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台湾1人旅行⑯ もう許してくれ、台風

状況を整理すると、台風の影響で25日の夕方に出るはずだったフライトが延期になり、26日の午前五時に決まりました。当然宿はとっていないので、空港で一泊することを余儀なくされました。それだけならまだしも、26日の午後から仕事があり、僕は不安で仕方がありませんでした。そんな状況です。



1 空港泊のワクワク

僕は中国の空港で夜を過ごしたことが二度あるので、空港泊自体は慣れていますし、なんなら好きです。
全員が疲労と睡魔に包まれながら、好き勝手な場所で横たわっていたり、夜食を食べたりしているぼんやりとした状態が、なんだか酩酊状態に似ていて好きなのです。また、日中は溢れんばかりの人を収納して稼働している空港が、夜になって閑散としており、その中を彷徨うのも、どういうわけかワクワクします。二十四時間のコンビニの雰囲気も大好きです。

そんなわけで、僕は寝ればいいのに、結局十一時くらいまで食事をしたり、お土産を買ったり、散歩をしたりしていました。五時のフライトなので、二時頃に搭乗手続きがあるという不安があったせいで寝れないという理由もありましたが。

2 晩ご飯とお土産

台北桃園空港は五階構造になっていて、一階、四階、五階に食事を楽しめる場所があります。僕は一階のフードコートに足を運び食事をしました。

彼女に聞いたら、結構ローカルなフードだそうです。


基本的に七時や八時で閉まってしまう店が多いですが、一階にあるマックは二十四時間営業だそうです。また、五階は二つあるのですが、その両方に二十四時間営業のコンビニがあります。

五階にはスカイデッキもあります

お土産を売っている場所は二階と五階にあります。僕は油断して、五階のお土産で美味しそうな牛肉のお菓子を買おうとしましたが、店員さんに止められました。日本へは肉の持ち込みが禁止されていますからね。いい店員さんでした。危うく世界まる見えの、ドラッグを持ち込む危険人物のように税関で尋問されるところでした。

お土産たち

3 疲労と不安

食事を楽しみながらも、夜食を楽しみながらも、徐々に抗いきれない不安が僕の心を侵食し始めました。
五時からのフライトなので、二時頃に搭乗手続きがあるだろうと予想はしていましたが、全然公式発表がされていませんでした。本当に五時に出発してくれるのだろうか、出発しなかったとしたら、仕事場にどのタイミングで連絡をすればいいのか、連絡したくないな、など、考えても仕方ない不安がグルグルと渦巻くのです。
散々悩んだ挙句辿り着くのは台風への恨みで、台風がなければこんなことにはならなかったと怒りを噴き出し、ですがそれもまたいくら考えても仕方がないことなので、僕は散歩を続けるのです。

食べ物ではなくて椅子


すっかりはまったクレーンゲームを最後にやりたいな、と思いましたが、残念ながら空港内にクレーンゲームはありませんでした。

ようやく十二時頃。二時に搭乗手続きが開始されるという発表がありました。すると急にとても眠くなり、僕は手ごろな椅子を見つけて仮眠を取ることにしました。上海空港では、椅子が先に取られて床に寝る人が続出していましたが、ここでは椅子にありつくことができました。台北桃園空港は信じられないくらいに空調が効いていて、南国とは思えない肌寒さを感じました。防寒具など持ってくるはずもないので、僕はパジャマ用のズボンをスーツケースから引っ張りだして腕にはめる始末でした。

寒いです。サンダルなのに靴下を履いてしまいました

僕はわりとどこでも寝れる体質ではありますが、それにしてもあっという間に固く寒い悪条件の中ですやすやと寝ることができました。思っていたより自分が疲れていたことを痛感しました。

旅行っていうのは、疲れますよね。ましてや計画がとことん頓挫する海外旅行だと猶更。

4 もう許してくれ、台風

最悪な目覚めでした。アラームで起きると、ちょうど二時。体はまだ寝させてくれと訴え、起きた途端に、ちゃんと帰れるのかという不安がまた押し寄せました。

搭乗手続きの場所に行くと、深夜とは思えない物凄い列ができていました。当然です。皆フライトが延期になっているわけですし、キャンセルになったフライトの乗客たちもここに集っています。この時点で、いくらか飛行機に乗ってきた経験が僕にこう告げました。これは遅れる、と。

案の定、ほぼ最後尾に並んでいた僕の搭乗手続きが終わったのは四時半でした。急いで保安検査場を抜けて、搭乗口に向かいましたが、搭乗口には重々しい雰囲気が漂っており、僕の予感は確信に変わりました。アナウンスの英語が聞き取れず、正確な原因はわかりませんでしたが、四時二十分に搭乗開始が、五時二十分に搭乗開始に変更されていました。一時間遅くなるだけで、午後からの仕事に間に合うか間に合わないかが大きく変わります。

急げ!
急げ!
くそったれ!

僕はもう心の底から絶望し、また疲弊し、今までは台風に対して激怒をしていましたが、怒りがすっとしぼみ、懇願の気持ちが湧き出てきました。どうか許して下さい、どうが無事に早く日本に帰して下さい、台風さん、という。

5 総括

以上で、台湾1人旅行のブログを終わります。始めての1人海外で、台風にも襲われて、他の皆さんのように満喫した旅行記にはなりませんでしたが、こういう失敗続きの海外旅行もまた、素晴らしい経験の一つだったと言えるでしょう。無事に帰ることができて、仕事にもギリギリで間に合ったから、そう言えるんでしょうね。

毎度のことながら、旅行記というよりは僕の一喜一憂に焦点を当ててしまっているブログなので、もし何か興味がある事柄があったら、詳しく答えますのでコメントよろしくお願い致します。

ひどく疲れ、ひどく不安に駆られた台湾旅行でしたが、台湾自体はとても好きでした。人は優しいし、食べ物は美味しい。また足を運んでみるのもありですね。

終。


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