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2025年 宇宙の旅(outer wilds旅行記)
先日、Switch版 outer wildsをクリアした。
ニンダイで紹介されてから興味を持っていたが一時期Switchでの販売が延期され、その後音沙汰ないまま自分自身も忘れていたところ、どうやら2023年に発売されていたらしい。なんてこった。
そんなこんなで昨年の11月頃からプレイし3ヶ月ほどでようやくクリア。
この記事を書き始めている今はほんとクリアしたてホヤホヤなので興奮冷めやらぬ中、なるべくフラットな記事を書きたいと思います。
まずこのゲーム、随所で言われている通り本当にネタバレ厳禁な作品。
すでに先人たちが素晴らしい考察や攻略記事を書いて居られるので、そういった内容を読まれたい方はそちらを読んだ方が良いと思います。
本記事では、まずは個人的な感想はもちろんのことだけれど、1人でも多くの人にこの作品をプレイしてもらうべく、ネタバレや攻略は限りなく無しで自分なりのプレイ指南やアドバイスをし、新規ユーザーの誘致や諦めかけている人へのヒントになればなとも思い書くことに決めました。
ネタバレなしなので、非常に気を遣って書いてます。
ゲーム性について
初めから門戸を狭めるような言い方をしてしまうけど、この作品は一人称視点なので、そもそも一人称視点ダメな人は残念ながらできないと思う。
プレイヤーは新米宇宙飛行士となり小型の宇宙船を操作しながら、不思議に満ちた各惑星を探索していく。
結構操作性にクセがあり、宇宙はもちろん無重力なのでそこをふんだんに再現した無重力下での操作を強いられる。
慣性の法則に従い、同じエネルギー量で動かした宇宙船は同じエネルギー量で制御しないといけないし、宇宙船を降りて主人公を操作する時もフワフワとした動きを上手くコントロールしないといけない。
強い力で壁や物体に叩きつけられると場合によっては即死になる事もあり、最初は探索云々の前に操作に慣れるのに苦労した。
でもまぁ少しやってれば慣れてくる。
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自由が故の悩み
まずは作品を始めると、主人公の住む最初の星で会話や簡単なチュートリアルを済ませた後は割とすぐ宇宙に飛び立つことができる。
ただ飛び立つ前も何処に行って何をしろと具体的な指示があるわけでもなく、本当にいきなり宇宙空間に放り出される気分になる。
とりあえず空間に見える惑星に行けばいいとは分かるのだが、着いたとてどこに行って何をすれば良いのか皆目検討もつかない。
Nomaiと呼ばれる先人たちの残した記録みたいなものを読んでいくのがまずは先決なのだが、これまたどれも断片的で何のことを言っているのかさっぱり。何ともいえないカタコトな日本語訳も相まってさらに曖昧さに拍車がかかる。
自分自身、宇宙や惑星を探索できるワクワクは感じつつも、上記のように何をしたら良いのか分からなさすぎて一回、期間をおいていた時期もあった。
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初めての方向けのアドバイス
前項で述べたように、多くの人が「で、結局何すりゃいいの?」で足踏みすると思う。
まずは時間切れなどで最初に戻されても、とにかく何度も宇宙に飛び立ち操作に慣れること、表面的でも良いから色々な惑星を探索してみること、そして何よりNomai の文章を読みまくり航行記録を更新しまくることが重要。
この航行記録がめちゃくちゃ重要で、ある程度集めると何となく物語の輪郭が見えてくる。
各惑星で何をすればいいのかや、色々な謎が次第に分かってくる。
オススメなのが、何となく目的が分かってきて航行記録を読む時、「これ重要っぽいな」と思った記録はスクショにも撮っておくことである。
無論、ゲーム内の記録にも残るのだが、たまにヒントとなるような箇所が端折られてたりするのでスクショはかなりオススメ。結構すごい枚数になるけど。
初めは何の目的か分からない本作品もしっかりとストーリーはあって、最終的には一つに収束していく。
そこへ辿り着くための大きな要素が4つほどあるって感じかな。
とにかく、序盤が一番挫折しやすい気がするけど、少し頑張ってそこを乗り越えれば、一気にouter wildsの世界に引き込まれる。
あと、ネタバレ厳禁の作品と冒頭に書いたように、やっぱり攻略は見ないほうが本当は良い。
ただ個人的には、それで分からないまま投げ出してしまうくらいなら、本当に分からない箇所だけ断片的に攻略やヒントを見ても良いのかもとも思った。自分自身はそうしたので。
サイトや記事を書いているファンもそこを心得ていて、ストーリーの根幹には触れないけれど進め方だけを指南するような記事がいくつかある。
量子とか、人によっては見慣れない単語が散見されるので、人により攻略のスピードとか閃きにだいぶ差があると感じた。何となく、理系的発想の人のがスムーズに行きやすいんかな。
正直、本当にノーヒントでクリアできた人ってごく僅かなんじゃないかな。なのでその点は安心しても良いと個人的には思う。
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outer wildsの魅力
ちょっとだけネガティブな紹介が続いてしまったような気がするけど、クリアした後思ったのは久しぶりに心に深く刻まれるゲームに出会えたな、というものだった。
変に便利な案内などがなく、本当に何もない宇宙を漂っているような、無限に続くのではと思わせられる宇宙空間に不安と興奮を覚える。
見た目からして異質な各惑星はどれもダイナミックに躍動し原始のパワーのようなものを感じさせる。
そんな中で一つの生物ができることなど限られており、星の起こす規格外のエネルギーの前では何よりも無力なのである。
そういった無慈悲さもこのゲームの魅力の一つ。
隕石が衝突して突然足場が崩壊してしまうのも、巨大な竜巻に宇宙空間まで吹き飛ばされてしまうのも、ブラックホールに吸い込まれてホワイトホールから吐き出され、身一つで宇宙空間に放り出されるのも、宇宙それ自体含め圧倒的な存在の前では何物も無力なのだと感じさせられる。
純粋に恐怖を感じるのと同時に、どうしようもなく美しいそれらの惑星を旅する過程で、かつてこの星系に居た種族が残した記録を読み進めながら、この奇妙な22分のタイムリープの謎を解明していく。
時間が迫りくる中で流れ出すBGMは終末を想起させるにはあまりに美しすぎて、最初聞いた時聞き惚れてしまった。変に危機感を煽るような曲でないのが粋で素晴らしいと思った。
登場人物も皆総じて、世界を憂いたり殺伐としているというよりかは何となく皆のんびりしていて、そこがこの作品の魅力を引き立たせている要素の一つなのかもしれない。
そうして辿り着くラストシーンはまさに圧巻。
近年、どんなに面白い作品でもどこかしら途中でダレるところがあって、でもラスボス前くらいで少し盛り返すけどプレイ中の最高潮は更新してないかな…と思うことが多かったけど、この作品は自分の中の興奮と感動が最高潮に達したところでゲームが終わった。
ラストシーン含め、この作品全体のストーリーを色々な人が考察し、どれも良く考えられてるなぁと思うんだけど、結局分かるようでよく分からない。
個人的には物語を熟考するより、作品を進めていき最後に辿り着いた時に素直に抱いた感情が一番大切なのかなと思った。
この作品の魅力を一言で言い表すのは非常に難しい。自分なりに表現させてもらうならば、本当に美しい作品です。物語の隅々まではよく分からなくても、プレイ後の満たされ方がすごかった。早く他の人にも伝えなきゃと思う反面、自分だけの宝物にもしたい、そんな作品でした。
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