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エクセルで過去note分析してわかった、渾身の投稿がスベる理由

日経COMEMOのKOLに就任して、早いもので約2年。月2本のnote執筆も、積み重ねること約50本になりました。

この2年、ありがたいことに「ビュー」や「スキ」が(私にしては)伸びた記事もあれば、気合を入れて書いたのに全く伸びなかった記事もあります。

そこで、これまでの記事を振り返り、「ビュー」や「スキ」が伸びる要因を分析しよう。そして、今後の執筆の方針を改めて考えよう、と思い立ちました。今年の9月のことです。

ただし、あまりに複雑な分析だと、大変で続きません。

ワークマンでも、「エクセル」が基本だとのこと。

高度な人工知能(AI)よりむしろ昔ながらの「エクセル」を駆使。上意下達ではなく、全社員がデータを基に議論するようになった。

そこで今回はエクセルを使って、半日程度でできる、ごく簡単な分析を行うことにしました。

今回の記事は、長くなってしまったので前後編に分けます。

前編は、簡単なエクセル分析の方法と、その結果分かった「スキ」が集まる記事・集まらない記事の違いについてです。

後編は、分析をもとに、今後のnoteの執筆方針を考えた話を書きます。

記事数にもよりますが、冬休みの半日ぐらいを使えばできると思いますので、ぜひ試してみてください。

STEP1.仮説を立てる


今回、分析を通じて知りたいのは、どんな記事がビュー数やスキ数が伸びるのか・伸びないのかです。

最初に行ったのは、「たぶんこういう要因が関係あるんじゃないかな」と、仮説を立てることです。

仮説1:文字量が多いと、「ビュー」や「スキ」が減る

WEB記事の文字量の目安は1,000文字〜3,000文字程度と言われています。3,000文字を超えて多くなると、途中で飽きて最後まで読まれず、「スキ」がつきにくそうですよね。

つまり、文字数が多い記事は、「ビュー」や「スキ」が減るのではないか、と考えました。

仮説2:オリジナルのタイトル画像があると、ビューやスキが増える

noteのタイトル画像は、フォトギャラリーから選ぶこともできますし、オリジナルで作ることもできます。

私は、気が向いた時だけPhotoshopなどでタイトル画像を作り、面倒なときはフォトギャラリーから選んでいました。

これも、はっきりと確証はなかったのですが、タイトル画像があったほうが良い気がしていたので、分析を通じて白黒つけることにしました。

仮説3:フレームを提示すると、「ビュー」や「スキ」が増える

私は、アイデア発想や会議術についての記事が多いのですが、記事の中には「3つの法則」など、すぐに使えるフレームを提示することがあります。

ただ、毎回フレームを提示できているわけではないので、このフレームの有無が「ビュー」や「スキ」に関係しているのかを知りたいなと思いました。

以上、3つの仮説を中心に検証していきます。

仮説の立て方で気をつけたのは、「自分でコントロールできない要因は入れない」ということです。

例えば、「note公式にピックアップされた」という要因は、絶対的に「ビュー」や「スキ」を増やすのですが、私がコントロールできるものではありません。

ピックアップされるためにも、最初ある程度の人に読まれて、noteのディレクターさんの目に止まらないといけません。

そのために、「文字数」「タイトル画像」「フレーム」など、自分が工夫できるなかで、何が意味があったのかを知るのが、今回の分析の目的です。

STEP2.データを作る

このステップは、全く頭を使わずに、淡々と行うステップです。

noteの記事一覧の文字をエクセルにコピペして、ダッシュボードからビューやスキの数字をひっぱってきて、下記のような表を作ります。


データも置いておきますので、じっくり見たい方はどうぞ。

ビュー数、スキ数、文字数のデータを入力したら、次はタイトル画像とフレームについて入力していきます。

これらのデータも数字で入力します。例えば、タイトル画像の有無は、有り=1、無し=0で入力します。そうすることで、次のステップの分析の時に、計算しやすくなります。

STEP3.グラフを作成する


データが完成したら、関数を使って分析する前に、グラフを作成します。

グラフを作ることで、全体像を俯瞰して見ることができます。

今回は、2通りのグラフ作成方法を行いました。

グラフその1:時系列で表す

古い記事から順番に並べて「ビュー」と「スキ」の数を折れ線グラフで表示します。

私がこのグラフで一番ハッとしたのは、大きく跳ねている時を除けば、全体的に横ばいである、という点です。

これは、約40本も記事をかいているにも関わらず、固定読者を獲得できていないことです。

この気づきは、今後のnote執筆方針に影響を与えるのですが、それは後編で書きたいと思います。

このように、単純なグラフですが、色々気づきを与えてくれます。

グラフその2:「ビュー」と「スキ」の2軸で表す

次に、横軸にビュー数、縦軸にスキ数で、過去の記事を表示します。

下記の図のように、おおよそスキ数(縦軸)が100以内、ビュー数が5,000以内(横軸)以内に固まっていて、たまに跳ねているものがあります。

縦軸はスキ数、横軸はビュー数です。タイトルは自分で加筆。

ここから、「ビュー数が5,000以上、スキ数が100以上」を超える、という目安の数字が見えてきました。

さらに、このグラフには3つのゾーンがあると感じました(下図参照)。

まず、「ビュー数が5,000以上、スキ数が100以上」はOKゾーン。目指すべきところです。

次に、左上の「ビュー数は少ないが、スキ数は多い」は、もったいないゾーン。タイトルの付け方など工夫すれば、もっと伸びる可能性があったかもしれません。

最後に、右下の「ビュー数は多いが、スキ数は少ない」は、リピートに繋がらないゾーン。スキにつながる工夫が必要な記事だったかもしれません。

このように、過去の記事を数字やグラフで見ることによって、ダメだった記事の要因が少しわかってきました。

STEP4.仮説を確める


最後に、STEP1.で考えた3つの仮説を確認していきます。

今回は、スキ数に対して「文字数」「タイトル画像」「フレーム」が与える影響を確かめるために、「重回帰分析」というものを行います。

エクセルの、「ツール」タブから「データ分析」を選び、「回帰分析」を選択します。

「入力Y範囲」にスキ数を、「入力X範囲」に「文字数」「タイトル画像」「フレーム」を、タイトルも含めて選択します。最後に「ラベル」にチェックを入れてOKボタンを押せば、下記の図のような結果が出てきます。(Macのエクセルを使用しています。詳細は「エクセル 重回帰分析」で検索してください)

まず、上の黄色いところ、「重決定 R2」を確認してください。

私の図だと「0.2877・・」ですが、これは、この分析が全体の28%ぐらいを説明できているということを指します。

この数値は1に近づくほど良く、目安として0.5ぐらいあると良いとされています。今回の分析は、対象の本数も少ないですし、参考程度に見たほうが良さそうです。

次に、各項目について見ていきます。下の方に「文字数」「フレーム有無」「画像作成有無」のところです。

重要なのは、黄色い「P-値」と書かれているところです。この数値が小さいほど「影響あり」と考えられます。目安として、0.05より小さいものは影響力があるといわれています。

「画像作成有無」の「P-値」のみ、「0.0046」と非常に小さい数値でしたので、影響がありそうです。

一方で、「文字数」も「フレーム」も「P-値」が高いので、影響はあまり無さそうです。

参考程度の結果となりますが、今回の検証では、オリジナルのタイトル画像があるほうが、スキ数が増える可能性が高いことがわかりました。

逆に言えば、せっかくいい記事でも、タイトル画像に工夫をしないことで、見てもらえる確率が下がっている可能性があります。

また、文字数やフレームについては影響がなさそうでした。ですので、これらについてはあまり気にせずに書けばいいということがわかり、気が楽になりました。

ここまでのまとめ


今日は、過去に書いたnoteのデータを、エクセルを使って簡単な分析してみました。

STEP1.スキ数を高める要因について仮説をたてる
STEP2.データを表にまとめる
STEP3.グラフで可視化する
STEP4.重回帰分析を使って仮説を確かめる

これらの分析の結果、以下のようなことがわかりました。

・多くの記事がスキ100、ビュー5,000以内に収まっている
・全体として数値は横ばいである
・オリジナルタイトル画像がスキ数を高める可能性があること
 など

後編では、これらの情報を元に、今後のnote執筆の方針をどのように設定したのかについて書いています。


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岡田 庄生 | ブランド戦略コンサルタント
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