現役大学生がアニメ「響け!ユーフォニアム」を見た感想
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あらすじ
つい余計な一言を口走ってしまうことが多いユーフォニアム担当の黄前久美子(おうまえくみこ)。時にはその言葉が相手の本心を引き出し、物語を進める鍵となる。
そして、「特別になりたい」その一心でトランペットを吹き続ける高坂麗奈(こうさかれいな)。誰よりも強い意志と確かな実力を持つ彼女は時に部員とぶつかり合いながらも久美子と支え合っていく。
個性的な吹奏楽部員たちが織り成す日常は、「全国大会出場」という目標とちょっと毒舌な吹奏楽部顧問の滝昇(たきのぼる)によって大きく動き始める。部活内のトラブルや実力争い、そして恋や友情という青春を謳歌する彼女たちの眩しさに憧れずにはいられない。
アニメ「響け!ユーフォニアム」の情報
現在までに2クールが制作されており、加えてスピンオフの「リズと青い鳥」、劇場版の「誓いのフィナーレ」が映画上映されました。
京アニ放火事件により関係者が亡くなる悲しい出来事もありましたが、2023年8月4日に「特別編 響け!ユーフォニアム〜アンサンブルコンテスト〜」の上映が決まり、さらに2024年に3期の制作が決定しました!今も尚愛され続ける「響け!ユーフォニアム」の今後が期待されますね。
アニメ「響け!ユーフォニアム」を視聴した感想
では早速、現役大学生がアニメ「響け!ユーフォニアム」を視聴した感想をいくつかのポイントに分けて紹介していきます!
私たちも走り出さずにはいられない
最初はかわいい女の子たちが力を合わせて全国大会を目指すだけの物語だと思っていましたが、8話でガラッと空気が変わりましたね。
ひょんなことから2人でお祭りに行くことになった久美子と麗奈ですが、そこで麗奈は「特別になりたい」と自分がトランペットを吹き続ける理由を久美子に話します。
麗奈の本心が明かされ、大きく距離が近づいた2人。そして、葉月と秀一のそれぞれ交わらない想いが描かれた8話は各キャラクターの「個」に焦点が当てられており、これはただの吹奏楽アニメではなく、人としての成長や部活動に捧げる熱い想いが感じられる壮大な物語なのでないかと予感させられました。
高坂麗奈と中世古香織のソロパートをかけた騒動後、漠然と続けていたユーフォニアムに本気で取り組み始める久美子。思うようにはいかず「上手くなりたい」と涙ながらに叫ぶシーンには共感できる方も多いのではないでしょうか。
小中高とバスケに打ち込んでいた筆者も、勉強や遊びの時間を犠牲にしながらも努力し、それでも上手くいかずに苦悩した日々を思い出しました。そんな風に何か一つのことに全力で打ち込んできた経験のある方には間違いなく刺さりますし、なにかせずにはいられない衝動を感じるとにかく熱いアニメでしたね!
音、そして線。
一つ一つの楽器の作り込み、息を吸う音、そしてキャラクターの感情や個性が伝わってくる演奏。どれをとっても文句のつけ所がなく、特に吹奏楽経験者にしか分からない演奏中の細かな動きや指の運びの描写は流石のものです。
そんな京アニの実力が存分に発揮された本作は、携わってきた方々のこだわりや作品への愛が伝わる描写が多数あるのでストーリー以外のポイントにも注目してみるとさらに楽しめますよ!
彼女たちの物語
60人を超える部員が所属する本作の吹奏楽部ですが、主人公である黄前久美子以外の部員にもそれぞれの物語がありました。特に印象に残っているのが副部長の田中あすか。
最初はおちゃらけていることが多く、ムードメーカー的な役割を担っていたあすか先輩ですが、部内が混乱に陥った時でも中立的な立場を取り、決して深く関わろうとしない姿に違和感を感じた方も多いと思います。しかし、彼女にとってユーフォニアムは父と自分を繋ぐ大切なもので、久美子の言う通り「ただの高校生」なんですよね。
そんなある意味一番人間らしい彼女の小さな物語は響けユーフォニアム屈指の名シーンだと思います。2年生、3年生にもそれぞれ物語があり、それぞれが抱える過去を乗り越えていく姿に毎回感動させられます。
まとめ
スポ根、友情、恋愛。アニメ「響け!ユーフォニアム」は、学生時代の一瞬のような時間の中で感じた気持ちを思い出させてくれました。今しかできないことやその瞬間にしか感じられない気持ちに気付くのは結局全てが終わった時なのかもしれません。しかし、今という時間は必ず未来へと繋がり、その瞬間は決して無駄ではないとこのアニメを通して彼女たちが教えてくれました。