音楽に出会った初期衝動(ネタバレあり)
「音楽ってこれでいんだよな。」
心が開放された瞬間だった。
上手くなきゃいけない、カッコよくなきゃいけない、知識がなきゃいけない、ets,,
そんな事はどうでも良いと思えた
僕が音楽をやって、楽しくて、心が震える。
それでいんだよ。
ふと、Netflixで「音楽」と言うアニメ映画を見た、詳しい事前情報は入れずに。
そして、冒頭の感情に至った訳だが、この感情、この初期衝動、を文章にしなければいけないと感じたから、今、書いてる。
物語をざっくり説明すると
だ。
これだけ聞くと、不良達が音楽に出会い、必死に練習して、喧嘩したり、挫折したりして、フェスで大成功!みたいな物語を想像するだろう。
BECK的なやつ。
しかし全く違う。
劇中では、不良達はずっと不良で、ずっと音楽を楽しんでいた。
特に楽器を上手く弾くために特訓するとか、音楽の知識を増やそうとか、全くない。
不良が音楽に出会い「みんなで合わせて音出すとめっちゃ気持ちいいよね!なんか俺たちカッコよくね!?」のままずっと話は進んでいく。
もはや、途中で飽きたりしてたし。
そこが最高だった。
不良3人が初めて一緒に音を出した瞬間、その表現も見事だった。
ってか全体的にアニメーションのクオリティが凄い。
間 だったり、勢いだったり、人間の感情をエモーショナルに視覚化したり
このアニメは「表現を表現」していた。
特にフェスでの演奏シーンは圧巻の一言。
個人的にボヘミアンラブソディーのラストを軽く超えてた。
演奏がもう、、、
上手く表現できないが、フェスに出てきたロックバンドのボーカルがチャーリーパーカーで、歌わずにめちゃくちゃヤバいサックスのアドリブをぶちかます。
そんな感じ、見ているときの脇汗が半端なかった。
ロックと言うよりはジャズ、特に40年代に流行ったビバップに近い感じがした。
詳しくは、その目とその耳で確かめてくれ。
何かクリエイティブなことをしてるなら確実に心が震えるはずだ。
僕の話をする。
僕はヒップホップのビートメイクを趣味でやっているのだが、最近、自分の作品のクオリティーが低いと感じ、本やYouTubeでMIXなどの音楽の知識を漁っていた。
そして、良い機材も買って、知識も増えて来て、自分は音楽をより深く理解していると悦に浸っていた。
なんなら過去の楽曲を手直ししてクオリティーを底上げしてやろうとも考えていた。
しかし、それはもしかしたら愚かな事なのかもしれないとこの映画を見て感じてしまった。
だって、過去作った曲達は、それを作った僕が最高に興奮して、その制作の瞬間をワクワクしながら作った物だから。
間違いなく楽しかったのだ。
そして、その時点での僕の最大限がそこに詰まっている、それは非常に尊い物だろう。
だから、それはそれで良い物なのだ。
結局、音楽で自分が楽しんでいればいいんだ。
自分の心が震え、夢中を感じ、生活の中に音楽の光が差し込む
それでいいんだ。
音楽やその他の物も一緒だが、掘り下げて行けば結局そこに辿り着くと思う。
そんな事を教えてくれた映画だった。
「音楽」個人的に2021年(2021年12月30日現時点)一番の映画でした。
だって文章を書かずにはいられなかった。
ぽやしみ。
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