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ダイビングインストラクターの【能力】について

私には普段なかなか話さないことの一つに、ダイビングインストラクターやダイビングガイド(以下プロ)の「能力」があります。

自己満足かもしれませんが、私はこれまで18年間(2007年創業)にわたりダイビングショップを経営してきました。関東エリアでも随一のダイバー認定数(年間800名以上の認定を10年以上継続)を誇っています。また、常勤と週末非常勤を合わせると30名以上のスタッフ(職業プロ)と関わってきました。加えて、ダイブマスター以上のプロ認定を100名以上してきた経験があります。

その私が、プロのレベルについて、プロの視点で解説していきたいと考えています。

一般のアマチュアのお客様には理解しづらいし見えにくい部分をお話しすることで、少しでもプロを選ぶ際の判断基準になればと思っています。

プロの「能力」を測る際に役立つ指標は主に、
①資格②経験本数③認定数④人物
についての4つです。

①プロ資格(略/一言)
ダイブマスター(DM/まずはココから経験本数100本)
アシスタントインストラクター(AI/講習アシストができる)
OWインストラクター(OWSI/試験をパスすると晴てインストラクター)
マスタースクーバダイバートレーナー(MSDT/経験をもったインストラクター)
IDCスタッフインストラクター(ID/プロコースのアシストもできる)
マスターインストラクター(MI/名誉職的な意味合い強い)
コースディレクター(CD/インストラクター候補生をインストラクションできる)

※私は国際指導団体PADIのプロダイバーですので、PADI基準で述べさせていただきます。他の団体も同様または同等のランクがあると思います。具体的な認定基準やできることなどについては、指導団体のウェブサイトをご参照ください。

②経験本数
プロ自身が使用したタンクシリンダーの本数が重要です(最低100本〜2万本程度)。多く潜っていれば生物の発見能力や知識も増えるはずですし、万が一の事態に備える対応力も優れているはずです。

③ダイバー認定数
1つのお店で年間認定するダイバーの人数は、都内型ショップで平均して30人程度だと言われています。多いお店では1000人程度になるでしょう。個々のインストラクターによる年間認定数は、非常勤スタッフで10人程度から多い場合で100人まで。20年以上現役で一戦級のインストラクターとして活躍する場合、ダイバー認定数は約2000人程度になるでしょう。
ただし、資格を取得したまま現場に出ないプロ(なんちゃってプロ)も多く存在し、その数7割。残りの3割が職業プロで、その中の1割程度が常勤本業プロとして活躍しているでしょうか。

④人物
一般的に、若い人は未熟な面もあるし、年をとりすぎると劣化してくる場合もあります。また、努力や勉強、研鑽によって向上するものもありますし、ポテンシャルやセンス、天性の素質によっても差が出ます。
要素としては、社会人としての経験、マナーや清潔感、配慮や気付き、容姿、性別、信頼性、安心感、ユニークさ、などが重要です。相性もあるでしょう。

ダイビングに行くとなると、水中に潜っている時間は40分✖︎2で2時間弱、一方でその他の時間(休憩/用意/移動/ランチ/アフター)は、4〜6時間くらいあり長いです。潜っている時間より陸上で過ごす時間の方が長いのです。
小さい頃の学校の先生も、授業が面白い先生もいるけど、つまんない先生もいましたよね?彼氏や彼女にしても、楽しい提案してくる方もいたし、一緒にいてもつまんない退屈な方もいましたね?それと同じで、指導者としての資質も大切です。


これらの4つの能力が高ければ、優れたプロダイバーと言えるでしょう。


ダイビングを始める際には、指導団体やお店、価格料金だけを気にされる方が多いかもしれません。また、ダイビングを楽しむために、ポイントや生物情報だけを重視されている方も多いでしょう。
しかし、プロの「能力」も重要な要素であることを忘れないでほしいと考えています。

もし時間があれば次回は、私が知る限りの一流のプロについて、具体的な紹介記事を書いてみたいと思います。

Ps.ちなみに・・・良いプロで実力があるプロって少ないです。本当に少ない。日本に100人いますかね。これには理由があると思っていて、ダイビングのプロに求められる能力は意外と高いのに、社会的な地位や賃金や待遇の面で不安定な業界なので、良い人材が集まり難いなどの理由があると思います。ダイビング業界だけじゃなく他のレジャー業界全体に言えることかもしれません。ですから、私のお店でも、良いプロの育成にはとても苦労しています。
それはそれで、また別の機会に。。。








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