ニューヨーク州での会社の作り方 <前編>
アメリカは”合衆国”というくらいで、それぞれの州が独立した国のように機能しており、各州によって法律が違う。
設立州・会社形態によって手続きは変わるのだが、今回は参考までにニューヨーク州で株式会社を設立する手引きを例に挙げる。
もし他の州の説明も必要であればするので、是非コメントを頂けると嬉しい。基本的な流れについては、大まかにはどの州でも一緒なので、参考にはなると思う。
1. 名前を決める
当たり前のことだが、会社名を決めないと始まらない。
大きく二つ条件がある。
① "Incorporation," "Incorporated," "Limited," または、それらの省略形(inc. など、、)を含むこと。
②既に存在している会社とは違う名前を選ぶこと。(現存する会社名は以下のサイトで調べられるhttps://apps.dos.ny.gov/publicInquiry/)
またApplication for Reservation of Name を提出することで、60日間の名前の予約というのもできる。(ただし、これに関しては郵送のみ)
2. Certificate of Incorporation を提出する
いわゆる会社設立届出書だ。会社の名前、住所、設立目的、設立発起人(代表取締役とは別)、発行可能株式総数などの記載をし、提出することになる。
郵送かオンライン、どちらでも提出することが可能で、登記費用はなんと$125である。基本的には実費はこれだけだ。(日本に比べても圧倒的に安く簡単なのである)
以下は、ニューヨーク州が出しているサンプルであるが、これが所定の様式ということではない。別に自分達で用意しても問題ないが、オススメはしない。
3. Registered Agent を選定する
日本では馴染みのない言葉だが、”登録代理人” の選定というものが義務付けられている。これは主に裁判関係書類などを含めた、重要書類受け取る人。原則、その州内に在住している人(あるいは認可された組織)を選定する必要がある。
ちなみに社長や従業員などが、その設立州に在住しているのであれば、その人達を選定しても問題はない。もちろん、専門のエージェントもいるので、そこに頼むのでもよい(場所にもよるが、費用はそこまで高くなく、年間数百ドル程度である)
4. Bylaws (定款)を作成する
定款についてだが、日本と違い、作成義務はない。銀行口座開設や会社設立関係書類で提出することも、ほぼない。会社を続けていけば、どこかに提出する事も起こりえるだろうが、基本的に提出する場面というのは少ない。
ただ会社の基本のルールなどを記載した文書となるため、重要度としては高いだろう。基本的には作るのが一般的だ。
通常、弁護士などに頼んで作成することが多いが、サンプルなどもインターネットに結構落ちているので、とりあえずそれで作成することも可能と言えば可能だ。(ちなみに弊社では、弊社内のLegal team がいるので、これらを作成することができる)
前編はこんなとこで、以上。