい、しゃぶしゃぶやとんかつとして食べる豚肉がある限り、皮も革にできますから。
それでも、これまで豚革に触れることがなかったというのはどういうことかと考えるに、いくつかの理由がありますが、ひとつには、製品としてオモテに立つ豚革が目立つ位置にいなかったのでしょう。つまり、主役になる機会が少ない革であったのかもしれません。
たとえばカバンや靴の裏地、たとえばスエードなど、陰の存在として活躍する機会が多いのも事実でしょう。
そこから、「なんか安い革」という過小評価もされてきました。豚革の革ジャンはなんだかほかに比べて安かったり、ブタという語感から「なんだ、豚かよ」みたいな言われ方をしたり。
ところが、豚の革というのは日本の特産品でもあり、もっと知られていい優れた素材なのです。
豚革の特徴は、ひと言でいうなら「軽くて丈夫」です。
専門書には
①「豚革は、2~4個の単一毛包が集団となり、普通は3本の太くて長い剛毛が、対をつくって皮の全層を貫通している」
②「銀面には凹凸が多く、おおきな凹と凸面にさらに小さな凹凸があり(中略)これが豚特有の突起の多い銀面模様となっている」とあります(日本革類卸事業協同組合発行の『LEATHER Handbook』より)。
①は、豚革は「∴」のような形で3つ一組の毛穴がポツポツとあいていることを意味します。これが革を貫通しているため、通気性がよく、靴の裏地に使われる理由です。
②は、革の表面が(よく見ると)デコボコしていて、仔牛革のような滑らかさはなく、やや荒々しい印象がある、ということです。
この度、茨城県の山西牧場さんと豚革製品を開発しました。
山西牧場さんは、「3 é mon」ブランドで、自社の豚肉をベーコンやソーセージにして直販する事業をしていて、これがまた絶品なんです。
「生き物を扱う事業者として、自慢の肉だけでなく、皮まで誰かの役に立てたい」
「日本で育った豚が、日本で革になり、日本でバッグや財布になるという国内完結の製品」
という企図に賛同して、パンデミックの中ともに丸2年をかけ、ここまでたどり着きました。
紙幅の関係で(って、ウェブですけど、語ればなんぼでもハナシがあってキリがないのでw)今日は端折りますが、
トートバッグ
クラッチバッグ
コンチネンタルウォレット(長財布)
コンパクトウォレット
ができました。
「軽い」「丈夫」という、先述の豚革の特長はそのまま、革の芯までオイルを入れてしなやかにし、アイロンをビャーッとかけて豚革らしからぬ艶めかしい輝きを加えて仕上げてあります。
これはご購入者には関係ないハナシではありますが、すべての製品が同じ牧場から、革になり、製品になるって、なかなかすごいことなんです。ふつう、革はどこの牧場出身の牛や豚や羊なのか、地域くらいしかわかりませんから…。
山西牧場の倉持信宏さんの、自社の豚への自信と熱意が実現させた仕事でした。
ただ今、MAKUAKEにてご注文を絶賛受付中です。
〆切が来てから製作しますので、春~初夏のお届けまでお時間をいただきますが、ぜひご覧いただき、ご自分用やプレゼントにご検討いただき、人に言いふらしていただければと思います↓ ↓ ↓
Thank you.
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