ドラマ感想『LOVE TRANSIT season2』
1人では滅多に恋愛リアリティを見ることはありませんが、彼女と一緒にツッコミをし、発狂しながら観るのは楽しいことに気がついたシリーズの待望の第二弾です。
1シーズンの感想はこちら
題名が仰々しい
毎度感心させられるのは編集の上手さです。いきなりこんな感想を言うなんて元も子もない気がしますが、膨大な量の素材のどこを切り取って、どういう順番で見せるかで、本当に印象が変わります。今回は特にそれを感じて、終盤に近づくにつれて、僕たちが見たかったり期待している雰囲気と、実際に10人が醸し出している雰囲気に差が広がっているような感覚がしたのです。きっと10人は、僕たちが見ている一種過激でセンセーショナルなパーツ以外に、もっと些細で和やかな、恋愛ではなく絆と言えるような日常を過ごしていたのだと思わせられます。
見ているのはあくまで現実に近いフィクションであり、その人の全てを見ているように思えますが、本当に見えているのはごくごく一面、しかも演出によって誇張された一面なのでしょう。
それをわかった上で、作品として巧みに作り上げている製作陣、流石です。
恋は積極性
さて、今回でも非常に面白かった部分は、人間は恋愛となると、明らかにミスだろと思えてしまう行動を、まじめ腐った顔でしてしまうことです。
例えば、明らかにいじっちゃいけない場面で元カノをいじったり、昨日デートした人の前ですぐに別の人と2人きりになったり、風俗の話をベラベラと喋ったり、男性目線の文句ばかりで申し訳ありませんが、どう考えても向かう先は破滅でしかない振る舞いが生じます。当事者ではないので、こいつら馬鹿だろと笑えますが、恋の盲目さがわかるというものです。
どう考えても破滅だ、と言いましたが、意外と破滅しないのが不思議というか、ある意味自信がつきます。人間と人間の関係なんてものは完璧であるはずがなく、失敗を繰り返し、許しあいを繰り返して成立しているはずです。だからこそ、恋愛に発展しようとしている集団の中でも、失敗はあるでしょうし、それを許す心の広さも存在しています。失敗は恐れるものではありませんし、泣くのは恥ずかしいことではなく、関係を深めようと歩み寄った結果にすぎないのです。てなわけで、僕たちは彼ら彼女らにツッコミを入れながらもどこか暖かく見守り、僕はまた、人間関係に対して少し前向きになることができます。これが今作のすごいところです。別れた者同士が復縁するんですから。
依存性
恋愛映画や恋愛アニメが苦手な僕が、ラブトランジットを見ることができるのは、恋愛以上に、人間関係のあれこれが感じられるからだと思いました。非常に普遍性があります。
それから、これも編集の手腕によるところが多いとは思いますが、毎話好きだった人が嫌いになり、嫌いだった人が好きになって、ころころと印象が変わるのも面白かったですね。
僕は人を表面でしか判断していないと突きつけられているようでした。