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闘志を沸き立てるイメトレ読み聞かせ話「かけっこ」

かけっこが楽しくなる読み聞かせ話

「位置について、用意、ドン!!」
みんなが一斉に走り始める。
大きな応援が聞こえてくる。
誰かのお母さんが「頑張れ!」と応援してる。
誰かのお父さんが写真を撮ってる。ビデオも撮ってる。
先生がゴールのテープを持って、待ってる。
ドキドキドキ。
次の次が僕の番。
ドキドキドキ。
みんな、腕を前に後ろに大きく振って
まっすぐ前を見て走ってる。
ゴールを目指して走ってる。
前の前の子がゴールした。
一等賞、いいなぁ。
列はどんどん進む。
「位置について、用意、ドン!!」
僕の前の子が駆け出した。
次が、僕の番。
腕を振り、まっすぐ前を見て、みんなゴールへ、一直線。
みんな、みんな、1番目指して、一直線。
ゴールのテープは、一番の子しか切れない。
前の子達がゴールした。
テープを切ってゴールした。
続いて、2着、3着、4着の子もゴールした。
一等賞、いいなぁ。
テープ、切りたいなぁ。
ついに、いよいよ僕の番。
前には、もう誰もいない。
僕の番。
僕のまっすぐ前に、先生が持っている白いテープ。
耳を澄ませて飛び出すぞ!
「ドン!」の音で飛び出すぞ。
まっすぐ、前を見て飛び出すぞ。
昨日までの僕とは、ちょっと違う。
テープを切るのは、僕だ。
「ドン!」の音で飛び出すぞ。
「ドン!」の音で飛び出すぞ。
「ドン!」で1番にスタートするぞ。
「位置について」
「用意」



「ドン!」
飛び出した僕、前には誰もいない。
風が吹く。この風は吹いてるんじゃない。
僕が作ってる。
腕を振る、足を動かす。
前だけ見る。
テープだけ見る。
まっすぐ、まっすぐ、まっすぐ走る。
僕は、やる。
僕は、できる。
まっすぐ、まっすぐ、まっすぐ走る。
僕は、走る。まっすぐ走る。
【朗読】
https://stand.fm/episodes/66e12191ae25aa0869d69e43

「1番にならなくてもいい」という時代ですが・・・

1番になりたい子は多いはず。
緊張感を持って走り出す、運動会のイメージを作り上げて行きます。
走るテクニックは色々とありますが、幼児期には走る楽しさや自信を持って取り組む姿勢を培うことが大切です。
かけっこは、競技時間の短さから、本領を発揮できない子も多いのが現実ですが、事前に、スタート前のイメージや走り出した景色を想像することで、当日に全力で走り出すことができるようになります。
このように、よそ見をせずに、「うっかり」頑張り切れなかった・・・という不完全燃焼を無くし、「全力」で取り組めたという経験を積むことで、集中力と自信が培われます。
1番にならなくてもいい、だけど、1番を目指す姿勢は忘れないで全力で取り組める子が増えると嬉しいです。


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