上場株式と非上場株式の違い、コーポレートガバナンス
今回は、あまり知られていない「非上場株式」の世界に焦点を当て、その実態と、非上場株式を保有する少数株主が直面する可能性のある問題点について、詳しく解説していきます。
株式投資といえば、誰もが知るような大企業の株式を思い浮かべるかもしれません。しかし、日本には数多くの非上場企業が存在し、上場企業とは異なる独自のルールやリスクが存在します。
「上場株式」と「非上場株式」
まずは、基本的なところから。「上場株式」と「非上場株式」の違いについて見ていきましょう。
上場株式とは、証券取引所に上場され、誰でも自由に売買できる株式のことです。東証プライム、スタンダード、グロース市場など、様々な市場で活発に取引が行われています。
一方、非上場株式は、証券取引所に上場しておらず、一般的には売買が制限されています。そのため、「未公開株」と呼ばれることもあります。
上場株式は市場で価格が日々変動し、その情報は広く公開されています。
しかし、非上場株式には市場が存在しないため、価格の決定は売主と買主の交渉に委ねられます。そのため、価格の透明性も低く、適切な価格で売却できるかどうかも不透明です。
さらに、上場企業は、コーポレートガバナンス・コードの遵守や情報開示義務など、様々な規制の下に置かれ、少数株主の権利も比較的保護されています。
一方、非上場企業、特に「同族会社」と呼ばれる企業では、経営の透明性が低く、少数株主の声が反映されにくいケースも見られます。
同族会社とは、特定の家族や親族が経営権を握っている会社のことで、日本企業の多くがこの形態をとっています。
同族会社では、創業家一族が経営の中枢を担い、意思決定を迅速に行えるというメリットがあります。
しかし、一方で、経営の透明性が低く、少数株主の意見が軽視されやすいというデメリットも存在します。
例えば、少数株主が保有する株式を売却しようとしても、会社側が買い取りを拒否したり、極端に低い価格を提示したりすることがあります。また、配当金が支払われない、経営情報が開示されないなど、少数株主にとって不利な状況に置かれるケースも少なくありません。
さらに、非上場株式には、相続時に大きな問題が発生する可能性があります。
非上場株式は、相続税評価額が非常に高額になるケースがあります。
これは、会社の業績が良い場合でも、株式の流動性が低いため、相続税の納税資金を確保するのが困難になるためです。
現金化できない株式に多額の相続税が課せられる…、これは多くの少数株主にとって大きな悩みの種となっています。
では、非上場株式を保有する少数株主は、どのような権利を持っているのでしょうか?
少数株主にも、株主総会での議決権や、会社の経営状況を監査する権利など、いくつかの権利が認められています。
しかし、同族会社では、これらの権利行使が制限されるケースも少なくありません。例えば、株主総会が形骸化されていたり、情報開示請求が拒否されたりすることがあります。
近年、こうした問題に対処するため、上場企業を中心に「コーポレートガバナンス・コード」の導入が進んでいます。
コーポレートガバナンス・コード
コーポレートガバナンス・コードとは、企業が健全な経営を行うための仕組みを定めたもので、株主の権利保護、情報開示の充実、取締役会の監督機能強化などが柱となっています。
具体的な内容としては、以下の5つの基本原則が定められています。
1. 株主の権利・平等性の確保
上場企業は、株主の権利を尊重し、その権利が適切に行使できる環境を整備する必要があります。株主総会における議決権はもちろんのこと、株主総会で適切な判断を行うために必要な情報を提供する義務など、様々な権利が株主には認められています。
近年では、少数株主や外国人株主の権利保護の重要性も高まっており、企業は、すべての株主に対して公平かつ平等な対応を行うことが求められています。
2. 株主以外のステークホルダーとの適切な協働
企業は、株主だけでなく、従業員、顧客、取引先、地域社会など、様々なステークホルダーとの適切な協働によって成り立っています。
企業は、これらのステークホルダーとの良好な関係を築き、その意見を経営に反映させることで、持続的な成長と企業価値の向上を実現することができるのです。
具体的には、従業員の労働環境の改善、顧客満足度の向上、地域社会への貢献活動などが挙げられます。
3. 適切な情報開示と透明性の確保
上場企業は、財務情報だけでなく、経営戦略、リスク、ガバナンスに関する情報など、企業の状況を理解するために必要な情報を、適時かつ適切に開示する義務があります。
情報開示を積極的に行うことで、投資家は企業の状況を正しく理解し、適切な投資判断を行うことができます。また、企業は透明性の高い経営を行うことで、社会からの信頼を獲得することができます。
4. 取締役会等の責務
取締役会は、会社の経営を監督する機関であり、株主に対する説明責任を負っています。取締役会は、経営陣の選任や解任、経営戦略の決定、リスク管理など、重要な役割を担っています。
取締役会の構成員には、社外取締役を含む多様な人材が求められており、独立性と客観性を確保することで、取締役会としての監督機能を強化することが重要です。
5. 株主との対話
企業は、株主総会の場だけでなく、日常的に株主との対話を行うことが重要です。株主との対話を通じて、株主の意見や要望を経営に反映させることで、企業価値の向上につなげることができます。
近年では、個人投資家との対話の重要性も高まっており、企業は、投資家向け説明会を開催するなど、様々な方法で株主とのコミュニケーションを図っています。
非上場企業は、上場企業のようにコーポレートガバナンス・コードを遵守する義務はありません。しかし、コーポレートガバナンスの強化は、企業の透明性や信頼性を高め、ひいては企業価値の向上につながるため、非上場企業も積極的に取り組むことが重要です。
最後に、非上場株式を保有する少数株主が取るべき行動についてお話します。
少数株主が取るべき行動
まず、自分が保有する株式の状況を把握することが重要です。
会社の定款を確認し、譲渡制限の有無、株主総会の開催頻度、情報開示の状況などを確認しましょう。
そして、会社とのコミュニケーションを積極的に図ることが大切です。株主総会に出席したり、会社に質問状を送ったりして、会社の経営状況や将来展望について理解を深めましょう。
上場企業の株式は、株式市場が存在していつでも株式を売買できますが、それゆえ、会社は経営者だけのものでないことを認識し、コーポレートガバナンス・コードの基本事項をよく理解して対処しないと社会的信用を失いかねない、という国内的にも国際的にも圧力にさらされていると言えます。
ですから、少数株主をぞんざいに扱うことはまずないでしょう。
しかし、非上場企業の株式は、株式市場もなく売買が困難であり、上場企業のような規制や監視がないため、経営者のやりたい放題が可能となっています。少数株主にぞんざいな取り扱いをしても社会的信用を失墜するようなこともありません。
だからこそ、換金できずに困っている非上場株式の少数株主が世の中に大勢いるのです。
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