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音楽教育研究の現場のレポートまとめ

リコーダーの演奏に於いては、「運指」「指の押さ え方」「ブレスの位置」「アンブシュア」など初歩的な課題についての見取りを行う必要の ある未熟な演奏に対しては注視し、熟達した演奏については、あまり注視しないで聴いて いる傾向が認められます。

音楽教師(音楽専門家と小学校教師)は、「手元」または 「顔」に視線が集中する傾向がある点であることも。

教育者・研究者らは調査前の段階において、音楽の熟達教師は、リコーダー演奏の基本的な身体の部位、すなわち「手元」や「口元」を見ないで、体全体や他の部位などを見る割合が高いのではないかと予想していたようでした。

しかしながら、「手元」または「顔」を見ている割合が高いという事も明らかになっています。

一方で、音楽教師の視線は「手元」や「顔」に集中するものの、動画を見終わったあとの発言 (指導助言や感想等)を踏まえると、言及する内容はそれ以外のことも多く含まれています。

「手元」や「顔」を見ることによって認識する内容や、例えば、演奏者理解は、視線を向けた 対象に関するものだけではなく、音の状態・ゲシュタルトの認識,演奏者の身体性の認識等視線を向けた対象以外、さらには、それ以上のものが含まれていることが認められています。

演奏者を捉える時には、視線が優位でない場合があることも示唆されています。 すでに曲のフ レーズごとの視線の違いや、視線と指導助言の視点との相関関係についても解析しており、さらに研究を深めていく事が音楽教育者には期待されています。

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