JAPAN BLUE / 姫路黒桟革 藍染
“姫路黒桟革”
姫路黒桟革(くろざんかく) 鞣しと漆
※ブログご紹介より抜粋
『革の黒ダイヤ』と呼ばれる小さなダイヤの粒を散りばめたような美しさを持つ。日本古来の伝統技法である『なめしの技術』と『漆塗りの技術』を融合させたのが1923年創業、姫路タンナー“坂本商店”の誇る、姫路黒桟革(くろざんかく)。
漆は自然界最強の天然塗料と呼ばれ、摩擦に強く、道具の実用性を高めて、その希少性や美しさから黄金と並ぶ、権力を象徴する美として日本人の生活に存在し続けていた。戦国時代には大将クラスの甲冑に使われていたと言われる代物です。
国産黒毛和牛をベースに食肉加工過程の副産物として、余すことなく動物の皮を利用。下地革をつくるところからはじめ革と漆の相性、鞣しと漆塗り、それぞれの特性と物性を知り尽くし作製される理想の漆革、黒桟革。
歴史的背景と日本独自、独特な素材イメージから“THE 日本の革”とコンセプト
漆について
漆器という言葉が代表的で、漆と言えば、お椀を想像される方も多いだろう。伝統的な行事で目にしたり、僕たちは何かしら無意識に漆に関わっている。感覚的、視覚的な視点より語られることが多いが、そもそも漆とは、一般的に漆の木の樹液を指す天然の塗料のことであり、木材や陶器と言ったベースに漆を塗ったものが漆器となる訳です。
その実、漆の木は中国からきている説のある外来種の木。
※もともと日本に存在した説もあります
最古の漆を塗ったものとしては縄文時代のものが見つかっており、9000年前から日本に存在するのだとか。日本大陸の環境下では在来種と比べて弱い存在である外来種は保護、管理しなければ生息することはできず9000年前よりも、またはそれ以前よりも日本人は管理、必要としてきた、ことになる。
芸術性の高いものというよりも用途として塗料や接着剤など様々な用途で使われ、その丈夫さから自然界最強の天然塗料とも言われている。実際に縄文時代のものでも、矢の先を漆で接着した実用的なものであったり、漆で破損箇所を接着した器が見つかっているそうだ。
ある時代には世界に漆=Japanと言わしめた芸術性はあったが、今では原材料のほとんどが海外。
姫路タンナー“坂本商店”
現在では3代目。一家相伝の漆の技術を先代より受け継ぎ、世界へ発信している。誰もが知る某ブランドからフランスの革で漆を〜などもバシッとNoと言ったそうな。お話を伺っているとものづくりの楽しさ、ロマンを感じることができた。かと思うと、たびたびサスティナブル(持続可能な)、エコなどのワードも出てきた。
姫路から世界へ、言葉では簡単に言えるが、簡単ではないことは自明の理。常に「現代」での試行錯誤の創作を続けられている姿勢が素晴らしく思います。
ここ姫路市には、タンナーが集まっている一画、地区が存在する。川沿いにあってタイコといって革を回す木製の機械をよく見かける。(稼働している、していないはおいといて)
昔ながらの革生産地として存在しているんだけれども少々過去、のような名残りに近いところもある。あくまで個人的にそう思っただけですが。
いいものをつくる
それは当たり前で、単なる素材でユーザーに使われないと意味をなさない。手元にあるものが、何百年、何千年、何万年の歴史を感じられ起源を識るような奥行きがある。それがまた、伝統を守ると言ってはおこがましい話なのですが自国の伝統を受け継ぐ、ような感覚を持てるのは大変にじわじわくる素敵なことだと思います。
そんな坂本商店さんとの出会いにて。
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今回から黒と杜若(かきつばた)に加え、藍染のカラーが追加。
これがまた良い色で、青より藍で、紺よりJAPAN BLUE。
※JAPANBLUEは、海外より藍染めの色の美しさから名付けられた
染料は天然藍(インド藍)のみで染め上げる。
性質的に、弱酸性の革にと強アルカリ性での加工では色が定着せず
独自の研鑽を重ねた、革と藍の染色。
白から緑色、空気にさらすこと(酸化)で青色へと変化。
1日10枚程、1枚ずつ染める。3回繰り返す1度目の染色風景ですが、この後干して、タイコに入れて廻し、ほぐす。そしてまた藍染めの工程。
1日10枚、というのが納得する作業量(2人で1日かかりっきり)
ここから漆塗りへ。
なんだかとても藍染め“JAPANBLUE”が気になりますね笑
あるあるですが素材段階より、所作として完成すると魅力がさらに。全然上がります。
5月発売予定。どうぞお楽しみに。
nakabayashi