僕は本当のことを知らなかった
夕方19時。
様々なガソリンスタンドに集まったたくさんの人たち、大型バス。
そしてその光景を見つめる人たち。
涙を流す人たち。
大声で叫ぶ子供たち。
ニカラグアの経済状況が悪く、生活ができないため不法移民として国を出る人たちがたくさん集まっていた。
その中に、0から一緒に女子野球を盛り上げてきた17歳の子がいた。
その2日前に一緒にご飯を食べたばかりの彼女。
私に何も言わなかった。
言えなかったのだろう。
両親を残して兄弟と従兄弟達と一緒にアメリカへ向かった。
もちろん違法移民なので、全員無事に入国できるとは限らない。
途中で命を落とす人もいる。
そんな中、彼女は旅立った。
保証も人脈も何も無い地へ、生きるために選んだ道。
そして、この先、私の0から野球を教えてきた教え子も一人でアメリカへ行く。
1人、また1人と教え子たちが家族を残してニカラグアから離れていく。
その中で私は、野球を盛り上げようとしている。
これが生きるに値するのか、それとも自身のエゴでしか無いのか。
その子の人生が少しで豊かであるために。
振り返ったときに、やってて良かったとエネルギーに変わるように。
そして、私の使命は、
野球が生きるに値することを証明すること。
野球によって人生が豊かになる具体的な道筋を覚悟を持って進めていくことが私の使命だと心をぐしゃっと鷲掴みにされた感覚を持ちました。
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