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俳句 板津 昇龍 Shoryu Itazu

詩人・歌人・俳人としての、Note.com  デビュー!!


東風吹かば  コロナの菌も  グッドバイ

風見鶏    国家と君に   恋すてふ

以上、2作品を、かなり考えて、句にしました。

風見鶏ーーーーーーーーー の句は、非常に風刺的ですね。

因みに、東風は、「こち」と詠みます。

春から夏にかけて吹く寄りの風。氷を解き、春を告げる風として、古来雅語として取り入れられてきました。雨を伴うことが多く、この風が吹くと寒さが緩むので一般には喜ばれますが、海上生活者には時化(しけ)になる風として警戒されました。東風は単独に使われるほか、次のようなさまざまな複合した名称としても使われています。

 朝東風(あさごち)、雲雀東風(ひばりこち)(瀬戸内地方で3、4月ごろ吹く)、雨東風(あめこち)(九州の小倉(こくら)地方でいう)、いなだ東風(三重県志摩半島の白木(しらき)での呼称)、鰆ごち(さわらごち)(岡山県で春のサワラ漁のころに吹く)、青東風(夏、青空のもとで吹く)、星の入り東風(10月ごろ、おうし座のすばる星の沈む明け方に吹く)。

 東風は春の季語として「梅ごち」「桜ごち」「正(まさ)東風」「春風」などがあります。

東風吹かば にほひをこせよ 梅の花 主なしとて 春をわするな
菅原道真

でも、有名ですよね!

恋すてふ 我が名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか

これは誰の和歌でしょうか?

壬生忠見 (みぶのただみ) 三十六歌仙のひとり  百人一首の No. 41

読み方・現代仮名遣いは?

この歌の読み方は、「こいすちょう わがなはまだき たちにけり ひとしれずこそ おもいそめしか」となります。

意味・現代語訳は?

『恋すてふわが名はまだき立ちにけり人知れずこそ思ひそめしか』 の現代語訳は以下のようになります。
「恋しているという私の噂が早くも立ってしまったのだった。誰にも知られないように、心ひそかに思いはじめていたのに」

背景

百人一首No.40『しのぶれど色に出でにけりわが恋はものや思うと人の問うまで』で紹介した通り、平兼盛の『しのぶれど』と壬生忠美の『恋すてふ』は歌合で対決したもの同士。



この対決は後に様々な逸話を生み、鎌倉時代の『沙石集』には、負けた忠美が落胆のあまり食欲もなくなり、病になってついには亡くなってしまったという話が残されている程です。
『沙石集』の話は作り話臭が強いですが、当時の人々の歌に対する熱意が強かったことは事実なのではないでしょうか。

品詞分解は(表現技法は)?

①恋すてふ
恋す…サ行変格活用の終止形
てふ…連語、「てふ」というのは「という」のちぢまった形。「「恋をしている」という」という意味になります。
②わが名はまだき
わ…代名詞
が…格助詞
名…名詞

は…係助詞
まだき…副詞、「早くも」の意
③立ちにけり
立ち…タ行四段活用の連用形
に…完了の助動詞の連用形
けり…詠嘆の助動詞の終止形
④人知れずこそ
人…名詞
知れ…ラ行下二段活用の未然形
ず…打消しの助動詞の連用形
こそ…係助詞、係り結びで一番最後の「しか」が已然形になっています
⑤思ひそめしか(倒置法)
思ひそめ…マ行下二段活用の連用形
しか…過去の助動詞「き」の已然形、係り結びを受けて已然形になっています
意味的には「誰にも知られないように恋していたのに、噂がたってしまった」となり、④⑤→①②③の順番となるので、ここでは倒置法が使われていることになります。

参考文献

この記事は『シグマベスト 原色百人一首』(鈴木日出夫・山口慎一・依田泰)を参考にしています。



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