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『人は、どうして転職するか』 本気を出さないで考えてみた
『人は、どうして転職するか』
近頃の私は、ふとした瞬間にそんな答えのない問いについて考えている。よく転職理由として語られる内容について試しにChatGPTに質問してみると、以下の回答を列挙してくれた。
キャリアアップ・スキルアップを図りたい
現在の職場での成長の限界を感じている
給与や待遇に不満がある
ワークライフバランスを改善したい
現在の職場の人間関係に問題がある
職場の労働環境や働き方に不満がある(長時間労働、労働環境の悪さなど)
仕事内容が自分の興味や目標と合わなくなった
企業のビジョンや価値観に共感できなくなった
新しい業界や職種に挑戦したい
転勤や移動が多く、安定した生活を送りたい
会社の業績悪化やリストラなどによる不安
自身の健康状態を考慮して環境を変えたい
どれもこれもが実際によく語られる転職理由である。これらの理由をカテゴライズすると、「キャリア成長・自己実現」「労働条件・環境の改善」「人間関係・企業文化の不一致」といったカテゴリーに分類できる。
多くの読者にとって、比較的納得感の高いカテゴライズでなかろうか。現実問題として、多くの転職者の転職理由を分類すれば、これら3つのカテゴリーのどれかに入る理由で転職していると思われる。ここで一つ疑問が生じる。
『本当にそうなのだろうか』
つまり、「キャリア成長・自己実現」「労働条件・環境の改善」「人間関係・企業文化の不一致」は、確かに転職理由としてよく語られるし、実際に納得度も高い。恐らく多くの転職経験者が首を縦に振るだろう。
だが、転職理由としてもっともらしく感じられる「キャリア成長・自己実現」「労働条件・環境の改善」「人間関係・企業文化の不一致」の3つの理由は、どちらかといえば退職理由に思える内容ばかりだ。
なぜならば、「キャリア成長・自己実現」「労働条件・環境の改善」「人間関係・企業文化の不一致」のどれもが現状に対する不満だからだ。唯一「キャリア成長・自己実現」は不満に見えないかもしれない。
一見すると前向きだし、不満のような感情は見えない。しかしながら、「キャリア成長・自己実現」を意識する人間の根底にある感情や背景を思えば、そうでないのは明らかである。
「キャリア成長・自己実現」を目指して退職するのは、つまり現職でそれらを望めないからである。要するに現職に居続けたところで、自身のキャリアの成長は望めそうになく、だから自己実現も見込めそうにない。
そうした不満を感じているからこそ出てくる転職理由が「キャリア成長・自己実現」に内包されている。やはり、不満なのだ。とどのつまり、人は不満で退職し、転職する。そんな結論が浮かんでくる。一方で、私はふと考える。
『転職理由、すなわち退職理由なのか』
確かに退職しなければ転職できないのだから、退職理由がそのまま転職理由になると考えるのは合理的だ。所属先に抱えている不満を解消するには、所属先を変えるのが手っ取り早い。所属先の変更理由は転職理由に等しいはずだ。
ここで少し立ち止まって欲しい。その理屈には少しだけ綻びがある。現在所属している先に対して抱えている不満を解消するには所属先を変えるのが手っ取り早い。言い換えるならば、現職への不満を解消する簡潔な方法は転職だ。
これは真だろうか。一見するともっともらしいが、落ち着いて考えみるとどうにもおかしい。現職に対して抱えている不満は確実に存在しているものだが、転職先がその不満を解消してくれるかは曖昧な存在だ。
退職を意識し、転職活動を開始した時点で抱えている「キャリア成長・自己実現」「労働条件・環境の改善」「人間関係・企業文化の不一致」といった理由(不満)は、確実に存在を認められる。
それらが動機となっているのだから、存在しないわけはない。認知できていないケースも基本的にないだろう。それが意識的に把握できているか、無意識的に抱えているものかの濃淡は定かでないにしても、存在は明白である。
他方、「キャリア成長・自己実現」「労働条件・環境の改善」「人間関係・企業文化の不一致」といった不満が、転職によって解消されるかは定かでない。転職先での状況は、すべて想像によるものだからだ。
現実に不満が解消されたと感じられるのは、転職後いくらか時間を経た後に振り返って得られる結果である。そしてこの結果が往々にして転職理由として語られる。何が言いたいか?
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