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【犬の短篇3】犬の絶滅
2024年、トイプードルが絶滅した。
科学者は、犬だけが死に至る謎のウィルスが原因だと発表した。
2025年、ミニチュアダックスが絶滅した。
経済学者は、ペット市場に与える多大な被害を予測した。
2027年、ゴールデンレトリバーが絶滅した。
政治家は、敵対国の陰謀だと非難し合った。
2028年、チワワが絶滅した。
医者は、ペットロスが引き起こす心理不安を懸念した。
2031年、パグが絶滅した。
アーティストは、犬を愛する歌を作って熱唱した。
2033年、柴犬が絶滅した。
起業家は、仮想空間で犬を飼うゲームをヒットさせた。
2034年、ポメラニアンが絶滅した。
2035年、ブルドッグが絶滅した。
2038年、それ以外の犬がすべて絶滅した。
そして、地球上から犬がいなくなった。
宗教家は、街頭で声を張り上げた。
これは、神の警告だ。
もっとも身近な生き物である犬を絶滅させることで、神が人類に警告しているのだ。
きっとこれから、どんどん動物が絶滅するだろう。
パンダ。
サイ。
ホッキョクグマ。
人間は無力だ。
私たちに未来を予期することなどできないのだ。
そして、2040年。
パンダが世界中で大量発生した。