![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/118282230/rectangle_large_type_2_3acfb3e58998cd8db73ef9e5fbae4aa5.png?width=1200)
Photo by
aratoarty
【300字小説】 つなぎ目
つなぎ目がほどけそうになっている糸を見かけるのはこの時期だ。ちょうど夏の終わり。次に多いのは春。どちらかが結び直せばまだ修復できる糸もあれば、きつく結びすぎて切れかかっている糸もある。恋人同士の糸もあるし、友達の糸、家族の糸もある。
誰の相談も受けなくなってずいぶん経つ。ある意味、私は誰とも糸を結ばなくなったと言えるだろう。結んでもゆるく、いつほどけてもいいようにしか結んでいない。しかし最近、一本だけ慎重につないだ糸がある。やっと本当に大切なものを見つけた気がする、と思った人の糸だ。
Twitterで行われている、毎月300字小説企画(@mon300nov)からお題を頂きました。第10回のお題「つなぐ」。