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挨拶の見えない力
1)礼儀正しい校風
本校の生徒は創立以来ずっと「礼儀正しい」と高く評価をいただいています。
学校の麓にある国宝神魂(かもす)神社の桜並木の参道や校門から校舎まで続く「奇日坂(くしひのさか)」で、車が近づいてくると立ち止まって振り返り、頭を下げて挨拶をします。
登下校時に、通学路を通る車や会う人すべてに挨拶。
全く見ず知らずの人に対しても同じように。
「どうして全校生徒が礼儀正しい挨拶を身につけることができるのですか?」と尋ねられることもあります。
「新年度のオリエンテーションの中で礼法の時間を数時間とり、礼儀の大切さを伝えています」と答えます。
「それだけで…」
と疑問を抱く人がほとんど…
生徒諸君は、先輩の姿を見て下級生は自然と挨拶ができるようになっていきます。
「礼儀正しい挨拶の習慣が自然と身に付くこと」は、良き校風であり、良き伝統だと感じています。
2)感謝のお便り
通学路近くの国宝神魂神社には観光で訪れる方も多く、これまでも次のようなお便りをたくさんいただいてきました。
「島根に旅行し、神魂神社の参道を歩いていると、生徒さんが「こんにちは」と私たちに挨拶をしました。他の生徒さんたちもそれぞれ元気よく気持ちの良い挨拶の言葉をかけてくれました。見ず知らずの旅行者にもかかわらず、何の迷いもなく自分から気持ちの良い挨拶が自然にできる若人に感動しました。
四泊五日の島根の旅は本当にすばらしいものでした。素晴らしい風景、美味しい食べ物、神社や美術館、城下町など、さまざまな歴史的・文化的遺産の数々。そんな旅の中で、貴校の生徒さんたちとの出会いは、私たちにとって、島根の旅の中の大切な、そして感動的な思い出の一頁となりました。
歴史的・文化的遺産からも多くを感じ、学びましたが、今の時代を生きる若人の言葉や姿からも大切なことを学ばせていただきました。
島根の旅を通して、人々の暖かさ、優しさをとても感じました。これらは写真などの記録とはまた違う、すばらしい心の記憶として私たちの旅を彩ってくれています。最後になりますが、貴校の生徒みなさんが充実した高校生活を送られ、明るく豊かな未来に向かって歩まれますことを遠くから願っております」
何気ない挨拶には人の心に感動を与える大きな力を秘めていることがこの手紙からも伝わってくるようです。
お手紙が届くと必ず全校生徒に披露し、挨拶の大切さをみんなで再確認します。
3)一挨一拶
挨拶(あいさつ)の語源は禅の言葉「一挨一拶」に由来します。
「一挨一拶、其の深浅を見んと要す」
禅門の修行の中で、相手の深浅を知るための禅問答があります。
一方が積極的に攻め込み、押し進む「挨」を行ない、もう一方がすかさず切り返し、攻めていく「拶」を行なうことで、自分の存在をかけてギリギリの問答をかわします。
そしてお互いの力量を見定め、相手の悟りの境地や本質に迫ることで「心を結んでいく」という意味です。
「挨」と「拶」にはそれぞれ次のような意味があります。
「挨」…迫る、近づく、開く、押し進む
「拶」…迫る、攻める、 切り返す、押しつける
挨拶は「自分の心を開き相手の心を開かせ、相手の心に近づいていく」ことで「互いに心を開いて接すること、ひいては互いに認め信じ合う」という深い意味が内在すると思います。
さいごに
日本では、お辞儀など頭を下げる挨拶がありますが、インドやネパールでは両手を合わせて挨拶をしたり、また握手をしたりする国もあります。
「挨拶を交わす」作法も国によって形は違いますが、人と人との関係を良好で円滑にする挨拶は世界共通なんですね。
誰に対しても思いやりの気持ちを込めて、まず自分から挨拶を心掛けたいものです。
「挨拶」には目には見えませんが多くの人の心を明るく豊かにする力があると思います。
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