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1分でも伝わる自己紹介

4月は、初めましての季節。

新入社員や異動した人、新しいクライアントを担当することになった人など、初対面の人を相手に、自己紹介をする機会も多いと思います。

私も改めて、自己紹介をしてみます。

広告会社でブランド戦略コンサルティングチームのマネージャーをしている岡田と申します。
趣味はカレーをスパイスから作ることで、玉ねぎを炒めている瞬間が最も幸せです。カレー作りが趣味の方、あなたのレシピを教えてください!

と、このように、短い時間で自分のことを伝えるのが自己紹介ですが、難しいですよね。私は、正直あまり得意ではありません…。

ましてや、昨今のオンラインでの対面となると、相手の反応も見えにくくて、やりにくい。

そこで今日は、自己紹介をきっかけに、伝えたい内容をコンパクトに言葉にすることについて考えてみたいと思います。

「1分の自己紹介」で学んだ、削ることの大切さ

以前、面白い自己紹介の体験をしました。

それは、異業種の社会人が30名ほど集まる会だったのですが、まる1日行われるワークショップの最初に行った自己紹介が、少し変わったものでした。

まず、5名程度のグループに別れて、3分間で自己紹介をします。この時、時間はストップウォッチで正確にはかります。

多くの人が、どんな仕事をしているのか、その経歴や現在の仕事内容について話し始めます。3分で収まる人もいれば、超えてしまう人もいます。

3分間は思ったより短いので、その人の人柄を知る前に、仕事紹介で終わってしまう場合もありました。

全員の3分自己紹介が終わったら、次に、同じグループで今度は2分で自己紹介をします。

時間が2/3になるので、話す内容も削らなければなりません。

早口で話して無理矢理終わらせようとする人。大胆に自己紹介の構成をガラリと変える人。うまくいく人も、いかない人もいて、何度も笑いが起こります。だんだん、場が暖まってきます。

ちなみに私は、情報量を削りすぎた結果、1分で自己紹介が終了してしまい、空いた時間を埋めるのに苦労しました(苦笑)。

全員の2分自己紹介が終わったら、グループワークは終了です。

最後は、参加者全員に向けて、1分で自己紹介をおこないます。

時間がすごく限られている上に、これまで一緒に話してきた5人グループではなく、ほぼ初対面の人にも伝えなければいけません。

多くの参加者が、それまでの3分バージョン、2分バージョンの自己紹介を捨てて、構成を大きく変えていました。

一番印象的だったのが、3分自己紹介の時には過去の仕事の経歴を順に話していた人が、1分バージョンになった瞬間に、開口一番「○○な世の中を作りたい、それが私の夢です」と宣言したことです。

そこから先の1分間は、基本的には未来の話しかしていませんでしたが、結果的にその人の自己紹介はみんなの頭の中に残り、すごく良い内容になっていました。

この経験を通じて、伝えたい内容を絞り込むために、必要ない部分を大胆に削る大切さを感じました。

下記記事にもあるように、経歴を並べるだけの自己紹介は、後から調べればわかることが多いので、貴重な自己紹介の時に優先して話す価値はありません。

むしろ、まだ文字に書かれていない内容、例えば自分の夢や、自分が大切にしていること、意外な趣味など、そこでしか聞けない話をすることでみんなの印象に強く残り、後から「あの人ってどんな仕事をしている人だろう」と検索してもらえる方が、自己紹介としては成功な気がします。

短時間で伝える時は「序破急」

また、話の流れも重要です。

以前、私が通っていた小説教室で、短編小説の書き方として教わったのが、「序破急」です。やや聞き馴染みがないかもしれませんが、元々は能や雅楽などの世界で使われている言葉で、話の流れの型を示したものです。

起承転結」という言葉は、誰もが聞いたことがあると思います。

しかし、短編小説では「起承転結」だと展開が遅すぎるので、「序破急」のスピーディーな展開が良いと言われました。

例えば、テレビの刑事ドラマで、冒頭から事件のシーンになり、見る人の興味を惹きつけます。いきなり事件が起きて、そこから全てが動き出す、そんなスピーディーな展開が序破急型だということです。

「あるところに刑事がいました。平和な日々が続いていました。そんなある日・・」のような起承転結型の構成だと、途中で飽きられてしまうというのです。

自己紹介も、起承転結よりも序破急型の構成の方が向いているかもしれません。

最初に名前や所属などを伝えたら、すぐに、自分の夢や、自分が大切にしていること、意外な趣味など、そこでしか聞けない話をする。

そして、最後に自分のことを覚えてもらったり、検索してもらうきっかけを作りながら終わる。そんな風に短い時間で自己紹介ができたら、自己紹介も成功だと言えそうです。

これは、自己紹介だけでなく、色々な場面でも応用できそうです。

例えば、上司との短い面談の中で考えを伝える時。
例えば、お客さんへのプレゼンの冒頭で、一気に興味を惹きたい時。

この序破急型の話し方をマスターすれば、時間が限られている中でも成果をあげることができます。

特にリモート会議などでは、話がダラダラ続くと聞く人の興味がスーッと失われがちです。コンパクトに伝えたいことを言葉にするトレーニングは、様々な場面で生きるはずです。

印象的な自己紹介を作るには、印象的な特徴が必要

今回は、私が体験した、少し変わった自己紹介をきっかけに、伝えたい内容をコンパクトに言葉にすることについて考えてみました。

1分で自己紹介するには、調べればわかるような過去の経歴は大胆に削り、そこでしか知り得ないことを語り、聞いている人の共感を得るのが重要です。

また、話の展開としては、丁寧に積み重ねていく起承転結よりも、すぐに本題に入っていく序破急型の構成の方が向いています。

そんな視点で改めて冒頭の自分の自己紹介が見てみると、まだまだ改善の余地が大きそうです。

また、印象的な自己紹介にするには、印象的な夢や想いが必要です。意外な趣味や特技、体験などでも構いません。

最近は出歩くことも少なくなって、新しい体験をしたり、特技を磨くようなことができていない気がします。

自己紹介のためというわけではありませんが、こんな状況でも何か新しい体験ができないか、積極的に見つけていきたいなと改めて感じました。

まずは、新しいカレーのレシピに挑戦してみたいと思います。

※Twitterでは気になる記事などにコメントをつけたりしています。


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岡田 庄生 | ブランド戦略コンサルタント
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