shorakudon

山岳写真、ネーチャーフォト、和紙漉き、和紙の工芸、灯りなど、ものつくりがライフワークのおじじんでんす。 今は山野草や野鳥を中心に撮影と生態観察をしています。一人工房和素美と称して、 和紙漉き職人たちと楮を育てて、材料作り、好きな和紙を作って和紙写真や個展をしています。

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山岳写真、ネーチャーフォト、和紙漉き、和紙の工芸、灯りなど、ものつくりがライフワークのおじじんでんす。 今は山野草や野鳥を中心に撮影と生態観察をしています。一人工房和素美と称して、 和紙漉き職人たちと楮を育てて、材料作り、好きな和紙を作って和紙写真や個展をしています。

最近の記事

和紙漉き 8  和紙の雑記帳 II

和綴じ  和綴じは楽しい世界で、小川で教えていただいた。  約6種類ぐらいある。  ① 四ツ目綴じ  ② 康煕(こうき)綴じ  ③ 麻の葉綴じ  ④ 亀甲綴じ  ⑤ 三つ目綴じ  ⑥ 大福帳綴じ 和綴じの手順の絵が以下の井上紙店のサイトに出ていた。 コーナ部を丈夫にするので、いろいろな形態がある。 面白いのは、穴がいくつでも同じ場所に戻ってくることだ。 麻の葉綴じは、丈夫だ。見た目にもいい感じ。

    • 和紙漉き 8  和紙の雑記帳 I

      1.ハスの紙(蓮紙)   昔、和紙仲間が蓮の和紙を作るというので、一緒について行った。   蓮の刈り取りをやって、茎を使って紙にする。   東京、町田市に大賀藕絲館(おおがぐうしかん)という障碍者福祉施設   があって、大賀蓮を育てている。町田市では、1979年ごろの市長が大賀   蓮に興味を持ち育成した。薬師池は大賀蓮の鑑賞ができる公園だが、   大賀藕絲館では蓮を刈り取って、糸をつむいだり、蓮の実などを使い、   この施設で、いろいろなものを作って作業をしている。   

      • 和紙漉き 7  和紙のこと綴り I

        柳宗悦 はじめに和紙は強く美しい。久米康生著 ”和紙の文化史” 木耳社 昭和51年出版 を参考にして、【】記述。 【 昭和の初期の民芸運動のリーダー柳宗悦(やなぎむねよし)は、和紙の美という著書で「どこの国を振り返ってみたとて、こんな味わいの紙には会えない。和紙は日本をいや美しくしているのである。日本に居て和紙を忘れてはすまない。」と述べている。 和紙の生産者は、明治中期で6万8千戸、柳が、この文を書いた昭和8年には2万戸、この著書の出版された昭和50年頃はなんと800戸

        • 和紙漉き 6 和紙の加工 IV

          8.版画   誰もが知っている版画だが、和紙の実力の世界だ。   特に江戸時代に発展した浮世絵は和紙のおかげだ。   何度も版を重ねて刷り込んでも伸びない、水に強い。   髪の毛の一本まで、表現する。   絵描き、彫り師、摺師のプロジェクト作業だ。   遥か大昔、、中学生1年生の頃、アマチュア無線(ハム)の免許を取得   した。電信のモールス通信で、外国との交信にのめりこんだ。   交信証のカードQSLカードの交換をするのだが、このカードを自作し   て、浮世絵の写楽の絵を

          和紙漉き 6 和紙の加工 IIII 

          6.竹紙と水上勉 竹の繊維を使って紙にする世界がある。 この和紙は、なめらかで独特の表情があり、料紙として絵画や書に用いられている。 これを近年、流行させた人で小説家で有名な水上勉だ。 飢餓海峡、五番町夕霧楼、金閣寺炎上、、などなど映画でも名作が多い。 彼の作品で弥陀の舞という水上文学の最高峰と思う小説がある。中古本を探して昔読んだ。和紙のことや、情感あふれる世界だ。水上勉は福井県出身で、人生、紆余曲折、苦労して小説家になった。福井という地であるのだろう、和紙についてこの小

          和紙漉き 6 和紙の加工 IIII 

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          個展 野鳥に俳句•歌をそえて、写真画の世界 館林、横田歯科クリニックにて

          個展 野鳥に俳句•歌をそえて、写真画の世界 館林、横田歯科クリニックにて

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          和紙漉き 6 和紙の加工 III

          4.型紙と切り絵 型紙は伊勢の型紙が有名で、江戸小紋などの版として利用されてきた。 型紙を作る職人が減って、特に伊勢で伝統技術として維持している。型紙は基本的に、柿渋を塗った和紙を何枚か重ねて制作する。水に強い厚手の型紙となる。これに、いろいろな道具で穴をあけ、小紋型紙を作る。特にこのパターンを作る職人が減っている。先日NHKの番組で、現地の女性の作家が紹介されていた。頑張っているのに感動した。 10数年前に、紹介された技術者の家が、型紙を制作していく家で、もう高年齢で何と

          和紙漉き 6 和紙の加工 III

          和紙漉き 6  和紙の加工 II

          2.落水   落水紙は文字通り、和紙を漉いた時、上方から水滴を落とします。   シャワーやタワシを使って、水滴の大きさ、落下速度、水滴の広がりな   どによって、いろいろな模様ができます。 3.透かし、ひっかけ   越前でひっかけという技法が発明され、昭和の時代に普及した。   金属でできた模様に、ミツマタなどの繊維をひっかけてつかみ、これを漉いた紙に載せて転写する。この状態で落水を行うと、透かし模様ができる。 最近では、小学校の卒業証書を自分で漉いて、学校の徽章など

          和紙漉き 6  和紙の加工 II

          和紙漉き 6  和紙の加工 I

          長い歴史のなかで、和紙はいろいろに加工され利用されてきました。 現在も脈々と、引き継流れ、社会の中に溶け込んでいます。 主な、和紙の加工の世界を見てみましょう。 1.墨流しと染色  【墨流し】 今、私の現在の興味の一つに、墨流しがあります。   無患子(むくろじ)という樹木を見つけ、その実を集めました。   この実には、サポインという界面活性剤が多く含まれ、自然素材の石鹸   が作れるのです。早速10分から15分水の中で煮ると抽出できます。   これで洗濯石鹸として使えま

          和紙漉き 6  和紙の加工 I

          和紙漉き 5  和紙の種類など

          1.和紙の紙名について 色々な紙の種類と名称があります。 ”和紙の文化史 久米康生著 木耳社”を、参考にしてまとめてみましょう。 歴史の流れ、製作された地方に沿って、種類、用途によってつけられてきたようです。 1)紙屋紙(かんやがみ) 平安時代(794年~1185年)の400年間、藤原時代がつづき、かな文字が使われ、女流文学が栄える。文化は女性が担い手となり、紙そのものの美しさが求められ、製紙職人が技術を競うようになった。 この時代の中心となったのは、政府の製紙場である紙

          和紙漉き 5  和紙の種類など

          和紙漉き 4 和紙のちょっと科学

          和紙はつよい 和紙は、日常使っている用紙に比べて圧倒的に破れや水に強い。 なぜでしょう、、、 一般の洋紙は、機械装置で大量に生産される。材料はパルプだ。パルプは針葉樹など樹木の表皮ではなく、中の木材部分だ。これは解砕していくと、繊維が短い。和紙の楮などの樹皮では太さは10ミクロン程度で、mm単位の長さだ。 用紙は繊維が短いので、互いに絡みにくい。紙にするため、タルクという鉱物の粉を混ぜる。この粉のタルクが白い用紙となっている。 一方、和紙は繊維だけになるので、和紙漉きで、材

          和紙漉き 4 和紙のちょっと科学

          和紙漉き 3 和紙の歴史と印刷の発明

          和紙研究第一人者、久米康生氏の和紙の文化史を中心に、歴史学事典(弘文堂)、紙の歴史 ピエール=マルク・ドゥ・ビアシ著 創元社を参考に以下まとめる。 蔡倫(さいりんTs'ai Lun) 後漢の元興元年105年に蔡倫(さいりんTs'ai Lun)という帝室技芸監の地位であった人物が初めて製作したとされる。 彼は大麻を主として楮、葛、山藤などの樹皮繊維、苧麻(ちょま)などの草皮繊維、さらにこれらの繊維を利用した布や漁網などを臼で突き砕いて、水に溶かして、簀ですくいあげて、静かに

          和紙漉き 3 和紙の歴史と印刷の発明

          和紙漉き 2 和紙十工

          はじめに 昔、小川町の和紙学習センターを訪問したとき、和紙教室をやっているとのことで通った。これが今の自分の和紙に関する基本になっている。 当時、和紙学習センターには女性が中心で数名の先生たちがいた。 和紙十工という手作りの指南書をいただいた。学習センターを技術的に支えているのは、小川町にある和紙工房の職人たちで、組合として和紙道具のメインテナンスなどを行っていた。和紙漉きの指導は、学習センターで働く和紙技術を身につけた指導者たちだった。結局、生徒も含めて、2,30名の和紙

          和紙漉き 2 和紙十工

          和紙漉き 1 和紙は美しい

          和紙を漉いて遊んでいる。楮を少し育て、12月に刈り取り、皮はぎ、蒸しなどやって、叩いて繊維を解砕する。和紙十工といい、基本的に10段階の工程がある。粘剤のトロロアオイの根はあまりとれなかった。 手持ちのタイコウゾも煮熟、材料は充分だ。 和紙を始めて、12、3年になる。小川町の和紙学習センターの教室に参加して、楮畑でのさぎょう、刈り入れ、蒸し、皮剥、などなど、覚えた。 和紙の染め付け、切り絵、諸々のアート作品の作り方を習った。 夢だった和紙の工程に触れて、和紙産地の越前、美濃

          和紙漉き 1 和紙は美しい