【10-13】夜更けの雨に意識を預けて
平日の夜、仕事も食事もお風呂も終わり、もう後は寝るだけの状態で耳に入ってくる夜の雨音は、なかなかに形容し難い心地良さがあるものです。
この頃は、すっかり日中の気候も夏らしさが消え失せて、秋を飛び越して冬の装いが感じられるようになってきたこともあり、ホットコーヒーがより一層美味しく感じられます。
日常、朝やお昼時に降る雨は好ましくないのですが、夜中にしとしとと降る雨の音は、不思議と心のわだかまりを忘れさせてくれたり、昂った気持ちを落ち着けてくれる気がします。
眠りに着く時というのは、意外に無音だとなかなか眠れなかったりするのですが、雨の音を聴きながら考え事をしていると、いつの間にか意識がさらわれていて、気がついたら朝を迎えているということがよくあります。
やはり自然の力は偉大だなぁなんて考えながら、少し肌寒い気候に気持ち良さなんかを感じたりして過ごす夜長も、また趣深かったりするものです。こういう時、誰かとお酒を飲みながら、なんてことない話だったり、延々と答えのない話をしながら、朝を迎えるというのもとてもとても素晴らしいと思うのです。
あとは終電を逃してしまって、一駅傘をさしながら歩いて帰る雨の夜も、また心にくるものがあって良いものです。雑念を消して、頭の中をクリアにしてくれる気がするし、余計なものに注意を払わなくなるので、一年に一回くらいそういう夜があっても良いんじゃないかと思います。
ようやく待ちに待った秋模様がやってきたようなので、ここから少しずつ日常の時間を大切にできたらと思いますが、まだ本当の意味での”日常”生活は難しいような気がしています。旅行も来年までお預けという感じですし、そもそも大々的に飲み会をするぞ!とか、どこか遠くに行くぞ!とかいう雰囲気でもないですし、それこそ自分の気持ちがそうなっておりません。
とはいえ、自宅での楽しみ方も今まで以上に分かってきたし、外に積極的に行けない状態が続いてしまったからこそ、今少しずつ外に出られるようになった喜びも実感できているのかなと感じております。
今はまだ、もう少しだけ先の未来の楽しみを想像しながら、部屋の中で雨の音でも聴いて待つことにします。
風邪をひかないように暖かくして布団に入るとしましょう...
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