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子どもたちにフックを!【eスポーツ教育対談】
令和6年(2024年)2月24日、NASEF(Network of Academic and Scholastic Esports Federations)のChief Academic Officer(最高教育責任者)のケビンさんが来日していると聞いて会いに行きました!
ケビンさんはSCHOLASTIC ESPORTS(eスポーツ教育)を推進しています。
今回ケビンさんはハードスケジュールの合間を縫って会ってくださり、昨年6月の来校と昨年12月にアトランタで開催されたeスポーツサミットへの招待のお礼を直接伝えることができ、eスポーツ教育のこれからについて有意義な対談ができました!
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1)SCHOLASTIC ESPORTS(eスポーツ教育)とは
ケビンさんと立正大淞南が初めて繋がったのは令和3年(2021年)12月に開催した「立正大学淞南高校 eスポーツ部 創部記念式典」に、アメリカからオンラインでお祝いメッセージをいただいたことに始まります。
また昨年6月には、本校にお越しいただき、全校で歓迎セレモニーを行ないました。そしてケビンさんから日本初となる全校(約300人)PBL研修を受けました。
アメリカ合衆国カリフォルニア州を発祥とする教育団体・NASEF(Network of Academic and Scholastic Esports Federations)では、ただeスポーツをさせるだけではなく、eスポーツを学習や教育を促進するための効果的ツールとして活用する研究を続けています。
子どもはゲームが好きです。その好奇心を大切にしながら知識を身につけたり、社会性や情動性を育むソーシャル・エモーショナル・ラーニング(社会的感情学習)の取り組みにリンクさせることを続けています。
その取り組みをSCHOLASTIC ESPORTS(eスポーツ教育)と言います。
eスポーツを通して、子どもたちの無限の可能性を引き出すと共に健全な育成の促進と、これからの社会に必要不可欠なデジタル人材の育成することを目的とした取り組み。
ケビンさんがSCHOLASTIC ESPORTSのパイオニアであり、NASEFのChief Academic Officer(最高教育責任者)でもあります。
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2)全てフックに過ぎない!
対談の中で、ケビンさんが「それはフックだね!」
(私)「…はい」
しばらくすると「それもフック!」
(私)「……うんうん」
フック…?
フックって何⁇
そういえばアトランタのeスポーツサミットに行った時もSCHOLASTIC ESPORTS(eスポーツ教育)に取り組む方々から「hook」という言葉を何回も聞きました。
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話を聞いているうちに「フック」とは「子どもたちを成長させるキッカケのことを言っているんだ」とだんだん分かってきました。
「フック(hook)」=「惹きつけられる引っ掛かり」「興味関心を引くもの」
対談の中で、ケビンさんは「子どもたちに『フックをどれほど多く与えることができるか』が重要だ」と何度も言っていました。
「フック」とは「キッカケ」のこと…
「何か引っかかる。何か気になる」
その子の興味関心に引っかかるフックによって、その子の中に眠っている特技や才能を開花させてあげることが教育者の本来の役割であるとケビンさんは言います。
すごく共感しました!
できるだけ多くのフックを子どもたちの周りの大人が用意できるか…
それは教育者だけではなく全ての大人の役割でもあり責任でもあると思います。
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3)人としての成長を促していく取り組み
本校の先生方の多くは高校3年間の中で、どれだけ成長を促す「キッカケ」を作れるかを常に考えています。
本校には高い目標を掲げて全国大会で活躍する野球部やサッカー部があり、新年度(令和6年度)からは女子バスケットボール部が始動します。
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スポーツを通して勝敗を越えた価値あるものを掴むことに重点を置き、人としての成長を促していくスポーツであるべきと考えています。
野球部もサッカー部も、全国で活躍するスポーツ強豪校と言われるようになりましたが「ただ試合に勝てばいい」「スポーツだけすれば良い」というスポーツ至上主義ではありません。指導者たちは「人としての成長」を促す為のスポーツと考えています。我(が)を抑え「チームの為にどのように貢献ができるか」「今、自分が好きな部活動ができるのは誰のお陰なのか」この謙虚さを求めます。そしてその中に培われる個々人の能力は「全体の一部としての自分が独自の存在に成り得たのか」と一段高いステージの成長を求めています。
この考え方は、ケビンさんの掲げるSCHOLASTIC ESPORTS(eスポーツ教育)の理念と同じです。将来の自分の方向性を見つけるために自分の興味関心のあることに取り組むことはとても重要です。
野球やサッカー、バスケットボールなどのスポーツが好きな人もいれば、音楽やダンスが好きな人、囲碁や将棋が好きな人、絵を描くことやが好きな人もいます。
「自分がやってみたい!」と直感することは何でもいい…
その一つがデジタルスポーツ(eスポーツ)であってもいい…
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本校のeスポーツ部GEEK JAMも「ただゲームに勝てばいい」「楽しければいい」というものではなく「人としての成長」を促すeスポーツを目指しています。
まとめ
今回の対談でケビンさんに共感することがたくさんありました。
eスポーツ教育の可能性はどこまでも広がっています。
立正大淞南はeスポーツというデジタルスポーツを通して、子どもたちが興味を抱く「新しい学びのカタチ」を探究する取り組みを始めます!
淞南らしいSCHOLASTIC ESPORTSを目指して…
それは前途有望な子どもたちの無限の可能性に必ずフックすると信じます。
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