台湾1人旅行⑩ 古着屋とご当地グルメ
1 古着屋
古着屋巡りを敢行するも、軒並み台風のせいでお店が閉まっている中、唯一やっているお店が僕の前に姿を現してくれました。
その名も日本進口二手衣。繁華街から少し離れた場所に、静かに店を開いていました。台風のせいで周囲がシャッターだらけだったのでそう思ったのかもしれませんが。
日本という文字が書いてあるので、日本の古着を取り扱っているのかと思いきや意外とそうでもなく、僕の感覚的にはヨーロッパ古着が主力となっていました。台湾ではアメリカ古着よりも日本の古着の方が人気があるそうで、もちろん日本の古着もありました。肩パットが入った昭和の服などもあり、誰が着るんやと思いましたが、場所が違えば服装も違いますよね。
見て下さい、この服で埋め尽くされた圧巻の光景を。僕が古着屋を好きなのは、こういう個性が敷き詰められた空間が好きだから、というのが理由の一つなので、入った瞬間に胸が躍りました。
しかし、暑いこと暑いこと。店にはエアコンがなく、どこかにある扇風機が凄い音を立てて唸っていますが、全然効果がありません。敷き詰められている古着たちはどういうわけが全部秋冬もので、それも相まって少し店内見物をするだけで眩暈がしてきました。通路も狭いですしね。
店主さんは朗らかなおじさんで、笑顔で僕を迎え入れてくれました。台風なのに店を開けてくれてありがとうございます。僕は柄シャツが大好きなので、一着買わせて頂きました。一概に古着の価値というのはわかりませんが、日本で買っても同じくらいの価格だと感じました。
2 牛肉麺と猪脚饭
台湾といえば牛肉麺と聞いたことがあったので、食べるチャンスを狙っていました。見つけたお店がここ、西門麺店です。
営業時間は驚異の24時間営業です。本当なのかわかりませんが、多くの店員たちが談笑も交えながら楽しそうに働いていたのが印象的でした。作る場所と食べる場所がわかれており、まるで二つの店があるように感じました。店の前の道まで店であるかのように、椅子が置かれて作業場になっていたのも印象的でした。台湾のお店は結構、店の前の道も自分たちの領域であると思っている節があり、結構気に入りました。飛び出した柱にテレビが括りつけられていたり、通路に突然本が並んでいたりしていた光景はワクワクします。
僕はお腹が空いていたので、牛肉麺と猪脚饭の二つを頼みました。双方かなりボリューミーでした。牛肉麺はモチモチの麺と派手な牛肉がパンチのある食感をもたらし美味しかったです。猪脚饭はその名の通り猪なんですよね? 初めて猪を食べました。油がたっぷりと乗っていてかなり柔らかく、猪がこんなにおいしいなんて知りませんでした。臭い臭いと言われてそれを信じていましたから。ただし、僕は猪の美味しさに感動してしまい、ご飯を混ぜるのを忘れていました。恐らく本来は混ぜるものなのでしょう。キュウリと思われる野菜が信じられないくらいに辛くてびびり散らかしました。
流石に量が多すぎて死にかけていると、追い打ちをかけるように、店員さんがサービスで丸い野菜コロッケのようなものをくれました。ありがた迷惑です。美味しかったです。
次第に店が混んできて、僕の向かい側に韓国人のカップルが座って、いくつか英語でコミュニケーションを取ることができました。へたくそなりに英語を勉強していてよかったな、と少し思えた瞬間でした。
3 しかし台風
お腹が一杯になって満足して道を歩いていると、轟音が聞こえて飛び跳ねました。他の通行人と一緒に慌てて振り返ると、ビルの上から鉄骨が落下していたのです。恐らく台風の強風で、どこかのパーツが外れたのでしょう。よく工事現場の鉄骨が落ちてきて死ぬアニメやドラマの登場人物がいますが、確かにあれが降ってきたら死ぬだろうと、その光景を見て思いました。
それだけならまだしも、なんと落ちた鉄骨に気づかず、タクシーが爆速でそこに向かって走ってきました。やばい! と誰しもが思う前に、タクシーは鉄骨の上を進み、車の腹の部分が鉄骨と衝突しました。
鈍い音が雨の中に響き渡りました。
改めて今は台風の最中にあり、危険な状況にいるのだと痛感しました。少しでも危なくなったら、身の安全を確保しなければ……。
続く
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