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学生の視座から考察する:論点思考(イシュー思考)①

・このnoteを記すきっかけ
・論点(イシュー)とは
・論点思考とは
・論点思考を身につけるために心掛けるスタンス
・論点の特徴
・おわりに
・参考文献

このnoteを記すきっかけ

初めましての方は初めまして。そうでない方ご愛読ありがとうございます。都内に住む大学5年生のコウペンザムライです。

先日のnoteでは思考と健康について記載させて頂き、その際に
思考とは「知識や知恵を活用し結論を導き出すプロセス」と定義した。
本noteではその思考を行う思考法の1つを紹介する。

前提として、問題解決には順序があり、思考法もそれに対応して存在する。

問題解決の順序を以下の図でまとめてみた。

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上の問題解決のフローの中で、最も侵してはいけない過ちはなんだろうか。
私は設定する問題を間違えることだと考えている。

ピーター・ドラッガーも以下のような名言を残している。

重要なことは,正しい答えを見つけることではない。
正しい問いを探すことである。
間違った問いに対する正しい答えほど
危険とはいえないまでも役に立たないものはない。
(現代の経営 下 P226)

つまり、問題解決で最も重要なことは、
正しい問いを設定すること(問題定義)であり、
それに対応する思考法が、今から紹介する論点思考(イシュー思考)だ。

このnoteでは、論点思考について私が同じテーマ本を漁って得た知見を
綴り、論点思考の重要性を、自分ないし読者の皆様に届けていく。

②論点(イシュー)とは

そもそも論点とは何を表しているのだろうか。
結論から述べると、
論点とは「最も答えを出す必要性が高い問題」だ。

単純だが、論点設定を蔑ろにし、問題解決から取り組んだ経験がある読者も多いのではないだろうか。例を用いて考えてみよう。

Q.ダイエットを希望する女友達がいたとする。
あなたはどのような助言を行うべきだろうか。
1. 友達はよく食べるので、食事を減らさずに痩せれる食事分割法を勧める。
2. 友達は引きこもりで運動不足なので、自宅でもできる宅トレを勧める。
3. 友達はフラれて落ち込んでいるだけなので、気分転換に旅行に連れ出す。

確かに、一見どれも的を得たアドバイスに見えます。
しかし、上記全ては手段目的化の罠に陥っている。

友達にダイエットしようと思ったきっかけを聞いたところ、
元彼に振り向いてもらうためだと聞けた。
元彼に「重い女」と言われ、振られてしまったらしい。

もし、「重い女」が物理的な重さでなく、精神的な重さを表していた場合、
この女友達は解くべき問題を見誤っていることになる。

どれだけ解決策が的を得ていても、解くべき問題が間違っていたら
意味はなく、元彼は振り向いてくれない。

従って、今回のケースでの論点は
「重い女の発言の意図を考え、改善し、ヨリを戻すこと。」でもない。

更に話を聞いてみると、元彼というが付き合っていると認識していたのは
女友達だけで、今までの話全てが女友達の妄想上の話であったと判明した。

つまり、今回のケース。女友達にとっての論点は
「虚言癖を自覚し、他人を巻き込んだことを反省し、治療に専念する。」
ということになる。

論点思考とは

論点思考は"解くべき問題"を定義する為の思考法を意味する。
先程の例で、解くべき問題を常に疑っていたように、
論点思考を育てる為に心掛けるべきスタンスが存在する。

論点思考を育てるために心掛けるスタンス

大まかに以下の3つのスタンスが大事だ。

1.常に問題意識・目的意識を持つスタンス。

具体的には、自身の仕事になぜを5回繰り返すトヨタ式5W1Hや、
常に論点を疑う姿勢、最終形から考える逆算思考が該当する。

2.常に異なる視野・視座・視点で物事を見る事を意識するスタンス。

視野は見る範囲、いわゆる360°の方向を意識することが大事である。
例えば、コスト高に困っているチェーン店のラーメン屋があったとする。
原料の調達費の削減や不人気メニューの削除、人的資本を犠牲にした人件費の削減など様々な手段を検討したが、どれも根本的な解決に至らない。
そこで視野を変え、コスト構造を分析するとそのラーメン屋のスケールではどれだけ個々のコストを下げても、立ち行かないことが判明した。

コスト構造の抜本改革が真の論点だとなると、
ラーメンの製造方法の見直しやM&Aなど検討する解決策も変化するのだ。

異なる視野で物事を見るコツは人が見てないところに目を向けることだ。
営業担当であれば、顧客だけでなく開発部隊に目を向けることで新たな論点が浮かび上がることもあるだろう。

視座は見る立場、いわゆる様々な目線で物事を見ることが大事である。
営業平社員の自分と、営業部長、社長では問題の捉え方が異なる。
平社員であれば、営業部長の視座で問題を考えることで
自身が抱える問題の論点を導くことが可能になるだろう。

異なる視座で問題を捉えるコツは、
2つ上の立場で仕事をしていると意識することだ。
1つ上の立場だと自身の利害関係が絡む為、
客観的に論点を導くことが難しくなる。
また2つ上の立場を意識することで、自身がどのような上長になりたいかといった展望を見据えることもできる。

視点は着眼点、様々なパラダイムを通して物事を捉えることが大事である。
長期的に物事を捉えたり、現場目線で捉えたり、業界最下位であることを想定したり、様々なパラダイムから物事を見ることが大事だ。

3.時には強引に複数の論点と具体的な仮説をセットで考えるスタンス。

「論点は何だろう」と考えているようでは時間がいくらあっても足りない。

その際、大事なスタンスは複数の論点の候補を挙げ、強引に仮説をセットで想定することだ。
例えば、繁盛しないお店の売り上げアップを考えた際、
時には道路沿いにあるのに駐車場の空きが少ないから客があまり入らないのではといった具体的な論点候補をあげることが、比較する上でも重要だ。

問題に対して論点が1つしか思い浮かばないのは、視野が狭くなっていたり、バイアスがかかっている可能性が考えられる。上記を回避する上で
問題に対して論点が1つしか思い浮かばなかった場合、最低あと2つリストアップすることで比較でき、よりよい論点に辿り着くことが出来るようになる。

⑤論点の特徴

論点を導く上で知っておくべき論点の特徴が3つある。

1. 論点と問題点は異なる。

論点は目に見えて分かる問題点とは異なります。
目に見えて分かる問題点の奥に潜む論点を見つけ出すことが、
問題解決を進める上で重要なコツである。

2. 論点は立場によって、人によって異なる。

同じ問題でも営業マンと経営者では視座が異なる故に、論点は異なる。
重要なのは誰の論点を解くのかを明確にすることだ。

3. 論点は状況によって、常に変化する。

論点は常に同じではない。
例えば、ウォークマンのPRについて力を入れていたソニーはAppleがiPodを発表した事で、路線変更を余儀なくされた。
ウォークマンを守る戦略から、iPodに対抗する戦略を考える必要が出来た。

また作業を進めることで、より本質的な論点が見つかる事がある。
例えば、お店の売り上げUPの手段として、新規顧客の獲得を論点とし
ターゲット層やアプローチ方法を調べていたところ、
こうした分析に力を入れているよりも既存顧客を掘り起こしたほうが、売り上げUPに繋がりやすいと判明した場合などは、論点は大きく変化する。
新規顧客の獲得は論点ではなくなったので、調べる必要はなくなった。

⑥おわりに

今回は論点思考を身につける上で、知るべき優先度の高い情報を紹介した。

・論点の整合性の確認
・仮説構築のコツ
・情報収拾のコツ
・論点が見つからない際のアプローチ方法
・良い論点と悪い論点の違い
・論点の絞り込みのコツ

ここでは紹介が出来なかった上記の論点思考のテクニックは
次回に回す予定である。

また本noteを書く上で参考にさせて頂いた
書物やWebサイトを下記の参考文献に載せておきます。

⑦参考文献



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