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2024-09-30【French startup ecosystem】

先日、在日フランス商工会議所主催の、ヘルスケア会議のパネルディスカッションに招待されました。これまでフランスのエコシステムとの接点がほとんどなかった私は、果たしてどれほど議論することがあるのだろうかと疑問でしたが、それは杞憂でした。「同じような人口構成(高齢化社会)、持続可能な医療制度への懸念、医療スタッフの不足、研究開発投資の必要性。フランスと日本には多くの共通点があります」。フランス大使館の経済参事官は挨拶でそう述べられました。また、両国は同様に長年の経済停滞を経て、スタートアップの創出促進に大きく舵を切っています。

フランスは日本と同様、官僚主義がはびこり、大企業に依存する国でした。有能な起業家たちは、海外にビジネスチャンスを求めて流出していました。しかし2013年に開始されたスタートアップを促進する政府主導の 「フレンチテック(La French Tech) 」は、この文化を変えました。マッチングファンド、税制優遇措置、外国人起業家や投資家の誘致など、DeepTechスタートアップを支援するさまざまなプログラムが盛り込まれています。2022年にはフランスのスタートアップが135億ユーロを調達し(欧州では英国に次いで2番目)、100万人以上の雇用が創出されるなど、フランスを起業家砂漠から世界で最も成功したエコシステムのひとつへと変えた大きな成功を収めています。ある参加者が誇らしげに、パリにある世界最大のスタートアップ・キャンパス、ステーションFの存在を説明してくれました。以前は駅舎だったこの建物は、現在では1,000社以上のスタートアップの拠点となっており、その周辺には住居用のアパートが用意されています。2022年にスタートアップ元年を宣言した日本より10年も早く、フランスは集積したスタートアップ・エコシステムの構築に成功しています。


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