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#3 未知すがら/百姓一揆

9月某日、私、百姓一揆は酒田へ向かった。

ある取材のためである。この記事はその道中記だ。

いつもはPearl製の便所サンダル(履き心地が最高だ、ぜひ買ってほしい)を愛用しているが、取材だし、かなり歩くのだから靴を履かねばと、前日のうちにスニーカーを洗っておいた。

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列車での移動は、まだ慣れない。

車社会の山形県であるから無理もないことだが、逆方向に乗ってしまう失態を、もう何度繰り返したことか。

「今日はちゃんと酒田まで乗れた、自分、えらいえらい」と称える。自分で自分の機嫌を取れるかが、大人になるための鍵だとさえ思う。

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二人より2時間ほど早く着いたのには訳がある。

中町にぎわい健康プラザで行われた小学生向けスポーツフェスティバルで、師匠がDJをするから来ないか、とのことだったのだが、DJとスタッフ以外、誰もいない。酒田には小学生がいないのだろうか(午後からの開催でした)。

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振動。

師に謝辞を述べ、私はマリーン5のそばで2人と合流した。

深瀬くんとは1度取材にも行ったので、何も言うことはないのだが、あやさんとは、校外で会うのは初めてだった。

あやさんは開口一番「オイ!」と叫び、威嚇してきた。
戦う気もさらさらないのに、攻撃を1段階下げさせられた。

なんだこの人は。
ここは中町アーケードだ。1ばんどうろではない。

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まずは飯だ、腹ごしらえだと、ショウナイユースプロジェクト員は歩き出した。何が食べたいか、否応なくラーメンである。鶴岡は凝ったラーメンが多い印象だが、酒田は「中華そば」という面持ちで構えてくれる。やはりダシの文化なのだろうか。
麺屋寿々来の暖簾にヘッドバットをする形で入店。

前にで食べたときも深瀬くんは大盛りを頼んでいたが、例に漏れず今回も大盛り。しかし「思ったよりも多かった…」とグロッキーになっている。

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計画性を持て、と計画性のない私から言われる始末。だがしかし、彼は終始ニヤニヤしている。全く食えない男だ。

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我々には足はあるが、アシはない。3人で中町アーケードを闊歩していると、楚々さんの隣に古書店スペースが。
宝に出会える可能性に理性をぐちゃぐちゃにされた。希しくもリサイクルショップやブックオフ、水より宝石の我ら。
蜘蛛の巣に絡め取られてしまった。

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さいとうあや氏の購入品。純文学の素は後で貸してください。死刑囚の記録を探し当てたとき、一番顔が輝いていたのを私は見逃しませんでしたよ。

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深瀬氏のラインナップはなんちゅーか、視覚的にも楽しめるものばかりですわね。一番買ってたんじゃないかしら。
ガロに出会えてよかったね。後で読ましてください。
スタアの語感だけで本買ったろ。

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百姓一揆は文庫本でないと本が読めないのでこのような感じです。まだ一冊も読んでないや。
「使える」だけではものたりない。


高田渡のような物腰柔らかそーな店主。ここは酒田で唯一の古書店だそう。宝を探しに通おう。

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値付けどうなっとるんや

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旧本間邸に入る路地でうっかりBaby chu chuさんの名前を出してしまったためにあやさんが「アイス」コールを始めてしまった。こうなった以上、彼女なら押し通るだろう。居郷留と書いてオルゴオルと読ませる豪胆さのように。

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店内のケースに入るジェラートがぴかぴか光ってみえる。

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ひょこっとBOYが顔を出した。この店のBOYであろう。
BOYは我々に恐竜の頭蓋骨型の玩具を誇らしそうに見せてきた。所謂、チープなスリルというやつ。

どうやら奥歯がスイッチのようだが、深瀬くんは毎回噛まれていた。なんて大人なんだ、見直したぞ。

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季節物の梨ジェラート、ちょっと皮が入っていて香りがファーッと抜ける(気持ちも半音あがるくらい)。是非立ち寄ってほしい。

BOYの振る手をあとにしてみんなで歩き出した。


人人人人人人人人_
> 唐突なクイズ <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

本間邸の門の前で記念撮影。

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あやさん、白いッスね。

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……ん?

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スニーカー履いとらんやん!!!!!

これは、どういうことだ?

Q.どういうこと?

1.靴が乾かなかった

2.靴がひとりでに逃げ出した

3.爆発四散していた





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答えなど、ない。


ショウナイユースプロジェクト


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百姓一揆 / DJ、ライターとして活動。庄内の紹介人になるべく、現在地元遊び倒し中。だいたい黄を身につけているので、遠くからでも視認しやすいところがチャームポイント。

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深瀬 / ライターとして活動。食えない男。好奇心と実践においてユースプロジェクト内では頭抜けた存在。ちゃんと人の話が聴ける。

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さいとうあや / 遊佐町少年議会 少年町長、ショウナイユースプロジェクト代表として活動。「無いなら作ればいい」の精神で生きている鉄人。座右の銘は「五千円を五千円として使うな」



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